【注意】 この文書は、2008 年 12 月 11 日付の W3C 勧告「WCAG 2.0」 (原文は英語)を、情報通信アクセス協議会の「ウェブアクセシビリティ基盤委員会 (WAIC)」が翻訳と修正をおこなって公開しているものです。この文書の正式版は、あくまで W3C のサイト内にある英語版であり、この文書には翻訳上の間違い、あるいは不適切な表現が含まれている可能性がありますのでご注意ください。

【注意】この文書にはより新しいバージョンが存在します: Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.1

[目次]

W3C

Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0

W3C 勧告 2008 年 12 月 11 日

このバージョン:
http://www.w3.org/TR/2008/REC-WCAG20-20081211/
最新バージョン:
http://www.w3.org/TR/WCAG20/
前のバージョン:
http://www.w3.org/TR/2008/PR-WCAG20-20081103/
編集者:
Ben Caldwell, Trace R&D Center, University of Wisconsin-Madison
Michael Cooper, W3C
Loretta Guarino Reid, Google, Inc.
Gregg Vanderheiden, Trace R&D Center, University of Wisconsin-Madison
過去の編集者:
Wendy Chisholm (until July 2006 while at W3C)
John Slatin (until June 2006 while at Accessibility Institute, University of Texas at Austin)
Jason White (until June 2005 while at University of Melbourne)

規定に対する修正が含まれている場合があるので、この文書の errata もあわせて参照。

翻訳版も参照できる。

この文書は、次の規定ではないフォーマットでも入手できる:


概要

Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0 は、ウェブコンテンツをよりアクセシブルにするための広範囲に及ぶ推奨事項を網羅している。 このガイドラインに従うことで、全盲又はロービジョン、ろう又は難聴、学習障害、認知障害、運動制限、発話困難、光感受性発作及びこれらの組合せ等を含んだ、様々な障害のある人に対して、コンテンツをアクセシブルにすることができる。又、このガイドラインに従うと、多くの場合、ほとんどの利用者にとってウェブコンテンツがより使いやすくなる。

WCAG 2.0 の達成基準は、技術に依存しない検証可能なものとして記述されている。特定の技術において達成基準を満たすためのガイドについては、達成基準を理解するための一般的な情報とあわせて、別の文書群として提供している。イントロダクション及び WCAG の達成方法や教育に関する資料については、Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) Overviewを参照。

WCAG 2.0 は、1999年5月に W3C 勧告として公開された Web Content Accessibility Guidelines 1.0 [WCAG10] の後継となる仕様である。WCAG 1.0 又は WCAG 2.0 のいずれか (あるいは、その両方) に適合することは可能だが、W3C はコンテンツを新規で制作する場合及び既存のコンテンツを更新する場合には WCAG 2.0 を用いることを推奨する。又、W3C は、ウェブアクセシビリティに関する方針や政策においても、WCAG 2.0 を参照することを推奨する。

この文書のステータス

この節では、この文書の発行された時点でのステータスを説明する。この文書が、他の文書によって置き換えられている場合もある。現行の W3C の発行文書及びこのテクニカルレポートの改訂版は、 http://www.w3.org/TR/ にある W3C technical reports indexで参照可能である。

これは、Web Content Accessibility Guidelines Working Group が作成した Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0 W3C 勧告 である。

この文書は、W3C 会員、ソフトウェア開発者、及びその他の W3C グループや関係者によってレビューされており、ディレクターにより W3C 勧告として承認されたものである。安定した文書であり、参考資料として用いること、他の文書で引用することができる。勧告の作成における W3C の役割は、その仕様への関心を引いて、広く普及させていくことにある。これにより、ウェブの機能及び相互運用性の向上につながる。

WCAG 2.0 には、規定ではない関連文書の Understanding WCAG 2.0 及び Techniques for WCAG 2.0 がある。それらの文書には、WCAG 2.0 自体が有する正式なステータスはないものの、WCAG の理解及び実装に関する重要な情報を提供している。

ワーキンググループへのコメントは、 online comment form を使って送っていただきたい。もしそれができない場合は、 public-comments-wcag20@w3.org 宛に電子メールで送信することも可能である。 archives for the public comments listは誰でも利用可能である。WCAG 2.0 の勧告に関して寄せられたコメントにより、このバージョンのガイドラインを変更することはできないが、 errata あるいは WCAG の将来のバージョンに反映されることはある。又、コメントに対して、ワーキンググループが正式な返答をする予定はない。WCAG WG mailing list discussionsは一般に公開されており、この文書に関して寄せられたコメントについては、ワーキンググループが将来的に対処することがあるかもしれない。

この文書は、W3Cの Web Accessibility Initiative (WAI) の活動の一環として作成されたものである。 WCAG Working Groupの目的については、 Web Content Accessibility Guidelines Working Group Charterに記載されている。WCAG Working Groupは、WAI Technical Activityの一つである。

この文書は、5 February 2004 W3C Patent Policyに則って運営するワーキンググループによって作成された。W3C では、ワーキンググループの成果物に関係する public list of any patent disclosuresを管理しており、そのページには、特許を開示するにあたっての指示も記載されている。 Essential Claim(s)を含んでいると思われる特許について知識のある人は、 section 6 of the W3C Patent Policyに従ってその情報を開示しなければならない。


イントロダクション

この節は、参考情報である。

Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0 は、ウェブコンテンツを障害者にとってよりアクセシブルにする方法を定義している。アクセシビリティは、視覚、聴覚、身体、発話、認知、言語、学習、神経の障害を含む、広範な障害に関係している。このガイドラインは、広範囲に及ぶ事項を網羅しているが、障害のすべての種類、程度、組合せからくるニーズを満たすことはできない。また、このガイドラインは、加齢により能力が変化している高齢者にとってもウェブコンテンツをより使いやすくするものであるとともに、しばしば利用者全般のユーザビリティを向上させる。

WCAG 2.0 は、ウェブコンテンツのアクセシビリティに対して、様々な国の個人、組織、政府のニーズを満たすような共通の基準を提供することを目的として、W3C processに従って世界中の個人及び組織の協力のもと作成されている。WCAG 2.0 は WCAG 1.0 [WCAG10] をふまえ、現在及び将来の様々なウェブ技術に広く適用できるように設計されており、自動テストと人間による評価の組合せによって検証できるようになっている。WCAG のイントロダクションとしては、Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) Overview を参照。

ウェブアクセシビリティは、アクセシブルなコンテンツだけではなく、アクセシブルなウェブブラウザやその他のユーザエージェントにも依存している。そして、オーサリングツールもウェブアクセシビリティにおいて重要な役割を担っている。ウェブ開発やインタラクションを構成するこれらの要素が相互にどのように関係しているかの概要については、以下を参照:

WCAG 2.0 ガイダンスのレイヤー

WCAG を用いる個人や組織は実に幅広く、ウェブデザイナーや開発者、政策立案者、調達担当者、教師、及び生徒などが含まれる。これらの人たちの様々なニーズに応えるために WCAG 2.0 では、原則、一般的なガイドライン、検証可能な達成基準十分な達成方法、参考達成方法、及びよくある失敗例を示した豊富な文書群を含む様々なレイヤーのガイダンスが、事例や参考リンク及びコードとともに提供されている。

