ドラッグ&ドロップ操作をキャンセルできるようにする

達成方法に関する重要な情報

これらの達成方法 (参考) の使用法及び、それらが WCAG 2.1 達成基準 (規定) とどのように関係するかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) セクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法があるからといって、WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成する際に、常にその技術が使用可能であるわけではない。

適用 (対象)

この達成方法は、ポインタ入力をサポートする全ての技術に適用できる (例えば、次のいずれかまたは全てをサポートする: マウスポインタ、タッチスクリーンまたはトラックパッドのタッチ、ペン入力、レーザーポインタ入力)。

この達成方法は達成基準 2.5.2: ポインタのキャンセル (十分) に関連する。

解説

この達成方法の目的は、軌跡ベースのドラッグ&ドロップ操作を使用して初期位置からドロップターゲットに移動する利用者が、ターゲットを選択した後に操作を中止できるようにすることである。これは、ドロップ領域外でアイテムを離すか、最初の操作を元に戻す別の操作でアイテムを元の位置に戻すことで実行できる。3 番目のオプションは、要素がターゲットにドロップされた後に、アイテムがドロップされた時の操作の確認を尋ねるダイアログか、元に戻すコマンドを提供することである。

Note

この達成方法は、ユーザエージェントによって提供されるジェスチャ (ブラウザ履歴間を移動する水平方向のスワイプや、ページコンテンツをスクロールする垂直方向のスワイプなど) 又はオペレーティングシステムによって提供されるジェスチャ (例えば、起動中のアプリ間を移動するジェスチャや、支援技術が有効になっているときに支援技術のコンテキストメニューを呼び出すジェスチャ) ではなく、コンテンツ制作者によって実装されているポインタアクションに対応する。

タッチスクリーンデバイスでは、組み込みのスクリーンリーダーなどの OS レベルの支援技術 (AT) が有効になっている場合、通常、コンテンツ制作者が提供している軌跡ベース及びマルチポイントジェスチャは機能しない。支援技術は一般的に、軌跡ベース又はマルチポイントジェスチャを使用するため、制作されたコンテンツに到達しない。例えば、水平方向のドラッグジェスチャは、コンテンツ制作者の意図した通りにスライダーのつまみを移動できないが、スクリーンリーダーのフォーカスを次又は前の要素に移動できる。利用者が「パススルージェスチャ」を操作すると、一部のジェスチャは機能する場合がある。パススルージェスチャは、ハードウェア、オペレーティングシステム、オペレーティングシステムの「スキン」、オペレーティングシステムの設定、又はユーザエージェントの要素に依存する可能性があるため、多くの場合信頼できない。

事例

関連リソース

リソースは、情報提供のみを目的としており、推奨を意味するものではない。

Video of canceled drag-and-drop interaction (item released outside drop target) (Youtube)

検証

手順

ドラッグ可能なコンテンツの場合、次の操作でドラッグ&ドロップ操作を元に戻すことができるかどうかを確認する:

  1. 選択したアイテムをドロップターゲットの外に離す
  2. 選択したアイテムを元の位置にドラッグして戻す
  3. アイテムがドロップされた後、確認ダイアログ又は元に戻すコントロールが表示される

期待される結果

  • 1、2、3の少なくとも一つのオプションが真