意図
スクリーンリーダーを使用している人は、同時に他の音声が再生されている場合、スクリーンリーダーによる読み上げ音声が聞き取りづらくなる。スクリーンリーダーの読み上げ音声が、(今日ではほとんどがそうであるように) ソフトウェアをベースにしたもので、システム全体と同じ音量コントロールによって制御されていると、この状況はさらに悪化する。そのため、利用者が背景音の再生をオフにできることが重要である。注記: 音量コントロールには、その音量をゼロまで下げられることを含む。
利用者があるページを閲覧し始めた時に音声が自動再生されると、スクリーンリーダーの利用者はその音声を停止させるメカニズムを探しづらくなることがある。なぜなら、スクリーンリーダーの利用者は、読み上げ音声を聞きながらナビゲートしており、自動的に開始した音声がそのナビゲーションを邪魔してしまうかもしれないからである。そのため、WCAG ワーキンググループでは、音声を自動的に再生しないことを推奨し (特に、3 秒よりも長く続く場合)、利用者がそのページを閲覧し始めた後、利用者によって音声の再生を停止させるのではなく、利用者の起こしたアクションによって音声が再生されることを勧める。
1.4.7 小さな背景音、又は背景音なしも参照のこと。
メリット
- スクリーンリーダーを使用している人が、他に再生されている音声に邪魔されることなく、スクリーンリーダーの音声を聞くことができるようになる。これは、難聴の利用者及びシステム全体の音量制御を用いるスクリーンリーダーを使用している人にとって (システム全体の音量を下げて、スクリーンリーダーの音量を上げることができないため) 特に重要である。
- この達成基準はまた、音声が再生されているとき、(テキストを含む) 視覚的なコンテンツに集中することが困難な人に対しても役に立つ。
事例
- ページを開いたときに、音声ファイルの再生が自動的に開始される。しかし、利用者が、そのページの先頭にある「音を消す」というリンクを選択することで、その音声を停止させることができる。
達成方法
この節にある番号付きの各項目は、WCAG ワーキンググループがこの達成基準を満たすのに十分であると判断する達成方法、又は複数の達成方法の組み合わせを表している。しかしながら、必ずしもこれらの達成方法を用いる必要はない。その他の達成方法についての詳細は、WCAG 達成基準の達成方法を理解するの「その他の達成方法」を参照のこと。
十分な達成方法
失敗例
以下に挙げるものは、WCAG ワーキンググループが達成基準の失敗例とみなした、よくある間違いである。
重要な用語
結果を得るためのプロセス又は手法。
メカニズムは、宣言する適合レベルのすべての達成基準を満たさなければならない。