WCAG 2.0 実装方法集

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F32: 達成基準 1.3.2 の不適合事例 - スペースを用いて、単語内の文字間を空けている

適用(対象)

全てのウェブコンテンツ技術

これは次の達成基準に関する不適合事例である:

解説

この文書は、単語を視覚的にフォーマットするために、単語の中でスペース、タブ文字、改行文字又は行送り文字のような空白文字を用いると、それらを意味のある並びとして適切に提示するのが困難になるという不適合事例について解説する。文字間を制御するために空白文字を挿入すると、単語の解釈を変えてしまうかもしれないし、それが一つの単語であるとプログラムで解釈できないようにしてしまうことがある。

頭文字語の文字間に空白文字を挿入することはこの不適合事例には当たらない。空白文字が頭文字語の解釈を変える訳ではないし、むしろ理解しやすくするかもしれないからである。

単語間のスペースを利用して視覚的なフォーマットを行うことはこの不適合事例には当たらない。空白文字が単語の解釈を変えることはないからである。

事例

不適合となる事例 1: 単語の途中に空白を挿入することによる不適合

この事例では、見出しとして文字をまばらに配置するために単語の途中にスペースを置いている。スクリーンリーダーは、"Welcome"という単語としてではなく、文字を一つずつばらばらに読み上げてしまうだろう。

コード例:


<h1>W e l c o m e</h1>

&nbsp; を用いてスペースを追加することもできるが、同様の不適合事例となる:

コード例:


<h1>H&nbsp;E&nbsp;L&nbsp;L&nbsp;O</h1>

不適合となる事例 2: 単語の途中に入れた空白によって意味が変わってしまう

日本語においては、一つの漢字がそれぞれ意味の異なるいくつかの読み方を持っていることがある。この例では、スクリーンリーダーは空白文字があるためにこれらの文字列を一つの単語と認識できず、誤った読み方をしてしまう可能性がある。この文字列は「東京(とうきょう)」を意味しているが、スクリーンリーダーは「ひがし きょう」と読み上げてしまう。

コード例:


<h1>東 京</h1>

不適合となる事例 3: 縦書きのテキストを表現するために改行文字を使用している

データテーブルの行見出しセルに日本語が含まれる場合に、制作者は改行文字を使用して縦書きのテキストを表現することがよくある。しかし、単語中に改行文字があるために、スクリーンリーダーはこのような縦書き文字列にある単語を正しく読み上げることができない。次の例は「東京都(とうきょうと)」ではなく「ひがし きょう みやこ」と読み上げられてしまう。

コード例:


<table>
<caption>表1. 都道府県別一覧表</caption>
<tr>
<td></td>
<th scope="col">(見出しセル 1.)</th>
<th scope="col">(見出しセル 2.)</th>
</tr>
<tr>
<th scope="row">東<br />京<br />都</th>
<td>(データセル 1.)</td>
<td>(データセル 2.)</td>
</tr>
・・・・・・
</table>

参考リソース

この不適合事例に関するリソースは、今のところない。

検証

チェックポイント

文字間に標準的でない空白又は改行があるように見えるすべての単語について:

  1. コンテンツのテキストを構成する単語が空白文字又は改行を含んでいる。

判定基準

日本語訳における注記:

この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。