  • 原則 - 最上位には、ウェブアクセシビリティの土台となる四つの原則がある: 知覚可能、操作可能、理解可能、及び堅牢 (robust)。あわせて、Understanding the Four Principles of Accessibilityも参照。

  • ガイドライン - 原則の下にあるのがガイドラインである。12のガイドラインは、様々な障害のある利用者に対してコンテンツをよりアクセシブルにするためにコンテンツ制作者が取り組むべき基本的な目標を提供している。これらのガイドラインは検証可能ではないが、コンテンツ制作者が達成基準を理解し、より適した達成方法を用いることができるように、全体的な枠組みや全般的な目的を提供するものである。

  • 達成基準 - 各ガイドラインには、検証可能な達成基準が設けられており、デザイン仕様検討、調達、基準策定、及び契約上の合意などにあたりその要件や適合試験が必要となる際に WCAG 2.0 を用いることが可能である。様々なユーザ層や状況からくるニーズを満たすために、三つの適合レベルが定義されている: A (最低レベル)、AA、AAA (最高レベル)。WCAG のレベルに関する補足情報は、Understanding Levels of Conformanceを参照。

  • 十分な達成方法及び参考達成方法 - WCAG 2.0 文書自体にあるガイドライン及び達成基準それぞれに対して、ワーキンググループは達成方法についても広範囲にわたって文書化している。達成方法は参考情報であり、二つのカテゴリに分類される: 達成基準を満たすのに十分な達成方法と参考達成方法である。参考達成方法は、個々の達成基準の要件を上回るもので、これらの達成方法を用いることで、コンテンツ制作者はガイドラインに対してより良い対処をすることができる。参考達成方法の中には、検証可能な達成基準によってカバーされていないアクセシビリティの問題に対処するものもある。よくある失敗例がある場合は、それも文書化されている。Sufficient and Advisory Techniques in Understanding WCAG 2.0も参照。

このガイダンスのレイヤー (原則、ガイドライン、達成基準、十分な達成方法及び参考達成方法) はすべて、コンテンツをよりアクセシブルにする方法に関するガイダンスを提供するために連携している。コンテンツ制作者は可能な範囲で最も広い利用者のニーズに最大限対処できるように、参考達成方法を含めたすべてのレイヤーを確認して適用することが推奨される。

注意すべきなのは、最高レベル (AAA) で適合しているコンテンツでさえも、すべての種類、程度あるいは組合せの障害者、特に、認知、言語及び学習の面において、アクセシブルではないということである。コンテンツ制作者は、参考達成方法を含むすべての達成方法を考慮するとともに、 ウェブコンテンツが可能な限りアクセシブルであることを確実にするためにも、こうした人たちに対して、現状における最善の対応策に関するアドバイスを追い求めることが推奨される。メタデータは、彼らのニーズに最適なコンテンツを探し出す際に、利用者を支援できる可能性がある。

WCAG 2.0 関連文書

WCAG 2.0 の文書は、安定した参照可能な技術標準を必要とする人たちのニーズを満たすように作成されている。関連文書と呼ばれるその他の文書は、WCAG 2.0 文書に基づいて、WCAG が新しい技術にどのように適用されるかを説明するために更新できるようにすることを含め、その他の重要な役割を果たすものである。関連文書には以下に挙げるものがある:

  1. How to Meet WCAG 2.0 - WCAG 2.0 のカスタマイズ可能なクイックリファレンス。コンテンツ制作者がウェブコンテンツを制作したり評価したりする際に用いるガイドライン、達成基準、達成方法のすべてが含まれる。

  2. Understanding WCAG 2.0 - WCAG 2.0 を理解して実践するための解説書。重要なトピックスとあわせて、WCAG 2.0 の各ガイドライン及び達成基準を「理解する」ための簡潔な文書がある。

  3. Techniques for WCAG 2.0 - 達成方法集及びよくある失敗例集。個々に別々の文書になっており、解説、事例、コード例、テストが含まれる。

  4. The WCAG 2.0 Documents - 技術文書群がどのように関係していてリンクされているのかを示した図と解説。

WCAG 2.0 に関する教育資料を含む関連資料の説明は、Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) Overviewを参照。例えば、ウェブアクセシビリティのビジネスにおける効果、ウェブサイトのアクセシビリティを改善するための実施計画作成、及びアクセシビリティ方針といったトピックに関する補足資料は、WAI Resourcesに挙げられている。

WCAG 2.0 における重要な用語

WCAG 2.0 では、WCAG 1.0 とは異なる三つの重要な用語が用いられている。それぞれを以下で簡潔に紹介し、その詳細は用語集で定義する。

ウェブページ

重要なのは、「ウェブページ」という用語が、この規格において、静的な HTML ページ以外のものも含むことに注意することである。バーチャルでインタラクティブなコミュニティ全体を提供できる「ページ」など、ウェブ上に登場してきているより動的なウェブページも含まれる。例えば、「ウェブページ」という用語には、単一の URI で提供される、没入型でインタラクティブな映画のような体験も含まれる。より詳細な情報は、Understanding "Web Page"を参照。

プログラムによる解釈

いくつかの達成基準では、コンテンツ (あるいは、コンテンツのある部分) を「プログラムによる解釈」が可能にすることを要求している。これは、支援技術を含むユーザエージェントがそのコンテンツから情報を抽出し、様々な感覚モダリティで利用者に提供できることを意味している。より詳細な情報は、Understanding Programmatically Determinedを参照。

アクセシビリティ サポーテッド

技術をアクセシビリティ サポーテッドな方法で用いるとは、支援技術及びオペレーティングシステム、ブラウザ、その他のユーザエージェントのアクセシビリティ機能とともにその技術を用いるということを意味する。WCAG 2.0 の達成基準を満たすために、ある技術の機能に依存 することができるのは、その技術の機能が「アクセシビリティ サポーテッド」な方法で用いられている場合だけである。ある技術の機能をアクセシビリティ サポーテッドではない (支援技術では使えないなどの) 方法で用いることができるのは、なんらかの達成基準を満たすためにその技術の機能に依存していない (つまり同じ情報又は機能がアクセシビリティ サポーテッドな他の方法でも利用できる) 場合だけである。

「アクセシビリティ サポーテッド」の用語定義は、このガイドラインの附録 A: 用語集で提供されている。より詳細な情報は、Understanding Accessibility Supportを参照。

WCAG 2.0 ガイドライン

この節は、規定である。

原則 1: 知覚可能 - 情報及びユーザインタフェース コンポーネントは、利用者が知覚できる方法で利用者に提示可能でなければならない。

ガイドライン 1.1 テキストによる代替: すべての非テキストコンテンツには、拡大印刷、点字、音声、シンボル、平易な言葉などの利用者が必要とする形式に変換できるように、テキストによる代替を提供すること。

