WCAG 2.0 実装方法集

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H64: frame要素及びiframe要素のtitle属性を用いる

適用(対象)

frame要素又はiframe要素を用いているHTML及びXHTMLドキュメント

これは、次の達成基準に関連する実装方法である:

ユーザーエージェント及び支援技術によるサポート

frame要素とiframe要素でのlongdesc属性の使用は、支援技術によって十分にサポートされていない。

解説

この実装方法の目的は、フレームの内容を説明するための、frame要素又はiframe要素でのtitle属性の使用方法を示すことである。title属性はフレームのラベルを提供するものなので、ユーザーはどのフレームの中に入ってその詳細を見て回るかどうかを判断できる。title属性は、フレームセットの中の個々のページ(frame要素)やインラインフレーム(iframe要素)のラベルを付けるものではない。

title属性はフレームにラベルを付けるものであって、文書にラベルを付けるtitle要素とは異なることに注意しよう。title属性はユーザーが複数のフレームの間を移動しやすくし、またtitle要素はユーザーの現在位置を明確にするものであり、双方を提供すべきである。

title属性をname属性に置き換えることはできない。title属性はユーザーのためにフレームにラベルを付けるものであるのに対して、name属性はスクリプトによる操作やウィンドウのターゲットを決めるためにフレームにラベルを付けるものだからである。つまり、name属性はユーザーに提供されるものではなく、title属性だけがその役割を果たしている。

事例

事例 1

この事例は、ナビゲーションバーと主要コンテンツを別の文書として読み込んでいるフレームそれぞれを説明するために、frame要素にtitle属性を指定する方法を示している。

コード例:

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
  <head>
    <title>単純なフレームセット文書</title>
  </head>
  <frameset cols="10%, 90%">
    <frame src="nav.html" title="メインメニュー" />
    <frame src="doc.html" title="文書" />
    <noframes>
      <body>
        <a href="lib.html" title="図書館へのリンク">選択して、
        電子図書館に進んでください。</a>
      </body>
    </noframes>
  </frameset>
</html> 

事例 2

この事例は、インラインフレームの内容を説明するために、iframe要素にtitle属性を指定する方法を示している。さらに、iframe要素を解釈できない古いブラウザのために、読み込むページへの代替リンクをiframe要素の内容に含めてある。

コード例:

 <html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
  <head>
    <title>インラインフレームを利用した文書</title>
  </head>
...
<iframe src="banner-ad.html" id="testiframe" 
  name="testiframe" title="広告">
    <a href="banner-ad.html">広告</a>
</iframe>
...
</html>  

参考リソース

この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。

検証

チェックポイント

  1. HTML又はXHTMLのソースコードにあるframe要素とiframe要素のそれぞれに、title属性が指定されている。

  2. title属性の値として、そのフレームを特定できるテキストがある。

判定基準

注意: この実装方法が「達成基準を満たすことのできる実装方法」の一つである場合、このチェックポイントや判定基準を満たしていなければ、それはこの実装方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の実装方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。

日本語訳における注記:

この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。