達成基準 3.3.5: ヘルプを理解する

達成基準 3.3.5 ヘルプ (レベル AAA): コンテキストに応じたヘルプが利用できる。

意図

この達成基準の意図は、利用者がミスをしないようにすることである。障害のある利用者は、障害のない利用者よりもミスをする可能性が高い。コンテキストに応じたヘルプを提供することによって、利用者は自分が実行していることの手順がわからなくなってしまうことがなく、どう操作すればよいかがわかる。

コンテキストに応じたヘルプは、ラベルがすべての機能を説明するのに不十分なときにだけ提供すればよい。コンテキストに応じたヘルプの存在は利用者に明らかにすべきであり、利用者が求めたときにはいつでもそのヘルプを入手できるようにすべきである。

コンテンツ制作者はエラーの説明を提供してもよく、又はユーザエージェントは技術固有な、プログラムによる解釈される情報に基づいてエラーの説明を提供してもよい。

メリット

事例

達成方法

この節にある番号付きの各項目は、WCAG ワーキンググループがこの達成基準を満たすのに十分であると判断する達成方法、又は複数の達成方法の組み合わせを表している。しかしながら、必ずしもこれらの達成方法を用いる必要はない。その他の達成方法についての詳細は、WCAG 達成基準の達成方法を理解するの「その他の達成方法」を参照のこと。

十分な達成方法

そのコンテンツに合致する状況を以下から選択すること。それぞれの状況には、WCAG ワーキンググループがその状況において十分であると判断する、番号付の達成方法 (又は、達成方法の組み合わせ) がある。

状況 A: フォームがテキスト入力を求める場合:

  1. G71: すべてのウェブページにヘルプへのリンクを提供する
  2. G193: ウェブページでアシスタントによるヘルプを提供する
  3. G194: テキスト入力に対するスペルチェック及び修正候補を提供する
  4. G184: フォーム又はテキストフィールド一式の先頭に、必須の入力を記述するテキストの説明を提供する

状況 B: フォームが所定のデータフォーマットでのテキスト入力を求める場合:

  1. G89: 期待されるデータ書式及び入力例を提供する
  2. G184: フォーム又はテキストフィールド一式の先頭に、必須の入力を記述するテキストの説明を提供する

参考達成方法

適合のために必須ではないが、コンテンツをよりアクセシブルにするために、次の追加の達成方法を検討することが望ましい。ただし、すべての状況において、すべての達成方法が使用可能、又は効果的であるとは限らない。

重要な用語

コンテキストに応じたヘルプ (context-sensitive help)

そのとき実行されている機能に関する情報を提供するヘルプのテキスト。

注記

明解なラベルは、コンテキストに応じたヘルプとして機能しうる。


訳注: このページは、2022 年 9 月 2 日版の Understanding WCAG 2.1 の翻訳です。2022 年 9 月 2 日版の原文は WAIC の管理するレポジトリから入手可能です。