1.1.1 非テキストコンテンツ: 利用者に提示されるすべての非テキストコンテンツには、同等の目的を果たすテキストによる代替が提供されている。ただし、次の場合は除く: (レベル A)

  • コントロール、入力: 非テキストコンテンツが、コントロール又は利用者の入力を受け付けるものであるとき、その目的を説明する名前 (name) を提供している。 (コントロール及び利用者の入力を受け入れるコンテンツに関するその他の要件は、ガイドライン 4.1を参照。)

  • 時間依存メディア: 非テキストコンテンツが、時間に依存したメディアであるとき、テキストによる代替は、少なくとも、その非テキストコンテンツを識別できる説明を提供している。 (メディアに関するその他の要件は、ガイドライン 1.2を参照。)

  • テスト: 非テキストコンテンツが、テキストで提示されると無効になるテスト又は演習のとき、テキストによる代替は、少なくともその非テキストコンテンツを識別できる説明を提供している。

  • 感覚的: 非テキストコンテンツが、特定の感覚的体験を創り出すことを主に意図しているとき、テキストによる代替は、少なくともその非テキストコンテンツを識別できる説明を提供している。

  • CAPTCHA: 非テキストコンテンツが、コンピュータではなく人間がコンテンツにアクセスしていることを確認する目的で用いられているとき、テキストによる代替は、その非テキストコンテンツの目的を特定し、説明している。なおかつ、他の感覚による知覚に対応して出力する CAPTCHA の代替形式を提供することで、様々な障害に対応している。

  • 装飾、整形、非表示: 非テキストコンテンツが、純粋な装飾である、見た目の整形のためだけに用いられている、又は利用者に提供されるものではないとき、支援技術が無視できるように実装されている。

ガイドライン 1.2 時間依存メディア: 時間依存メディアには代替コンテンツを提供すること。

1.2.1 音声のみ及び映像のみ (収録済) : 収録済音声しか含まないメディア及び収録済の映像しか含まないメディアは、次の事項を満たしている。ただし、その音声又は映像がメディアによるテキストの代替であって、メディアによる代替であることが明確にラベル付けされている場合は除く: (レベル A)

  • 収録済の音声しか含まない場合:時間依存メディアに対する代替コンテンツによって、収録済の音声しか含まないコンテンツと同等の情報を提供している。

  • 収録済の映像しか含まない場合: 時間依存メディアに対する代替コンテンツ又は音声トラックによって、収録済の映像しか含まないコンテンツと同等の情報を提供している。

1.2.2 キャプション (収録済) : 同期したメディアに含まれているすべての収録済音声コンテンツに対して、キャプションが提供されている。ただし、その同期したメディアがメディアによるテキストの代替であって、メディアによる代替であることが明確にラベル付けされている場合は除く。 (レベル A)

1.2.3 音声解説、又はメディアに対する代替 (収録済) : 同期したメディアに含まれている収録済映像コンテンツに対して、時間依存メディアに対する代替コンテンツ又は音声解説が提供されている。ただし、その同期したメディアがメディアによるテキストの代替であって、メディアによる代替であることが明確にラベル付けされている場合は除く。 (レベル A)

1.2.4 キャプション (ライブ) : 同期したメディアに含まれているすべてのライブ音声コンテンツに対してキャプションが提供されている。 (レベル AA)

1.2.5 音声解説 (収録済) : 同期したメディアに含まれているすべての収録済映像コンテンツに対して、音声解説が提供されている。 (レベル AA)

1.2.6 手話 (収録済) : 同期したメディアに含まれているすべての収録済音声コンテンツに対して、手話通訳が提供されている。 (レベル AAA)

1.2.7 拡張音声解説 (収録済) : 前景音の合間が、音声解説で映像の意味を伝達するのに不十分な場合、同期したメディアに含まれているすべての収録済映像コンテンツに対して、拡張音声解説が提供されている。 (レベル AAA)

1.2.8 メディアに対する代替 (収録済) : すべての収録済同期したメディア及びすべての収録済の映像しか含まないメディアに対して、時間依存メディアに対する代替コンテンツが提供されている。 (レベル AAA)

1.2.9 音声のみ (ライブ) : ライブ音声しか含まないコンテンツに対して、それと同等の情報を提示する、時間依存メディアの代替コンテンツが提供されている。 (レベル AAA)

ガイドライン 1.3 適応可能: 情報、及び構造を損なうことなく、様々な方法 (例えば、よりシンプルなレイアウト) で提供できるようにコンテンツを制作すること。

1.3.1 情報及び関係性: 何らかの形で提示されている情報、 構造、及び関係性は、プログラムによる解釈が可能である、又はテキストで提供されている。 (レベル A)

1.3.2 意味のある順序: コンテンツが提示されている順序が意味に影響を及ぼす場合には、正しく読む順序プログラムによる解釈が可能である。 (レベル A)

1.3.3 感覚的な特徴: コンテンツを理解し操作するための説明は、形、大きさ、視覚的な位置、方向、又は音のような、構成要素が持つ感覚的な特徴だけに依存していない。 (レベル A)

注記: 色に関する要件は、ガイドライン 1.4を参照。

ガイドライン 1.4 判別可能: コンテンツを、利用者にとって見やすく、聞きやすいものにすること。これには、前景と背景を区別することも含む。

1.4.1 色の使用: 色が、情報を伝える、動作を示す、反応を促す、又は視覚的な要素を判別するための唯一の視覚的手段になっていない。 (レベル A)

注記: この達成基準は、特に色の知覚を扱う。その他の知覚形態については、色やその他の視覚的提示のコーディングへのプログラムによるアクセスも含めて、ガイドライン 1.3で網羅されている。

1.4.2 音声の制御: ウェブページ上にある音声が自動的に再生され、その音声が 3 秒より長く続く場合、その音声を一時停止もしくは停止するメカニズム、又はシステム全体の音量レベルに影響を与えずに音量レベルを調整できるメカニズムのいずれかを提供する。 (レベル A)

注記: この達成基準を満たさないコンテンツでは、利用者がそのウェブページ全体を使用できない恐れがあるため、ウェブページ上のすべてのコンテンツは他の達成基準を満たすために用いられているか否かにかかわらず、この達成基準を満たさなければならない。適合要件 5: 非干渉を参照。

1.4.3 コントラスト (最低限) : テキスト及び文字画像視覚的提示に、少なくとも 4.5:1 のコントラスト比がある。ただし、次の場合は除く: (レベル AA)

  • 大きな文字: サイズの大きなテキスト及びサイズの大きな文字画像に、少なくとも 3:1 のコントラスト比がある。

  • 付随的: テキスト又は文字画像において、次の場合はコントラストの要件はない。アクティブではないユーザインタフェース コンポーネントの一部である、純粋な装飾である、誰も視覚的に確認できない、又は重要な他の視覚的なコンテンツを含む写真の一部分である。

  • ロゴタイプ: ロゴ又はブランド名の一部である文字には、最低限のコントラストの要件はない。

1.4.4 テキストのサイズ変更: キャプション及び文字画像を除き、テキストは、コンテンツ又は機能を損なうことなく、支援技術なしで 200% までサイズ変更できる。 (レベル AA)

