WCAG 2.0 実装方法集

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F63: 達成基準 2.4.4 の不適合事例 - リンクと関係のないコンテンツにおいてのみ、リンクの文脈を提供している

適用(対象)

全てのウェブコンテンツ技術

これは次の達成基準に関する不適合事例である:

解説

この文書は、リンクの目的を理解するために必要な文脈が、プログラムで解釈可能なリンクの文脈ではないコンテンツの中に置かれているという不適合事例について解説する。リンクの文脈がそのリンクと同じ文、段落、リストの項目又はテーブルのセルではない場合、利用者はそのリンクがどこに誘導するものかを容易に知ることができない。文脈を探るために利用者がリンクの場所を離れなければならないなら、その文脈はプログラムで解釈可能なリンクの文脈ではなく、この不適合事例に該当する。

事例

不適合となる事例 1: ニュースサービス

あるニュースサービスでは記事の冒頭のいくつかの文を一つの段落に入れている。その次の段落には「続きを読む...」というリンクが置かれている。そのリンクは導入文と同じ段落にないので、利用者はそのリンクが何についての続きを読むのかを容易に見つけることができない。

コード例:


<p>ある英国のビジネスマンが200万マイルの
マイレージを獲得していて、世界初の消費者向け
宇宙旅行の旅に出ようと計画している。</p>

<p><a href="ff.html">続きを読む...</a></p>

不適合となる事例 2: 無償プレーヤーのダウンロード

あるオーディオサイトではプレーヤーがダウンロードできるリンクを提供している。何がダウンロードされるのかについての情報はレイアウトテーブル内の前の行に置かれており、これはプログラムで解釈可能なリンクの文脈ではない。

コード例:


 <table>
   <tr> 
       <td>ブラウザで音楽を聴く</td>
   </tr>
   <tr>
       <td>
       <a href="http://www.example.com/download.htm">
       <img src="download.jpg" width="165" height="32" alt="今すぐダウンロード"></a>
       </td>
   </tr>
 </table>

不適合となる事例 3: 定義リストの使用

HTML及びびXHTMLでは、定義リストによって用語とその定義との関連性を提供することができる。したがって、理論上は定義部分に置かれたリンクはその用語部分を文脈として利用できるはずである。ところが、定義リストに対するサポートは著しく進んでおらず、今日の支援技術の利用者が定義リストのみを用いて文脈を発見する手段はない。定義リストは、連想的な関係を提供するのに有用なメカニズムであるが、現時点において達成基準2.4.4を満たすことができる実装方法ではない。

コード例:


<dl>
    <dt>ハリー・ポッターと秘密の部屋</dt>
    <dd>ヴォルデモート卿と対決しなければならない魔法の力を持った少年の物語。</dd>
    <dd><a href="potter.php?id=123">今すぐ購入</a></dd>
    <dt>ハリー・ポッターと炎のゴブレット</dt>
    <dd>三大魔法学校対抗試合でハリーは代表選手に選ばれてしまう。</dd>
    <dd><a href="potter.php?id=124">今すぐ購入</a></dd>
    <dt>ハリー・ポッターとアズカバンの囚人</dt>
    <dd>ホグワーツ魔法魔術学校の3年生となったハリー・ポッターが、
  両親の死にまつわる真相を知らされる1年間を描く。</dd>
    <dd><a href="potter.php?id=125">今すぐ購入</a></dd>
</dl>            

参考リソース

この不適合事例に関するリソースは、今のところない。

(今のところ、なし。)

検証

チェックポイント

  1. リンクテキストが示すリンクの目的を理解するために必要なコンテンツを特定する。

  2. そのコンテンツが同じ文、段落、リストの項目、又はテーブルのセルに含まれている、もしくは直前の見出しに含まれている。

判定基準

日本語訳における注記:

この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。