アクセシビリティAPIと連動するようにプログラムされた標準のコンポーネントがあるプログラミング技術
これは、次の達成基準に関連する実装方法である:
この実装方法の目的は、支援技術がウェブコンテンツを理解し、代替のユーザーインタフェースを介して、利用者に等価の情報を伝えられるようにすることである。
コンテンツのなかには、マークアップ言語ではなく、プログラミング言語又はツールを用いて制作されているものがある。これらのウェブコンテンツ技術には、多くの場合、あらかじめプログラムされたインターフェースコンポーネントがあって、アクセシビリティAPIとのインタフェースとなる。コンテンツ制作者がこれらのコンポーネントを使ってプロパティ(識別名など)を埋めると、その結果として生成されるコンテンツのユーザーインタフェースコンポーネントは、支援技術にとってアクセシブルなものとなる。
しかし、コンテンツ制作者が新しいユーザーインタフェースコンポーネントを作成したいと考え、標準のコンポーネントを使うことができない場合は、自分でアクセシビリティ機能を確実に追加し、アクセシビリティAPIと互換性があるように実装する必要がある。
そういったカスタムコンポーネントでは、完成後、アクセシビリティ・サポーテッドの検証を行うべきである。
あるウェブページで、アプレットを作成するためにJavaが使われている。コンテンツ制作者のグループは、まったく新しいタイプのインターフェースコンポーネントを作成したいと考えているため、既存のJavaオブジェクトを使うことができない。そこでコンテンツ制作者は、さまざまなアクセシビリティAPIに接続するための機能がすでに備わっているJavaのswingクラスを使用して、コンポーネントを作成している。Javaのswingクラスを使うことで、名前と役割を支援技術に開示し、また支援技術が設定できるようなインタフェースコンポーネント、かつ更新があれば支援技術にアラートを出すインタフェースコンポーネントを作成できる。
C++プログラミング言語で書かれたオリジナルのActive Xコントロールが、ウェブページで使われている。このコントロールは、Microsoft Active Accessibility(MSAA)APIのサポートを明示するように書かれており、コマンド受理についての情報を支援技術に開示している。コマンドを受けて、このコントロールは、MSAAをサポートするシステム上のユーザーエージェントを動作させている支援技術と直接情報のやりとりをする。
アクセシブルなユーザーエージェントを用いてコンテンツを描画する。
ユーザーエージェントのアクセシビリティAPIをチェックするアクセシビリティツールを用いて、各ユーザーインタフェースコンポーネントを検証する。
各ユーザーインターフェースコンポーネントに対する識別名(name)及び役割(role)が、ツールによって確認できる。
コンポーネントの値を変更する。
アクセシビリティツールにその変更が通知される。
コンポーネントが支援技術で動作する。
各ユーザーインタフェースコンポーネントにおいて、3, 5, 及び 6 を満たしている。
注意: この実装方法が「達成基準を満たすことのできる実装方法」の一つである場合、このチェックポイントや判定基準を満たしていなければ、それはこの実装方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の実装方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。
日本語訳における注記:
この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。