1.4.5 文字画像: 使用している技術で意図した視覚的提示が可能である場合、文字画像ではなくテキストが情報伝達に用いられている。ただし、次に挙げる場合を除く: (レベル AA)

  • カスタマイズ可能: 文字画像は、利用者の要求に応じた視覚的なカスタマイズができる。

  • 必要不可欠: テキストの特定の提示が、伝えようとする情報にとって必要不可欠である。

注記: ロゴタイプ (ロゴ又はブランド名の一部である文字) は必要不可欠なものであると考えられる。

1.4.6 コントラスト (高度) : テキスト及び文字画像視覚的提示には、少なくとも 7:1 のコントラスト比がある。ただし、次の場合は除く: (レベル AAA)

  • 大きな文字: サイズの大きなテキスト及びサイズの大きな文字画像には、少なくとも 4.5:1 のコントラスト比がある。

  • 付随的: テキスト又は文字画像において、次の場合はコントラストの要件はない。アクティブではないユーザインタフェース コンポーネントの一部である、純粋な装飾である、誰も視覚的に確認できない、又は重要な他の視覚的なコンテンツを含む写真の一部分である。

  • ロゴタイプ: ロゴ又はブランド名の一部である文字には、最低限のコントラストの要件はない。

1.4.7 小さな背景音、又は背景音なし: 収録済音声しか含まないコンテンツで、(1) 前景に主として発話を含み、(2) 音声CAPTCHA 又は音声ロゴではなく、かつ、(3) 例えば、歌やラップなどのように、主として音楽表現を意図した発声ではないものについては、次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている: (レベル AAA)

  • 背景音なし: 音声は背景音を含まない。

  • 消音: 背景音を消すことができる。

  • 20デシベル: 背景音は、前景にある発話のコンテンツより少なくとも20デシベルは低い。ただし、継続時間が2秒以内で発生頻度が低い背景音は除く。

    注記: デシベルの定義によれば、この要件を満たす背景音は、前景にある発話のコンテンツの約4分の1の大きさになる。

1.4.8 視覚的提示: テキストブロックの視覚的提示において、次を実現するメカニズムが利用できる: (レベル AAA)

  1. 利用者が、前景色と背景色を選択できる。

  2. 幅が 80 字を越えない (全角文字の場合は、40 字)。

  3. テキストが、均等割り付けされていない (両端揃えではない)。

  4. 段落中の行送りは、少なくとも 1.5 文字分ある。そして、段落の間隔は、その行送りの少なくとも 1.5 倍以上ある。

  5. テキストは、支援技術なしで 200%までサイズ変更でき、利用者が全画面表示にしたウィンドウで 1 行のテキストを読むときに横スクロールする必要がない。

1.4.9 文字画像 (例外なし) : 文字画像は、純粋な装飾に用いられているか、テキストの特定の提示が伝えようとする情報にとって必要不可欠である場合に用いられている。 (レベル AAA)

注記: ロゴタイプ (ロゴ又はブランド名の一部である文字) は必要不可欠なものであると考えられる。

原則 2: 操作可能 - ユーザインタフェース コンポーネント及びナビゲーションは操作可能でなければならない。

ガイドライン 2.1 キーボード操作可能: すべての機能をキーボードから利用できるようにすること。

2.1.1 キーボード: コンテンツのすべての機能は、個々のキーストロークに特定のタイミングを要することなく、キーボードインタフェースを通じて操作可能である。ただし、その根本的な機能が利用者の動作による始点から終点まで続く一連の軌跡に依存して実現されている場合は除く。 (レベル A)

注記 1: 上記の例外は、根本的な機能に関するものであり、入力手法に関するものではない。例えば、テキスト入力に手書き入力を用いるのであれば、その入力手法 (手書き) は利用者の動作による軌跡に依存した入力を必要とするが、その根本的な機能 (テキスト入力) は利用者の動作による軌跡に依存した入力を必要とするものではない。

注記 2: これは、キーボード操作に加えて、マウス入力、又はその他の入力手段を提供することを禁ずるものでも妨げるものでもない。

2.1.2 キーボードトラップなし: キーボードインタフェースを用いてキーボードフォーカスをそのウェブページのあるコンポーネントに移動できる場合、キーボードインタフェースだけを用いてそのコンポーネントからフォーカスを外すことが可能である。さらに、修飾キーを伴わない矢印キー、 Tab キー、又はフォーカスを外すその他の標準的な方法でフォーカスを外せない場合は、フォーカスを外す方法が利用者に通知される。 (レベル A)

注記: この達成基準を満たさないコンテンツでは、利用者がそのウェブページ全体を使用できない恐れがあるため、ウェブページ上のすべてのコンテンツは他の達成基準を満たすために用いられているか否かにかかわらず、この達成基準を満たさなければならない。適合要件 5: 非干渉を参照。

2.1.3 キーボード (例外なし) : コンテンツのすべての機能は、個々のキーストロークに特定のタイミングを要することなく、キーボードインタフェースを通じて操作可能である。 (レベル AAA)

ガイドライン 2.2 十分な時間: 利用者がコンテンツを読み、使用するために十分な時間を提供すること。

2.2.1 タイミング調整可能: コンテンツに制限時間を設定する場合は、次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている: (レベル A)

  • 解除: 制限時間があるコンテンツを利用する前に、利用者がその制限時間を解除することができる。又は、

  • 調整: 制限時間があるコンテンツを利用する前に、利用者が少なくともデフォルト設定の 10 倍を超える、大幅な制限時間の調整をすることができる。又は、

  • 延長: 時間切れになる前に利用者に警告し、かつ少なくとも 20 秒間の猶予をもって、例えば「スペースキーを押す」などの簡単な操作により、利用者が制限時間を少なくとも 10 倍以上延長することができる。又は、

  • リアルタイムの例外: リアルタイムのイベント (例えば、オークション) において制限時間が必須の要素で、その制限時間に代わる手段が存在しない。又は、

  • 必要不可欠な例外: 制限時間が必要不可欠なもので、制限時間を延長することがコンテンツの動作を無効にすることになる。又は、

  • 20 時間の例外: 制限時間が 20 時間よりも長い。

注記: この達成基準は、制限時間の結果として、コンテンツ又はコンテキストの予期せぬ変化を引き起こさないように利用者がタスクを完了できるようにするためのものである。この達成基準は、利用者の動作の結果としてのコンテンツ又はコンテキストの変化を制限する Success Criterion 3.2.1と併せて考慮すること。

2.2.2 一時停止、停止、非表示: 動きのある、点滅している、スクロールする、又は自動更新する情報は、次のすべての事項を満たしている: (レベル A)

  • 動き、点滅、スクロール: 動きのある、点滅している、又はスクロールしている情報が、(1) 自動的に開始し、(2) 5秒よりも長く継続し、かつ、(3) その他のコンテンツと並行して提示される場合、利用者がそれらを一時停止、停止、又は非表示にすることのできるメカニズムがある。ただし、その動き、点滅、又はスクロールが必要不可欠な動作の一部である場合は除く。

