CEATECアクセシビリティセミナー2024のご紹介
ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC) 作業部会1
筑波技術大学 青木千帆子
新しいテクノロジーが新たな社会課題を生み出している
近年、生活を便利にするために登場した新しいテクノロジー-例えば、小売店のセルフレジや、飲食店のモバイルオーダーシステム等のアクセシビリティが低く、障害者の社会参加を阻む社会的障壁になる事例が相次いでいます。このような事態は、各組織が製品やサービスの利用者として、障害者や高齢者を含む、多様なユーザーの存在を想定しないことから生じています。
提供した製品やサービスを多様なユーザーが利用できるようにするルールの一つが、JIS X 8341-3:2016です。ウェブアクセシビリティ基盤委員会(以後、WAIC)は、前述したJIS X 8341-3の原案作成や、理解と普及のためのセミナーを開催している組織です。
CEATEC アクセシビリティセミナー2024
WAICが開催するセミナーの一つとして、CEATECアクセシビリティセミナー2024があります。CEATECは、あらゆる産業に必要とされるデジタルイノベーションの総合展であり、WAICは2014年以後毎年、ウェブアクセシビリティに関するセミナーを行ってきました。今年のCEATEC 2024は、2024年10月15日から18日に幕張メッセで開催されます。WAICは、対面ではなく、オンデマンドで視聴することができるセミナーを10月1日(火)から10月31日(木)まで配信します。セミナーは以下の二本立てです。
- 第一部「アップデートWebアクセシビリティ-Webアクセシビリティの最新動向-」
- 第二部「企業・組織におけるWebアクセシビリティ向上-私たちがWebアクセシビリティに取り組む理由-」
第一部「アップデートWebアクセシビリティ-Webアクセシビリティの最新動向-」では、ウェブアクセシビリティに関するトレンドや最新動向をお伝えします。アクセシビリティに関する法律、技術仕様、規格、社会的責任等のトピックに関する最新情報を知ることができます。顧客からのウェブアクセシビリティ向上のニーズを受け、ウェブサイトやウェブサービスを多様な人に使ってもらえるようにしたいと思っている方々に、視聴をお勧めします。
第二部「企業・組織におけるWebアクセシビリティ向上-私たちがWebアクセシビリティに取り組む理由-」は、自社でウェブを使ってサービス展開するサービス事業者、他社から依頼を受けてウェブサイトを作成する受託者、他社に自社サイトの作成を依頼する発注者の三者が、それぞれの立場でどのようにウェブアクセシビリティを向上させているか、また取り組むときのポイントなどを紹介します。ウェブアクセシビリティを実装するためには、組織的な取組が必要です。第二部はそのためのチームビルディングに注目し、各社の取組を共有します。もし貴方がウェブアクセシビリティの重要性を認識しながらも、組織としての取組になかなかつなげられずにいるのならば、ぜひご視聴ください。現在進行形で取り組む方々の等身大の語りから、困難を克服した方の経験知まで、皆様にとって参考になる情報が満載のセミナーです。
セミナーへの参加方法
ご興味を持った方は、まず、CEATEC 2024公式ウェブサイトから来場事前登録をしてください。一度登録すれば、期間中はいつでも無料でご視聴いただけます。
ウェブアクセシビリティは、決して一人で達成するものではありません。また、ウェブアクセシビリティは、ウェブにアクセスする多様なデバイスと接続してこそ、本領を発揮します。ウェブを基幹のビジネスとしていない組織の方も、ぜひこの機会にWAICのウェブアクセシビリティセミナーを受講し、御社の製品やサービスの品質向上に生かしていただきたいと思います。
- この文章は、一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)のメールマガジンへ掲載することを目的に書かれたものです。
- この文章は、執筆者個人の見解に基づくものであり、ウェブアクセシビリティ基盤委員会の公式的な見解を示すものではありません。