適用 (対象)
全てのウェブコンテンツ技術
これは達成基準 3.1.5: 読解レベルを理解する (十分な達成方法) に関する達成方法である。
解説
聴覚障害又は認知障害のある人の中には、手話を第一言語としていることがある。そのような人にとっては、書き言葉版よりもページの手話版のほうが理解しやすい可能性がある。この達成方法の目的は、手話利用者が概念又はプロセスを説明した難しいテキストを理解するのに役立つ手話版のコンテンツを提供することである。手話コンテンツはそのテキストに追加で提供される。
手話版は補足コンテンツであるため (そして、コンテンツの音声の手話ではない)、コンテンツとは別のものと見なすべきであるが、必ずしも同期されるとは限らない。同期が有用な場合があるとしても、必須ではない。
手話版をコンテンツの残りの部分で利用可能にするために、映像をウェブページに直接埋め込む、又は映像プレーヤーを別ウィンドウで起動するリンクを含めてもよい。映像表示用の別ページへのリンクによって、手話版を提供することもできる。
手話は、手、腕、肩、頭、顔、唇及び舌を使って伝える、3 次元の視覚言語である。何が示されているのかを視聴者が正しく理解するために、映像では完璧な手話を録画しなければならない。一般的に、手話通訳者は見切れ (映像の外に手が出てしまうこと) が発生しない範囲で、できるだけカメラに近づいて手話を行なうべきである。
手話通訳者の見つけ方については、後述の参考リソースの部分に載っている。
ただし、主に英語圏での情報である。
映像ストリームが小さすぎる場合は、手話通訳が見にくくなる。手話通訳者を含む映像ストリームを制作する場合は、映像ストリームをアクセシビリティ サポーテッドなウェブコンテンツ技術でフルスクリーンで再生するメカニズムがあることを確認する。そうでない場合は、映像の中の手話通訳の部分が、映像ストリームがフルスクリーンになった際のサイズまで調節可能であることを確認する。
一般的に、手話は単に墨字を符号化したものではないため、コンテンツ制作者は複数種類あるうちのどの手話を用いるかを決める必要がある。通常は主な視聴者が使用している手話を用いる。さまざまな視聴者を想定する場合は、複数の手話を用いる。複数の手話のための推奨達成方法を参照のこと。
後者に記載されている達成方法はまだ文書化されていない。
事例
- あるウェブサイトでは、サポート部門への連絡方法や質問の送信方法を、テキストと同じく手話映像でも提供している。
- あるウェブアプリケーションでは、ヘルプページをテキストと同じく手話でも提供している。
- ある会社のウェブサイトでは、各製品の技術情報を説明した手話映像を提供している。
- ある宗教団体のウェブサイトは、複数の言語で利用できるようにしてあり、その中にアメリカの手話も含めてある。
参考リソース
この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。
- National Institute on Deafness and other Communication Disorders: Information on American Sign Language
- Royal National Institute for Deaf People (RNID)
- Techniques for filming sign language interpreters
- Perceptually optimised sign language video coding based on eye tracking analysis
- Registry of Interpreters for the Deaf
- American Sign Language Interpreter Network
- American Sign Language Services, Inc.
検証
手順
- コンテンツを利用するために理解しなければならないアイデア又はプロセスを説明しているテキストを特定する。
- コンテンツの中で、又は、コンテンツ内のリンクを通じて、テキストの補足となる手話が利用できることを確認する。
- 手話による補足が、テキストで説明している概念又はプロセスを示していることを確認する。
期待される結果
- 2. 及び 3. の結果が真である。