  • 自動更新: 自動更新する情報が、(1) 自動的に開始し、 (2) その他のコンテンツと並行して提示される場合、利用者がそれを一時停止、停止、もしくは非表示にする、又はその更新頻度を調整することのできるメカニズムがある。ただし、その自動更新が必要不可欠な動作の一部である場合は除く。

注記 1: 画面がちらつく、又は閃光を放つコンテンツに関する要件は、ガイドライン 2.3を参照。

注記 2: この達成基準を満たさないコンテンツでは、利用者がそのウェブページ全体を使用できない恐れがあるため、ウェブページ上のすべてのコンテンツは他の達成基準を満たすために用いられているか否かにかかわらず、この達成基準を満たさなければならない。適合要件 5: 非干渉を参照。

注記 3: 定期的にソフトウェアによって自動的に更新されるコンテンツ、又はユーザエージェントにストリーム配信されるコンテンツでは、コンテンツ再生の一時停止と再開の操作の間に生成、又は受信される情報を保持、又は提示する必要はない。これは技術的に不可能であることが考えられ、多くの状況において利用者の混乱を招くことにつながる可能性があるためである。

注記 4: コンテンツの読み込み中やそれに類似した状況の一部として表示されるアニメーションについては、この段階ですべての利用者に対していかなるインタラクションも発生する可能性がなく、かつコンテンツ読み込みの進行状況を表示しないことが利用者の混乱を招いたり、コンテンツが動作を停止した、又はコンテンツが破損しているという誤解を生じたりする可能性がある場合には、必要不可欠なものと考えることができる。

2.2.3 タイミング非依存: タイミングは、コンテンツによって提示されるイベント又は動作の必要不可欠な部分ではない。ただし、インタラクティブではない同期したメディア及び リアルタイムのイベントは除く。 (レベル AAA)

2.2.4 割り込み: 割り込みは、利用者が延期、又は抑制することができる。ただし、緊急を要する割り込みは除く。 (レベル AAA)

2.2.5 再認証: 認証済のセッションが切れた場合は、再認証後でもデータを失うことなく利用者が操作を継続できる。 (レベル AAA)

ガイドライン 2.3 発作の防止: 発作を引き起こすようなコンテンツを設計しないこと。

2.3.1 3 回の閃光、又は閾値以下: ウェブページには、どの 1 秒間においても3回を超える閃光を放つものがない、又は閃光が一般閃光閾値及び赤色閃光閾値を下回っている。 (レベル A)

注記: この達成基準を満たさないコンテンツでは、利用者がそのウェブページ全体を使用できない恐れがあるため、ウェブページ上のすべてのコンテンツは他の達成基準を満たすために用いられているか否かにかかわらず、この達成基準を満たさなければならない。適合要件 5: 非干渉を参照。

2.3.2 3 回の閃光: ウェブページには、どの 1 秒間においても 3 回を超える閃光を放つものがない。 (レベル AAA)

ガイドライン 2.4 ナビゲーション可能: 利用者がナビゲートしたり、コンテンツを探し出したり、現在位置を確認したりすることを手助けする手段を提供すること。

原則 3: 理解可能 - 情報及びユーザインタフェースの操作は理解可能でなければならない。

ガイドライン 3.1 読みやすさ: テキストのコンテンツを読みやすく理解可能にすること。

3.1.1 ページの言語: それぞれのウェブページのデフォルトの自然言語がどの言語であるか、プログラムによる解釈が可能である。 (レベル A)

3.1.2 一部分の言語: コンテンツの一節、又は語句それぞれの自然言語がどの言語であるか、プログラムによる解釈が可能である。ただし、固有名詞、技術用語、言語が不明な語句、及びすぐ前後にあるテキストの言語の一部になっている単語又は語句は除く。 (レベル AA)

3.1.3 一般的ではない用語: 慣用句及び専門用語を含めて、一般的ではない、又は限定された用法で使われている単語、又は語句の、明確な定義を特定するメカニズムが利用できる。 (レベル AAA)

3.1.4 略語: 略語の元の語、又は意味を特定するメカニズムが利用できる。 (レベル AAA)

3.1.5 読解レベル: 固有名詞や題名を取り除いた状態で、テキストが前期中等教育レベルを超えた読解力を必要とする場合は、補足コンテンツ又は前期中等教育レベルを超えた読解力を必要としない版が利用できる。 (レベル AAA)

3.1.6 発音: 文脈において、発音が分からないと単語の意味が不明瞭になる場合、その単語の明確な発音を特定するメカニズムが利用できる。 (レベル AAA)

ガイドライン 3.2 予測可能: ウェブページの表示や挙動を予測可能にすること。

3.2.1 フォーカス時: いずれのコンポーネントも、フォーカスを受け取ったときに コンテキストの変化を引き起こさない。 (レベル A)

3.2.2 入力時: ユーザインタフェース コンポーネント の設定を変更することが、コンテキストの変化を自動的に引き起こさない。ただし、利用者が使用する前にその挙動を知らせてある場合を除く。 (レベル A)

3.2.3 一貫したナビゲーション: ウェブページ一式の中にある複数のウェブページ上で繰り返されているナビゲーションのメカニズムは、繰り返されるたびに相対的に同じ順序で出現する。ただし、利用者が変更した場合は除く。 (レベル AA)

3.2.4 一貫した識別性: ウェブページ一式の中で同じ機能を有するコンポーネントは、一貫して識別できる。 (レベル AA)

3.2.5 要求による変化: コンテキストの変化は利用者の要求によってだけ生じるか、又は、そのような変化を止めるメカニズムが利用できる。 (レベル AAA)

ガイドライン 3.3 入力支援: 利用者の間違いを防ぎ、修正を支援すること。

3.3.1 エラーの特定: 入力エラーが自動的に検出された場合は、エラーとなっている箇所が特定され、そのエラーが利用者にテキストで説明される。 (レベル A)

3.3.2 ラベル又は説明: コンテンツが利用者の入力を要求する場合は、ラベル又は説明文が提供されている。 (レベル A)

3.3.3 エラー修正の提案: 入力エラーが自動的に検出され、修正方法を提案できる場合、その提案が利用者に提示される。ただし、セキュリティ又はコンテンツの目的を損なう場合は除く。 (レベル AA)

3.3.4 エラー回避 (法的、金融、データ) : 利用者にとって法律行為もしくは金融取引が生じる、利用者が制御可能なデータストレージシステム上のデータを変更もしくは削除する、又は利用者が試験の解答を送信するウェブページでは、次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている: (レベル AA)

  1. 取消: 送信を取り消すことができる。

  2. チェック: 利用者が入力したデータの入力エラーがチェックされ、利用者には修正する機会が提供される。

  3. 確認: 送信を完了する前に、利用者が情報の見直し、確認及び修正をするメカニズムが利用できる。

3.3.5 ヘルプ: コンテキストに応じたヘルプが利用できる。 (レベル AAA)

3.3.6 エラー回避 (すべて) : 利用者に情報の送信を要求するウェブページでは、次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている: (レベル AAA)

