達成基準 1.3.3: 感覚的な特徴を理解する

達成基準 1.3.3 感覚的な特徴 (レベル A): コンテンツを理解し操作するための説明は、形、色、大きさ、視覚的な位置、方向、又は音のような、構成要素が持つ感覚的な特徴だけに依存していない。

色に関する要件は、ガイドライン 1.4 を参照。

意図

この達成基準の意図は、形又は大きさを知覚できない、もしくは空間的な位置又は方向に関する情報を利用できない場合でも、すべての利用者がコンテンツを利用するための指示にアクセスできるようにすることである。コンテンツによっては、コンテンツの構造からは入手できない対象の形又は位置の知識 (例えば、「円いボタン」又は「右のボタン」) に依存していることがある。障害のある利用者は、使用している支援技術の性質のために、形又は配置を知覚できないことがある。この達成基準は、このような情報に依存しているあらゆるものを明確にするために、補足の情報を提供することを要求している。

しかし、形及び/又は位置を用いて情報を提供することは、認知能力の低下している利用者を含む多くの利用者に対しては効果的な手法である。この達成基準は、情報が他の方法でも提供されている限り、これらのタイプの手がかりを妨げないほうがよい。

ある言語においては、「上記」はコンテンツのその地点よりも前にあるコンテンツを指し、「下記」はその地点よりも後にあるコンテンツを指すことが共通理解となっている。そのような言語では、参照されているコンテンツが読み上げ順序の中で適切な位置にあり、かつ参照が明確ならば、「下記のリンクのいずれかを選択する」または「上記のすべてを選択する」などの文はこの達成基準に適合するだろう。

WCAG はウェブページ上に表示されたコントロールのみに該当するよう設計された。その意図は、視覚的又は聴覚的な手がかりのみを参考にコントロールを説明をすることを避けるためである。これを物理的なハードウェアコントロール (専用コンテンツのあるウェブキオスクなど) を操作するための手順に適用するとき、おそらく触知できる手がかり (例えば、矢印の形をしたキー、右側の丸いキー) が説明されるだろう。この達成基準は、指示の中で触知できる手がかりの使用を防ぐことを意図したものではない。

メリット

事例

達成方法

この節にある番号付きの各項目は、WCAG ワーキンググループがこの達成基準を満たすのに十分であると判断する達成方法、又は複数の達成方法の組み合わせを表している。しかしながら、必ずしもこれらの達成方法を用いる必要はない。その他の達成方法についての詳細は、WCAG 達成基準の達成方法を理解するの「その他の達成方法」を参照のこと。

十分な達成方法

  1. G96: 理解するために感覚的な情報のみに依存するような項目に対して、テキストによる識別を別の方法で提供する

失敗例

以下に挙げるものは、WCAG ワーキンググループが達成基準の失敗例とみなした、よくある間違いである。


訳注: このページは、2022 年 9 月 2 日版の Understanding WCAG 2.1 の翻訳です。2022 年 9 月 2 日版の原文は WAIC の管理するレポジトリから入手可能です。