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解説書 達成基準 2.4.8:現在位置 (レベル AAA)

要約

目標
利用者は、自身がウェブページ一式の中でどこにいるかを知っている。
何をすればよいか
パンくず、サイトマップ、又は他のインジケータを用いてコンテキストを提供する。
なぜそれが重要か
現在位置のインジケータは、認知に障害がある人々の混乱を軽減する。

意図

この達成基準の意図は、集中力が長く持たない利用者がウェブページ一式、ウェブサイト、又はウェブアプリケーションの中で自分のいる位置を確認することができ、関連する情報を見つけることができるようにすることである。

利点

  • この達成基準は、あるウェブページへたどり着くまでに幾つもの段階を経てナビゲートしているうちに困惑してしまう、集中力の続かない利用者に役立つ。また、利用者がリンクで深い階層にあるページへ直接移動した際に、そのページのコンテンツを理解したり、関連するその他の情報を探したりするために、そのウェブサイト内を行き来する必要があるときなどにも役立つ。

事例

利用者がサイト内での自分の現在位置を確認しやすくするリンク
ある大学の教育学部に研究会がある。研究会のウェブサイトのホームには、学部のウェブサイトのホーム及び大学のウェブサイトのホームへのリンクがある。
パンくずリスト
ポータルウェブサイトは、トピックをカテゴリごとに整理している。利用者がカテゴリ及びサブカテゴリ内を行き来していると、パンくずリストがカテゴリの階層における現在位置を示してくれる。また、各ページには、ポータルのホームへのリンクもある。

関連リソース

リソースは、情報提供のみを目的としており、推奨を意味するものではない。

テクニック

この節にある番号付きの各項目は、WCAG ワーキンググループがこの達成基準を満たすのに十分であると判断するテクニック、又は複数のテクニックの組み合わせを表している。しかしながら、必ずしもこれらのテクニックを用いる必要はない。その他のテクニックについての詳細は、WCAG 達成基準のテクニックを理解するの「その他のテクニック」を参照のこと。

十分なテクニック

参考テクニック

適合のために必須ではないが、コンテンツをよりアクセシブルにするために、次の追加のテクニックを検討することが望ましい。ただし、すべての状況において、すべてのテクニックが使用可能、又は効果的であるとは限らない。

重要な用語

支援技術 (assistive technology)

障害のある利用者の要件を満たすために、主流のユーザエージェントが提供する機能を超えた機能を提供するような、ユーザエージェントとして動作する、又は主流のユーザエージェントと共に動作するハードウェア及び/又はソフトウェア。

注記

支援技術が提供する機能としては、代替の提示 (例: 合成音声や拡大表示したコンテンツ)、代替入力手法 (例: 音声認識)、付加的なナビゲーション又は位置確認のメカニズム、及びコンテンツ変換 (例: テーブルをよりアクセシブルにするもの) などを挙げることができる。

注記

支援技術は、API を利用、監視することで、主流のユーザエージェントとデータやメッセージのやりとりをすることが多い。

注記

主流のユーザエージェントと支援技術との区別は、絶対的なものではない。多くの主流のユーザエージェントは、障害のある個人を支援する機能を提供している。基本的な差異は、主流のユーザエージェントが障害のある人もない人も含めて、広く多様な利用者を対象にしているのに対し、支援技術は、特定の障害のある利用者という、より狭く限られた人たちを対象にしているということである。支援技術により提供される支援は、対象とする利用者に特化した、よりニーズに適したものである。主流のユーザエージェントは、プログラムオブジェクトからのウェブコンテンツの抽出、マークアップの識別可能な構造への解釈といった、重要な機能を支援技術に対して提供する場合がある。

ウェブページ一式 (set of web pages)

共通の目的を共有し、同じコンテンツ制作者、グループ、又は組織により制作されたウェブページの集合。

注記

他言語版は、異なるウェブページ一式と見なされることもある。

ユーザエージェント (user agent)

ウェブコンテンツを取得して利用者に提示するあらゆるソフトウェア。

ウェブページ (web page)

単一の URI から HTTP で得た埋め込まれていないリソースに加え、レンダリングに使われる、又はユーザエージェントがこのリソースと一緒にレンダリングすることを意図しているその他のあらゆるリソースを合わせたもの。

注記

どのような「その他のリソース」も主たるリソースと一緒にレンダリングされるであろうが、これらのリソースが同時にレンダリングされるとは限らない。

注記

このガイドラインの適合範囲に含まれる対象となるウェブページとみなされるためには、リソースが「埋め込まれていない」リソースでなければならない。

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