  1. 取消: 送信を取り消すことができる。

  2. チェック: 利用者が入力したデータの入力エラーがチェックされ、利用者には修正する機会が提供される。

  3. 確認: 送信を完了する前に、利用者が情報の見直し、確認及び修正をするメカニズムが利用できる。

原則 4: 堅牢 (robust) - コンテンツは、支援技術を含む様々なユーザエージェントが確実に解釈できるように十分に堅牢 (robust) でなければならない。

ガイドライン 4.1 互換性: 現在及び将来の、支援技術を含むユーザエージェントとの互換性を最大化すること。

4.1.1 構文解析: マークアップ言語を用いて実装されているコンテンツにおいては、要素には完全な開始タグ及び終了タグがあり、要素は仕様に準じて入れ子になっていて、要素には重複した属性がなく、どの ID も一意的である。ただし、仕様で認められているものを除く。 (レベル A)

注記: 開始及び終了タグに重要な記号が欠けている場合、例えば、タグを閉じる山括弧がない、又は属性値の引用符が一致していない場合は、完全とはいえない。

4.1.2 名前 (name) ・役割 (role) 及び値 (value) : すべてのユーザインタフェース コンポーネント (フォームを構成する要素、リンク、スクリプトが生成するコンポーネントを含むがこれに限定されない) では、名前 (name) 及び役割 (role) は、プログラムによる解釈が可能である。又、状態、プロパティ、利用者が設定可能な値はプログラムによる設定が可能である。そして、支援技術を含むユーザエージェントが、これらの項目に対する変更通知を利用できる。 (レベル A)

注記: この達成基準は、主に独自のユーザインタフェース コンポーネントを開発、又はスクリプトで実装するコンテンツ制作者に向けたものである。例えば、標準的な HTML のコントロールを仕様に沿って使用していれば、既にこの達成基準を満たしていることになる。

適合

この節は、規定である。

この節では、WCAG 2.0 への適合に関する要件を列挙する。又、任意である適合表明の作成方法に関する情報も提供する。最後に、アクセシビリティ サポーテッドとは何かを説明する。なぜならば、適合においては技術のアクセシビリティ サポーテッドな使用方法だけに依存することができるからである。アクセシビリティ サポーテッドという概念については、Understanding Conformance でさらに詳しい説明がある。

適合要件

ウェブページが WCAG 2.0 に適合するためには、以下に挙げるすべての適合要件を満たしていなければならない:

1. 適合レベル: 以下に挙げる適合レベルの一つを完全に満たしていること。

  • レベル A:レベル A (適合の最低レベル) で適合するには、ウェブページがレベル A 達成基準のすべてを満たすか、又は適合している代替版を提供する。

  • レベル AA:レベル AA で適合するには、ウェブページはレベル A 及びレベル AA 達成基準のすべてを満たすか、又はレベル AA に適合している代替版を提供する。

  • レベル AAA:レベル AAA で適合するには、ウェブページがレベル A、レベル AA、及びレベル AAA 達成基準のすべてを満たすか、又はレベル AAA に適合している代替版を提供する。

注記 1: ウェブページは、記載したレベルでのみ WCAG 2.0 に適合できるが、コンテンツ制作者は、その適合レベルよりも高いレベルの達成基準の達成状況を (表明の中で) 示すことが推奨される。

注記 2: コンテンツの中には、レベル AAA 達成基準のすべてを満たすことのできないものもあるため、サイト全体の一般的な方針としてレベル AAA での適合を要件とすることは推奨されない。

2. ウェブページ全体: 適合 (及び適合レベル) はウェブページ全体に対するもののみであり、ウェブページの一部が除外されている場合には適合にならない。

注記 1: 適合の判断をするときに、例えば、詳細な説明又は映像の代替の提示のように、代替となるものがそのページから直接得られる場合は、ページのコンテンツの一部に対する代替コンテンツはそのページの一部であるとみなされる。

注記 2: コンテンツ制作者が制御できないコンテンツがあるために適合できないウェブページについては、部分適合に関する記述を行うことを検討するとよい。

3. プロセス全体: ウェブページプロセスを提示する一連の流れのウェブページ群 (つまり、ある目的を達成するために完了させる必要のある一連の手順) に含まれる場合、そのプロセス中のすべてのウェブページが指定したレベル又はそれ以上のレベルで適合している (もし、プロセス中のウェブページが一つでも特定のレベル又はそれ以上のレベルに適合していない場合、そのレベルに適合できない)。

事例: あるオンラインストアには、製品を選択して購入するための一連のウェブページがある。このプロセスに含まれるあるウェブページが適合するためには、最初から最後 (支払い) までのすべてのウェブページが適合していなければならない。

4. 技術のアクセシビリティ サポーテッドな使用方法だけ: 達成基準を満たすために、用いる技術アクセシビリティ サポーテッドな使用方法だけに依存している。アクセシビリティ サポーテッドではない方法で提供されている情報又は機能は、アクセシビリティ サポーテッドな方法でも利用できる (Understanding accessibility support を参照)。

5. 非干渉: 技術アクセシビリティ サポーテッドではない方法で用いられている場合、又は適合しない方法で用いられている場合、利用者がウェブページの他の部分へアクセスすることを妨げていない。加えて、全体としてウェブページは、以下のそれぞれの条件の下で適合要件を満たしていること:

  1. 依存していない技術がユーザエージェントで有効になっているとき

  2. 依存していない技術がユーザエージェントで無効になっているとき、及び

  3. 依存していない技術がユーザエージェントでサポートされていないとき

さらに、適合するために依存していないコンテンツも含めて、ページ上のすべてのコンテンツには以下の達成基準が適用される。なぜならば、これらを満たしていないことにより、ページの利用を妨げる可能性があるためである。

  • 1.4.2 - 音声制御

  • 2.1.2 - キーボードトラップなし

  • 2.3.1 - 3回の閃光、又は閾値以下、及び

  • 2.2.2 - 一時停止、停止、非表示

注記: もし、あるページが適合できないならば (例えば、適合のテストページや事例のページの場合)、そのページを適合の範囲、あるいは、適合表明の範囲に含めることはできない。

事例を含む、より詳細な情報は、Understanding Conformance Requirements を参照。

適合表明 (任意)

適合は、ウェブページに対してのみ定義されている。しかし、適合表明は1ページ、一連のウェブページ群、又は複数の関連するウェブページに対して行ってもよい。

適合表明の必須要素

適合表明は、必須ではない。コンテンツ制作者は、適合表明をしなくても、WCAG 2.0 に適合することができる。しかし、もし適合表明をする場合には、その適合表明には以下の情報が含まれていなければならない:

  1. 表明

  2. ガイドライン名、バージョン、及び URI : 例えば、「Web Content Accessibility Guidelines 2.0 (http://www.w3.org/TR/2008/REC-WCAG20-20081211/) 」

  3. 満たしている適合レベル: (レベル A、AA、又は AAA)

