前景色と背景色の様々なバリエーションを用意する必要性


WCAG 2.0 解説書の「達成基準 1.4.8 を理解する」の「この達成基準の意図」には、次のように記述されています。「視覚障害又は認知の障害のある利用者は、テキストの色及び背景色を選択できる必要がある。彼らは、その障害のない利用者にとっては分かりにくいとも思える組合せを選んでいることがある。そして、その組合せは、コントラストがとても低いこともある。また、とても限定された色の組合せしか有効でないこともある。色又はテキストの表現におけるその他の外観を制御できるかどうかによって、そういった利用者の読解力には大きな差が生じる。」
「代替スタイルシートを提供できるようなメカニズム」もこの達成基準を満たす達成方法の一つには成り得ると考えますが、前景色と背景色は利用者が任意で選択できるようにすることがこの達成基準の意図ですので、さまざまな前景色と背景色の組合せを提供するには、相当な数の代替スタイルシートを用意する必要があるでしょう。
その意味では、代替スタイルシートを提供するよりも、「達成基準1.4.8 の実装方法及びよくある失敗例 – 視覚的な表現」にある「達成基準を満たすことのできる達成方法」の「要件 1: 前景色及び背景色を利用者が選択可能にする達成方法」で挙げられている、C23、C25、G156などの達成方法を用いたほうが、利用者のより幅広いニーズに応えることができると思われます。