【注意】この文書にはより新しいバージョンが存在します: WCAG 2.1 解説書

WCAG 2.0 解説書

本文へジャンプ

-

再認証:
達成基準 2.2.5 を理解する

2.2.5 再認証: 認証済のセッションが切れた場合は、再認証後でもデータを失うことなく利用者が操作を継続できる。 (レベル AAA)

この達成基準の意図

この達成基準の意図は、処理を完了する途中で利用者をログアウトさせてしまう要因 (何の作業もしていない時の制限時間又はその他の状況) をはらむ、認証済の処理を、すべての利用者が完了できるようにすることである。

セキュリティ上の理由により、多くのサイトが、何の作業もせずに一定時間が経過した後の認証の制限時間を設定している。障害のある利用者は作業を完了させるのにより長く時間がかかるので、制限時間は問題を引き起こすかもしれない。

その他のサイトでは、利用者が他のコンピュータからそのウェブサイトにログインするか、その利用者がもともとログインした利用者と本当に同じかどうかに疑問を抱くようなその他の行為があった場合には、利用者を認証済のセッションからログアウトさせるだろう。処理中であったとしても利用者がログアウトさせられる際には、再認証を受けることができ、すでに入力済のデータを失うことなくその処理を継続できるようにすることが重要である。

達成基準 2.2.5 の具体的なメリット:

  • この達成基準は、作業を完了するのに時間の延長を必要とする利用者の役に立つ。認知能力の低下している利用者は、ゆっくり読むので、アンケートを読んで回答するのに時間の延長を必要とすることがある。スクリーンリーダーを使用している利用者は、複雑なフォームを操作して完了させるのに時間の延長を必要とするかもしれない。運動障害のある利用者又は代替入力デバイスで操作する利用者は、フォーム内を操作して入力を完了させるのに、やはり時間の延長を必要とすることがある。

  • 手話通訳者がろう者に音声コンテンツを通訳しているような状況では、制限時間を調整できることも重要である。

達成基準 2.2.5 の事例

関連リソース

リソースは、情報提供のみを目的としており、推奨を意味するものではない。

(今のところ、文書化されていない)

達成基準 2.2.5 の達成方法及び失敗例 - 再認証

この節にある番号付きの各項目は、WCAG ワーキンググループがこの達成基準を満たすのに十分であると判断する達成方法、又は複数の達成方法の組み合わせを表している。しかしながら、必ずしもこれらの達成方法を用いる必要はない。その他の達成方法についての詳細は、WCAG 達成基準の達成方法を理解するの「その他の達成方法」を参照のこと。

十分な達成方法

  1. 次の実装技術の一つを使用することでデータを損うことなく継続することができる選択肢を提供する:

注記: 制限時間について通知を提供することに関連した達成方法のための達成基準 2.2.1 の取組みのための達成方法を参照のこと。

2.2.5 でさらに対応が望まれる達成方法 (参考)

適合のために必須ではないが、コンテンツをよりアクセシブルにするために、次の追加の達成方法を検討することが望ましい。ただし、すべての状況において、すべての達成方法が使用可能、又は効果的であるとは限らない。

(今のところ、文書化されていない)

達成基準 2.2.5 のよくある失敗例

以下に挙げるものは、WCAG ワーキンググループが達成基準 2.2.5 の失敗例とみなした、よくある間違いである。