  4. 対象となるウェブページに関する簡潔な説明: 例えば、サブドメインも表明の対象に含まれているかどうかも含む、表明の対象となっている URI のリスト。

    注記 1: 表明において、ウェブページはリストを用いて表してもよいし、すべての URI を含む表現を用いて表してもよい。

    注記 2: 顧客がウェブサイト上でインストールするまで URI が存在しないウェブベースの製品がある。その場合、その製品はインストールされると適合した状態になる、といった記述をすることができる。

  5. 依存しているウェブコンテンツ技術のリスト

注記: 適合のロゴを使用するとその表明であるとみなされ、上記の適合表明の必須要素を明示しなければならない。

適合表明の任意要素

上記の適合表明の必須要素に加えて、利用者のために追加で情報を提供することを検討する。追加する情報として推奨するものを以下に挙げる:

  • 表明した適合レベルよりも上の適合レベルで満たしている達成基準のリスト。この情報は、利用者が使用できる形式で提供すべきで、機械的に読み取れるメタデータが好ましい。

  • 使用しているが適合には依存していない技術のリスト。

  • コンテンツを試験するのに用いた、支援技術を含むユーザエージェントのリスト。

  • アクセシビリティを向上させるために達成基準を超えて追加で施した措置に関する情報。

  • 依存している技術を示したリストの機械的に読み取れるメタデータ版。

  • 適合表明の機械的に読み取れるメタデータ版。

注記 1: より多くの情報や適合表明の事例は、Understanding Conformance Claims を参照。

注記 2: 適合表明内でのメタデータの使用に関する詳細な情報は、Understanding Metadata を参照。

部分適合に関する記述 - 第三者によるコンテンツ

場合によっては、制作後にコンテンツが追加されるようにウェブページが作成される。例えば、電子メールのプログラム、ブログ、利用者がコメントを追加できる記事、又は利用者がコンテンツを提供できるようなアプリケーションである。その他の例としては、複数の提供者から集めたコンテンツで構成されるポータルやニュースサイトのページや、又は動的に挿入される広告のように、他の情報源からその時々にコンテンツが自動的に挿入されるサイトが挙げられる。

これらの場合、最初に掲載した時点では、そのページにおける制御できないコンテンツがどのようなものになっていくか分からない。制御できないコンテンツが、制御できるコンテンツのアクセシビリティにも影響を及ぼす可能性があることに注意することが重要である。そのような場合、次の二つの方法から選択する:

  1. 適合の判定は、分かる範囲で下すことができる。もしこの種のウェブページが監視されていて2営業日以内に修正される (適合していないコンテンツが削除されるか、適合するように修正される) ならば、外部から寄稿されたコンテンツにおける不具合のうち、発見後に修正又は削除できるものを除いて判定又は適合表明ができるので、そのページは適合している。適合していないコンテンツを監視及び修正できない場合は、適合表明を行うことはできない。

    又は、

  2. 適合していないページが特定の部分を除けば適合できる場合、「部分適合に関する記述」ができる。そのような場合の記述は、「このページは適合していないが、制御されていない情報源に起因する以下の部分を除けば、WCAG 2.0 にレベル X で適合していることになる。」というような形式になる。さらに、部分適合の記述に記載される制御できないコンテンツについては、次の条件に当てはまる必要がある。

    1. コンテンツ制作者が制御できるコンテンツではない。

    2. 利用者が識別できるように、記載されている (例えば、該当箇所が明確に示されない限り、「私たちが制御できない部分すべて」という記載をすることはできない)。

部分適合に関する記述 - 言語

ページが適合していないが、そのページ上で用いられている (すべての) 言語においてアクセシビリティ サポートがあれば適合するような場合には、「言語による部分適合に関する記述」ができる。そのような場合の記述形式は、「このページは適合していないが、もし以下の言語においてアクセシビリティ サポートがあれば、WCAG 2.0 にレベル X で適合していることになる。」というようになる。

附録 A: 用語集

この節は、規定である。

略語 (abbreviation)

単語、語句、又は名称の短縮形で、その略語が言語の一部になっていないもの。

注記 1: これは、頭文字語及び頭字語を含む:

  1. 頭文字語は、その名称あるいは語句に含まれる単語や音節の頭文字による、名称あるいは語句の短縮形である。

    注記 1: すべての言語で定義されているわけではない。

    事例 1: SNCFは、フランス語の頭文字語で、フランス国有鉄道の "Societe Nationale des Chemins de Fer "の頭文字を含んでいる。

    事例 2: ESPは、"extrasensory perception"の頭文字語である。

  2. 頭字語 は、 (名称や語句の中の) 頭文字あるいは他の単語の一部から作られた省略形で、一つの単語のように発音されることがあるものである。

    事例: NOAAは、米国の "National Oceanic and Atmospheric Administration" の頭文字による頭字語である。

注記 2: 頭文字語だったものを社名として採用している会社がある。そのような場合、その会社の新しい社名はその文字列であるにすぎず (例: Ecma)、その単語はもはや略語とは考えられない。

アクセシビリティ サポーテッド (accessibility supported)

利用者の支援技術と、ブラウザ及びその他のユーザエージェントにあるアクセシビリティ機能でサポートされていること。

あるウェブコンテンツ技術 (あるいは、ある技術の機能) の使用方法がアクセシビリティ サポーテッドであると認められるためには、そのウェブコンテンツ技術 (あるいは、機能) について、次の 1. と 2. の両方が満たされていなければならない:

  1. そのウェブコンテンツ技術の使用方法が、利用者の支援技術によりサポートされていなければならない。これは、その技術の使用方法が、そのコンテンツの自然言語における利用者の支援技術との相互運用性について検証されていることを意味する。

    かつ

  2. そのウェブコンテンツ技術には、アクセシビリティ サポーテッドで、利用者が利用できるユーザエージェントがなければならない。これは、少なくとも次の四つのうち一つを満たしていることを意味する:

    1. その技術が (HTML や CSS のように)、広く配布されているアクセシビリティ サポーテッドなユーザエージェントに標準でサポートされている。

      又は、

    2. その技術が、広く配布されているアクセシビリティ サポーテッドなプラグインでサポートされている。

      又は、

    3. そのコンテンツが、大学あるいは企業内ネットワークのような閉じた環境で利用できるものであり、その技術に必要とされていて、その組織で使用されているユーザエージェントがアクセシビリティ サポーテッドである。

      又は、

    4. その技術をサポートするユーザエージェントが、アクセシビリティ サポーテッドであって、次のようにダウンロードあるいは購入できる:

      • 障害のある人に障害のない人よりも時間や労力がかかるようなことはなく、かつ、

      • 障害のある人も障害のない人と同じくらい容易に探して入手することができる。

注記 1: WCAG Working Group ならびに W3C は、あるウェブ技術のある特定の使用方法がアクセシビリティ サポーテッドであると分類するために、そのウェブ技術の特定の使用方法に対して、どの支援技術によるどれだけのサポートが必要なのかを定めない (Level of Assistive Technology Support Needed for "Accessibility Support"を参照)。

