達成基準 1.3.5: 入力目的の特定を理解する

達成基準 1.3.5 入力目的の特定 (レベル AA): 利用者の情報を集める入力フィールドのそれぞれの目的は、次の場合にプログラムによる解釈が可能である:

意図

この達成基準の意図は、ユーザエージェントが異なるモダリティを使用し、入力フォームの目的を抽出して利用者に提示できるように、ユーザエージェントが利用者に関する情報を収集するフォーム入力の目的を、プログラムによる解釈が可能にすることである。特定の分野で期待される特定の種類のデータをプログラムによって宣言する機能は、特に認知障害のある人として、フォームへの入力を容易にする。

適切なラベルと説明は、利用者が入力フォームフィールドの目的を理解するのに役立つが、利用者は、特定の種類の情報を収集するフィールドを、さまざまなモダリティに合わせて曖昧さがなく一貫性がありカスタマイズ可能な方法で (ユーザエージェントのデフォルトで、又は支援技術の助けを借りてのどちらかで) レンダリングできるという利点がある。

一部の入力フィールドでは、type 属性が既に入力フィールドの意図を広く指定する方法を提供している (例えば input type="tel" や input type="mail" 、input type="password" など) 。しかし、これらは入力の種類を説明する非常に広範なカテゴリに過ぎないが、特に利用者固有の入力フィールドに関するものであるため、必ずしもその目的は説明されていない。例えば、 type="email" はそのフィールドがEメールアドレス用のフィールドであることを示すが、その目的が利用者のEメールアドレスを入力するためのものなのか、他の人のEメールを入力するためのものかは明確にしない。

この達成基準は WCAG2.1 勧告のセクション7にある、ユーザインタフェースコンポーネントの入力目的の種類を定義し、プログラムによって特定可能でなければならない。これらの利用者の入力目的が存在し、それを技術がサポートしている場合、フィールドの目的はプログラムによって特定可能でなければならない。

HTML の autocomplete 属性は、一定数の特定の明確に定義された固定値のみを受け入れる。これにより、例えばコンテンツ制作者が特定のタイプの名前 (名前 (autocomplete="name")、 Given Name (autocomplete="given-name")、 Family Name (autocomplete="family-name")、に加えてユーザ名 (autocomplete="username")及びニックネーム (autocomplete="nickname")) を指定できるようにすることで、type 属性よりもよりきめ細かい定義又は目的の特定が可能になる。

この所定の定義の分類法を採用して再利用することで、ユーザエージェントと支援技術は、異なるモダリティで利用者に入力の目的を提示できる。例えば、読むのが困難な利用者を助けるために、支援技術は入力フィールドの隣に見慣れたアイコンを表示してもよい。誕生日ケーキのアイコンを autocomplete="bday" の入力フィールドの前に表示してもよいし、電話のアイコンを autocomplete="tel" の入力フィールドの前に表示してもよい。

この分類法を再利用することに加えて、 autocomplete 属性を使用してこの達成基準を満たす場合、ブラウザ及び他のユーザエージェントは、ブラウザに保存された過去の利用者の入力に基づいてこれらのフィールドを自動補完して正しいコンテンツを提案及び「自動入力」できる。一般的な入力目的のより詳細な定義、例えば「Birthday」 (autocomplete="bday") を定義することによって、ブラウザはこれらの各フィールド (利用者の誕生日) にパーソナライズされた値を保存できる。利用者は情報を入力する必要がなくなり、代わりに入力値を確認又は必要に応じてフィールドの値を変更できる。これは記憶の問題、失読症、その他の障害を持つ利用者にとって著しい恩恵である。autocomplete の値は言語に依存しないため、ユーザ入力フィールドを視覚的に特定するために利用されるテキスト (ラベル) に馴染みのない利用者は、用語の固定された分類法によって、その目的を一貫して特定できる。

他のメタデータフォーマットに対するユーザエージェントと支援技術のサポートが成熟すると、入力フィールドの目的を特定するために HTML の autocomplete 属性に加えて、又はその代わりに Personalization Semantics Content Module のようなメタデータスキームが使用される。それらのメタデータスキームはまた、コンテンツ制作者が提供した入力ラベルを特定して、入力のラベルづけの代わりに使用される定義済みの語彙又は記号に一致させる自動適応もサポートできる。

メリット

事例

関連リソース

リソースは、情報提供のみを目的としており、推奨を意味するものではない。

達成方法

この節にある番号付きの各項目は、WCAG ワーキンググループがこの達成基準を満たすのに十分であると判断する達成方法、又は複数の達成方法の組み合わせを表している。しかしながら、必ずしもこれらの達成方法を用いる必要はない。その他の達成方法についての詳細は、WCAG 達成基準の達成方法を理解するの「その他の達成方法」を参照のこと。

十分な達成方法

重要な用語

プログラムによる解釈 (programmatically determined)

支援技術を含む様々なユーザエージェントが抽出でき、利用者に様々な感覚モダリティで提示できるような形のデータがコンテンツ制作者によって提供されたとき、そのデータがソフトウェアによって解釈されること。

注記

マークアップ言語で、一般に入手可能な支援技術が直接アクセスできる要素と属性から解釈される。

注記

非マークアップ言語の技術特有のデータ構造から解釈され、一般に入手可能な支援技術がサポートするアクセシビリティ API を通じて支援技術に提供される。