全てのウェブコンテンツ技術
これは、次の達成基準に関連する実装方法である:
この実装方法の目的は、閃光を放つが小さいものに関して、達成基準を満たす容易な方法を提供することである。
ある1秒間において3回以上の閃光を放つものがある(つまり、G19の実装方法を用いることができない)が、閃光を放つ領域が視野10度(これは視界における中心視野に相当する)の25%未満である場合、自動的に達成基準を満たすことになる。
視野10度は、視界における中心視野にあたる。この視野には、視覚センサーがたくさんある。この視野における閃光は、視覚野に送られる。光過敏性発作のある利用者は、視覚野上において閃光を受け取ることで発作を引き起こす恐れがある。その他の視野(視覚センサーがずっと少ない部分)での閃光は、視覚野に与える影響がずっと少ない。そのため、中心視野の10度だけを対象とする。
コンテンツを一般的なウェブで使用する場合には、公式 1: ウェブコンテンツにおける小さくて安全な領域を用いることができる。
コンテンツを既知のディスプレイ(例:会社のロビーにあるディスプレイ)で使用する場合には、公式 2: 既知のディスプレイにおける小さくて安全な領域を用いるべきである。
公式 1: ウェブコンテンツにおける小さくて安全な領域
ほとんどのウェブコンテンツ制作者は、視野をピクセルに変換する方法を知らない。が、それは一般に対処可能なものである。この実装方法では、その変換方法を提供する。
この文書を執筆している時点では、最も一般的なディスプレイの解像度は 1024 x 768ピクセルで、画面は約15~17型である。一般的な画面との距離(56~66センチメートル)で閲覧している際、視野10度はおおよそ341 x 256ピクセルの領域を占めることになる。これは円形ではないが、ほとんどの利用者の中心視野も円形ではない。その差異はとても小さいので(そして、中心視野でも視覚センサーの少ない端のことなので)、重要なことではない。
基準は視野10度の25%なので、(画面上に他に閃光を放つものがなければ)画面上で(どんな形であれ)21,824平方ピクセルの隣接した領域よりも小さい単一の閃光を放つものは、一般閃光)及び赤色閃光の閾値を下回っていることになる。
1024 x 768ピクセルの画面解像度は、それが最も一般的であるという理由で選ばれている。よりぎっしり詰まったピクセル密度ではより小さくより安全な画像サイズになるので、高解像度のディスプレイでも前述の内容は通用する。
低解像度のディスプレイ、拡大した画面、又はより近い画面との距離で閲覧している利用者は、その画面との距離によっては危険が高まることになる。そのような利用者のニーズに対処するためには、画面解像度又は画面との距離に依存しない実装方法であるということでG19: どの1秒間においても、コンテンツに3回よりも多く閃光を放つコンポーネントがないことを確認するを用いるべきである。
公式 2: 既知のディスプレイにおける小さくて安全な領域
画面サイズ、解像度、及び画面からの距離が明らかな際に画面上の小さくて安全な領域を(ピクセルで)計算するには、次の手順を用いる。
注記:(中心視野のセンサーの分布は円形ではない、簡易さ、計算上の便宜、歴史的)など幾つもの理由から、中心の視野10度に相当する4:3の矩形の近似値が用いられる。それは10度の幅と7.5度の高さに相当する。これは、75平方度の領域を持ち、10度の真円の78.5平方度に相当する領域である。
画面との距離を矩形サイズに変換するには、その画面との距離に0.1745 (10 * Pi / 180)を掛けて矩形の幅を算出し、画面との距離に0.1309 (7.5 * Pi / 180)を掛けて矩形の高さを算出する(この計算は、インチ、ミリメートル、又はその他のあらゆる長さの単位で用いることが可能)。
視野角10度のサイズをピクセルで定める。
それには、単位長さあたりピクセルで、手順1で算出した矩形の幅及び高さに画面解像度を掛けて、矩形の水平方向及び垂直方向のサイズをピクセルで算出する。
1080p(1920 x 1080 ピクセル)のワイドスクリーンのディスプレイの場合、ピクセル・パー・インチでの画面の解像度は、2203を対角線の画面サイズ(インチ)で割った数になる。
720p(通常は、1365 x 768 ピクセル)のワイドスクリーンのディスプレイの場合、ピクセル・パー・インチでの画面の解像度は、1566を対角線の画面サイズ(インチ)で割った数になる。
ピクセルピッチをミリメートル又はピクセルで指定したLCDのコンピュータのモニタの場合、ピクセル・パー・インチでの画面の解像度は、25.4をピクセルピッチ(ミリメートル)で割った数になる。
どんなディスプレイでも、実際の対角線の画面サイズがインチでわかっていて、ディスプレイの水平方向と垂直方向の解像度がピクセルでわかっている場合、ピクセル・パー・インチでの画面解像度は、 ( (水平方向の解像度:ピクセル) x (水平方向の解像度:ピクセル) + (垂直方向の解像度:ピクセル) x (垂直方向の解像度:ピクセル) )の平方根である。
矩形の幅に高さを掛けて、4で割る。
コンテンツ制作者が、会社の入口ラウンジにあるスクリーンで流れるアニメーションを制作する。ディスプレイのサイズ及び画面解像度とディスプレイを見る際の最も近い画面との距離から、中央視野10度の25%をピクセルで計算している(前述の公式を使用)。これは小さくて安全な領域といえる。コンテンツ制作者は、その小さくて安全な領域よりも大きい領域で閃光を放つことがないように留意している。
この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。
小さくて安全な領域を計算する。
どのタイミングにおいても画面の一つの領域だけが閃光を放っている。
閃光を放つコンテンツは、小さくて安全な領域よりも小さいコンテナ内に収まっている。
2.及び3.を満たしている。
注意: この実装方法が「達成基準を満たすことのできる実装方法」の一つである場合、このチェックポイントや判定基準を満たしていなければ、それはこの実装方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の実装方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。
日本語訳における注記:
この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。