WCAG 2.0 実装方法集

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H78: リンクテキストとそれが含まれているパラグラフとを組み合わせて、リンクの目的を特定する

適用(対象)

リンクが含まれる全てのウェブコンテンツ技術

これは、次の達成基準に関連する実装方法である:

ユーザーエージェント及び支援技術によるサポート

JAWS 5.0以降は、次のキーストロークを実装している。

「この文を読む」というキーストロークは、下記の事例1、2、及び4をサポートしている【訳者注:この文書には事例1しかありません。WCAGワーキンググループに確認中です。】。リンクがフォーカスを受けているときにAlt+テンキーの5を押せば、フォーカスの変更なしにその文が読み上げられる。

「このパラグラフを読む」というキーストロークは、下記の事例3をサポートしている【訳者注:この文書には事例1しかありません。WCAGワーキンググループに確認中です。】。リンクがフォーカスを受けているときにCtrl+テンキーの5を押せば、フォーカスの変更なしにそのパラグラフ全体が読み上げられる。

Window-Eyes 5.5には、現在の位置にある文やパラグラフを読み上げるホットキーがあり、下記の事例全てをサポートしている【訳者注:この文書には事例1しかありません。WCAGワーキンググループに確認中です。】。

Window-Eyesでインターネットを利用するには「ブラウズモード」でなければならないが、現在の位置にある文やパラグラフを読むホットキーは、バージョン6.1の「ブラウズモード」では動作しない。

Window-Eyesについて、周囲にあるリンクの文脈の読み上げに関する工場出荷時の初期設定は、次の通りである。

デスクトップマシンの初期設定

ラップトップマシンの初期設定

Fire Voxの「親要素の読み上げ」というコマンド(Ctrl+Shift+U)は、事例3をサポートしている【訳者注:この文書には事例1しかありません。WCAGワーキンググループに確認中です。】。このキーストロークは、フォーカス位置の変更なしに動作する。Fire Vox(英語)は、Firefox 1.0以降のために設計されたフリーのスクリーンリーダーであり、Windows、Macintosh、Linux用のFirefoxでサポートされている。

解説

この実装方法の目的は、リンクとそれを含んでいるパラグラフの文脈から、リンクの目的を特定することである。リンクを含んでいるパラグラフが、先祖要素であるブロックレベル要素の中で最もそのリンクに近い場合、リンクテキストだけでは不明瞭なリンクに文脈を与えることになる。その説明によって、ユーザーがそのリンクと、そのウェブページ内にある他のリンクとを区別できるようになり、そのリンク先へ移動するかどうかを判断しやすくなる。一般的に、リンクテキストとして単に目的地のURIを示すだけでは、リンク先の説明として不十分であることに注意すべきである。

注記: このような説明がユーザーにとって最も役立つのは、リンクを理解するのに必要な追加情報が、そのリンクよりも前に書かれている場合である。追加情報がリンクの後に書かれていると、ページを(先頭から最後へと)順番に読むスクリーンリーダーのユーザーには混乱や支障が生じることがある。

事例

事例 1

民族音楽祭のウェブページの告知文。

コード例:

<h3>最終15組</h3>
<p>間もなくあなたの近くの町に行きます……。
全米民族音楽祭にラインナップしている最終15組です。
<a href="final15.html">[続きを読む]</a>
</p>

<h3>民族音楽のアーティストが賞を受ける</h3>
<p>来たる全米民族音楽祭の出演者が、
全米芸術基金の国家遺産フェローシップを受賞します。
 <a href="nheritage.html">[続きを読む]</a>
</p>
…   

参考リソース

この実装方法に関する参考リソースはない。

検証

チェックポイント

コンテンツの中で、この実装方法を用いているリンクそれぞれに対して:

  1. そのリンクがパラグラフの一部である。

  2. そのリンクテキストとパラグラフを組み合わせると、リンクの目的が説明されている。

判定基準

注意: この実装方法が「達成基準を満たすことのできる実装方法」の一つである場合、このチェックポイントや判定基準を満たしていなければ、それはこの実装方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の実装方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。

日本語訳における注記:

この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。