適用 (対象)
HTML 4.01 及び XHTML 1.x。
これは達成基準 1.3.1: 情報及び関係性 (書かれていない達成方法を満たす手段として十分) に関する達成方法である。
解説
この達成方法の目的は、テーブルにどのようにデータがまとめられているかという短い概略や、テーブルをどのように読み進めるかという短い説明を提供することである。table
要素に summary
属性を指定しておくことで、スクリーンリーダーの利用者がこのような情報を入手できるが、視覚的には表示されない。
summary
属性は、テーブルの構造が複雑な場合 (たとえば、行ヘッダーや列ヘッダーが複数組み合わせてある場合や、行グループや列グループが複数ある場合) に有用である。また、summary
属性は、構造は単純でもたくさんの行や列を含んでいるデータテーブルでも役に立つ。
summary
属性は、そのテーブルに caption
要素があるかどうかに関わらず指定できる。両方を用いる場合には、summary
属性の内容が単に caption
要素の繰り返しであってはならない。
HTML5 では、summary
属性は廃止された。支援技術はこの属性を引き続きサポートしているかもしれないし、していないかもしれない。コンテンツ制作者は代替手段を検討し、慎重に使うべきである。
WCAG 2 はレイアウトレテーブルの使用を禁止していないが、CSS ベースのレイアウトを推奨している。HTML の table
要素に与えられたセマンティックな意義を守り、コンテンツから提示を分離するというコーディング実務に従うためである。レイアウトテーブルを用いる場合には、summary
属性は使用しないか、値を空にする。レイアウトテーブルの目的は、コンテンツの配置を制御することのみであって、テーブルそのものは利用者から見て「透明 (不可視)」であるべきである。summary
属性がテーブルの存在を示してしまうと、この透明性を「壊して」しまう。なお、レイアウトテーブルに空の summary
属性 (summary=""
) を指定することは許容範囲である。F46: 達成基準 1.3.1 の失敗例 - レイアウトテーブルで、th 要素、caption 要素、又は空ではない summary 属性を使用しているを参照のこと。
事例
参考リソース
この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。
- HTML 4.01 summary attribute
HTML 4.01 は Superseded Recommendation としてマークされ、廃止された仕様である。上記は、HTML 5.2§11.2. Non-conforming features で不適合な機能として定義されている。
検証
手順
各データテーブルにおいて:
summary
属性がある場合、そのsummary
属性がテーブルの構造を記述しているか、又は、テーブルの使い方を説明していることを確認する。- データテーブルに
summary
属性とcaption
要素の両方が存在している場合、summary
属性の内容が単にcaption
要素の繰り返しになっていないことを確認する。
期待される結果
- #1 及び #2 の結果が真である。