適用 (対象)
HTML 及び XHTML
これは、次の達成基準に関する達成方法である:
解説
この達成方法の目的は、HTML 及び XHTML をそれぞれの仕様に準じて用いることである。技術仕様では、そのウェブコンテンツ技術の意味及び機能の適切な取扱方法を定めている。仕様に記述されている通りに HTML 及び XHTML の機能を用いることによって、支援技術を含むユーザエージェントが、コンテンツ制作者の意図通りで互いに相互運用性のある機能を提示することが可能となる。
この文書を記述した時点では、HTML 及び XHTML の妥当なバージョンは、HTML 4.01 及び XHTML 1.0 である。HTML 4.01 は、HTML の最も成熟したバージョンであり、特定のアクセシビリティ機能を提供し、ユーザエージェントによって広くサポートされている。XHTML 1.0 は、HTML 4.01 と同じ機能を提供しているが、XML 構造を用いており、HTML の構造よりも厳密な構文となっている。HTML 及び XHTML の最新バージョンは、まだ未成熟であり、ユーザエージェントにもまだ広くサポートされていないのが現状である。
HTML4 及び XHTML 1.0 は Superseded Recommendation としてマークされ、廃止された仕様である。2021 年現在、有効な HTML 仕様は HTML Standard である。
HTML 及び XHTML を仕様に準じて用いるにあたり、幾つかの留意すべき点がある。
- 仕様で定められている機能だけを用いる: HTML では、ウェブページで用いることのできる要素、属性及び属性値の一式を定義している。それらには固有のセマンティックな意味を持ち、ユーザエージェントが特定の方法で処理するよう意図されている。しかし、時には、仕様にはない方法がコンテンツ制作の際に一般的に用いられることがある。それが一つのユーザエージェントだけによってサポートされることが、そのきっかけとなることが多い。仕様にはない方法を用いた場合、多くのユーザエージェントはそれを当分の間サポートしなかったり、いつまでもサポートしなかったりする。さらに、標準仕様にない用い方をすると、ユーザエージェントによってそのサポート方法が異なることもある。そして、主流のブラウザと比べ少ないリソースで開発されている支援技術は、有用なサポートを追加する場合でも時間を要するため、アクセシビリティに影響を及ぼすことになる。よって、予期しないアクセシビリティの問題を回避するためにも、コンテンツ制作者は HTML 及び XHTML で定義されていない用法を避けるべきである。
- 仕様によって規定されている方法で機能を用いる: HTML の仕様では、どのように特定の要素、属性及び属性値をセマンティックに処理し解釈すべきかについて、具体的なガイダンスを提供している。しかし、時には、コンテンツ制作者が仕様ではサポートされていない方法でそれらを用いることがある。例えば、本来のセマンティックなメッセージが伝わることを意図せずに、セマンティックな要素を用いて視覚的な効果を得ることが挙げられる。これは、正確なセマンティック情報を用いて首尾一貫したページを描画しているユーザエージェント及び支援技術に対して混乱を招くことにつながる。あくまで HTML の仕様によって規定されている機能として、HTML の各機能を用いることが重要である。
- コンテンツが解析可能であることを確認する: HTML 及び XHTML では、ユーザエージェントによって正しく処理されるためには、コンテンツをどのようにコーディングすべきかも定めている。開始タグ及び終了タグ、属性及び値、要素の入れ子などの構造に関するルールは、意図された文書の表現となるようにユーザエージェントがコンテンツを処理できるようにするためにある。HTML 及び XHTML の仕様における構造のルールに従うことが、仕様に準じてそれらのウェブコンテンツ技術を用いる上で重要なことの一つである。
参考リソース
参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。
G134: ウェブページをバリデートするの参考リソースを参照のこと。
検証
手順
HTML 又は XHTML の各ページに対して:
- ページが、関連する仕様において定義されている要素、属性及び属性値のみを用いていることを確認する。
- 要素、属性及び値が、関連する仕様によって規定されている方法で用いられていることを確認する。
- ページが、関連する仕様のルールに従って、正しく解析可能であることを確認する。
上記 #1 及び #3 は、ページバリデーションツールを用いて容易に確認することができる。上記 #2 は、通常は人間による判断が求められるが、ヒューリスティックな評価ツールを補助的に用いて確認することが可能である。
期待される結果
- 上記 #1、#2 及び #3 の結果が真である。