注記 2: そのウェブ技術に依存しておらず、適合要件 4: 技術のアクセシビリティ サポーテッドな使用方法だけ及び適合要件 5: 非干渉を含む適合要件をウェブページ全体が満たしている場合は、そのウェブ技術をアクセシビリティ サポーテッドではない方法で用いることができる。

注記 3: ウェブ技術がアクセシビリティ サポーテッドな方法で用いられている場合、その技術全体、又はその技術の使用方法すべてがアクセシビリティ サポーテッドであるということを暗に示すわけではない。ほとんどの技術は、HTML を含めてアクセシビリティ サポーテッドではない機能、又は使用方法が少なくとも一つある。ウェブページが WCAG に適合するのは、依存する技術のアクセシビリティ サポーテッドな使用方法を用いて WCAG の要件を満たしている場合だけである。

注記 4: 複数のバージョンを有するウェブコンテンツ技術を挙げる際は、アクセシビリティ サポーテッドなバージョンを特定すべきである。

注記 5: コンテンツ制作者が技術のアクセシビリティ サポーテッドな使用方法を見つける方法の一つは、アクセシビリティ サポーテッドであることが文書化されている使用方法の資料を参考にすることである (Understanding Accessibility-Supported Web Technology Usesを参照)。コンテンツ制作者、企業、技術ベンダー、あるいはその他の者が、ウェブコンテンツ技術のアクセシビリティ サポーテッドな使用方法を文書化してもよい。しかし、文書中の技術の使用方法すべては、前述のアクセシビリティ サポーテッドなウェブコンテンツ技術の定義を満たしていなければならない。

時間依存メディアに対する代替コンテンツ (alternative for time-based media)

時間依存の視覚的及び聴覚的情報を正しい順序で説明したテキストを含み、あらゆる時間依存のインタラクションによる結果を得る手段を提供している文書。

注記: 同期したメディアのコンテンツを作るために用いられる脚本は、編集が終了した最終版の同期したメディアを正確に描写した脚本に修正されている場合だけ、この定義を満たす。

ほとんどの利用者にとって曖昧 (ambiguous to users in general)

リンク、及びリンクと同時に利用者に提供されているウェブページのどの情報からも、そのリンクの目的を判断できない (すなわち、障害がない閲覧者でも、そのリンクを動作させるまで、そのリンクが何をするのか分からない)。

事例: 「注目すべき輸出品のひとつはグァバです」という文中にある「グァバ」という単語がリンクになっている。そのリンク先は、グァバの定義、グァバの輸出量を挙げる図表、又はグァバを収穫している人々の写真のいずれにもなり得る。リンクを動作させるまで、すべての利用者が確信を持てないため、障害のある人が不利な立場に置かれることはない。

ASCII アート (ASCII art)

文字やグリフの空間的配置によって作られた図画 (典型的には、ASCIIで定義されている95の印字可能文字から作られる)。

(この文書で用いられている) 支援技術 (assistive technology (as used in this document))

ユーザエージェントとして機能する、又は主流のユーザエージェントと一緒に機能するハードウェア及び/又はソフトウェアで、主流のユーザエージェントで提供されている機能以上の機能を、障害のある利用者の要求を満たすために提供するもの。

注記 1: 支援技術が提供する機能としては、代替の提示 (例: 合成音声や拡大表示したコンテンツ)、代替入力手法 (例: 音声認識)、付加的なナビゲーション又は位置確認のメカニズム、及びコンテンツ変換 (例: テーブルをよりアクセシブルにするもの) などを挙げることができる。

注記 2: 支援技術は、API を利用、監視することで、主流のユーザエージェントとデータやメッセージのやりとりをすることが多い。

注記 3: 主流のユーザエージェントと支援技術との区別は、絶対的なものではない。多くの主流のユーザエージェントは、障害者を支援する機能を提供している。基本的な差異は、主流のユーザエージェントが障害のある人もない人も含めて、広く多様な利用者を対象にしているのに対し、支援技術は、特定の障害のある利用者という、より狭く限られた人たちを対象にしているということである。支援技術により提供される支援は、対象とする利用者に特化した、よりニーズに適したものである。主流のユーザエージェントは、プログラムオブジェクトからのウェブコンテンツの抽出、マークアップの識別可能な構造への解釈といった、重要な機能を支援技術に対して提供する場合がある。

事例: この文書の文脈において重要な支援技術としては、以下のものが挙げられる:

  • 画面拡大ソフト及びその他の視覚的な表示に関する支援技術。視覚障害、知覚障害、及び読書困難などの障害のある人が、レンダリング後のテキスト及び画像の視覚的な読みやすさを改善するために、テキストのフォント、サイズ、間隔、色、音声との同期などを変更するのに使用している。

  • スクリーンリーダー。全盲の人がテキスト情報を合成音声あるいは点字で読み取るために使用している。

  • 音声変換ソフトウェア。認知障害、言語障害、及び学習障害のある人が、テキストを合成音声に変換するために使用している。

  • 音声認識ソフトウェア。何らかの身体障害のある利用者が使用することがある。

  • 代替キーボード。特定の身体障害のある人がキーボード操作をシミュレートするのに使用している (ヘッドポインタ、シングルスイッチ、呼気・吸気スイッチ、及びその他の特別な入力デバイスを使った代替キーボードを含む)。

  • 代替ポインティングデバイス。特定の身体障害のある人がマウスポインタとボタンの動きをシミュレートするのに使用している。

音声 (audio)

音の再生技術。

注記: 音声には、合成して作られたもの (音声合成を含む)、実世界の音を収録したもの、又はその両方が含まれる。

音声解説 (audio description)

主音声のトラックだけでは理解できない重要で視覚的な詳細を説明するために、音声トラックに追加されたナレーション。

注記 1: 映像の音声解説は、動作、登場人物、場面の変化、画面上のテキスト、及びその他の視覚的なコンテンツに関する情報を提供する。

注記 2: 標準的な音声解説では、ナレーションが会話の合間に挿入される。 (拡張音声解説も参照。)

注記 3: 映像情報のすべてが既存の音声ですでに提供されている場合、補足の音声解説は不要である。

注記 4: "video description" や "descriptive narration" とも呼ばれる。

訳注: 日本語では「音声ガイド」とも呼ばれる。

音声しか含まない (audio-only)

音声のみを含んだ、時間に依存する提示 (映像やインタラクションを含まない)。

点滅 (blinking)

注意を引く意図で、二つの視覚的な状態を交互に切り替えること。

注記: 閃光も参照。ある程度の面積をもち、ある程度の明るさ、特定の頻度で点滅するものは、閃光に分類されることもありうる。

テキストブロック (blocks of text)

一文よりも長いテキスト。

CAPTCHA

コンピュータと人間とを判別する完全自動化されたチューリングテスト (Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart) の頭文字語。

注記 1: CAPTCHA のテストは多くの場合、利用者に対し、不明瞭な画像又は音声ファイルによって提示されたテキストを入力するよう求める。

注記 2: チューリングテストは、人間とコンピュータを区別することを目的としたテストの仕組みである。その名は、高名なコンピュータ科学者のアラン チューリングにちなんでいる。この用語は、カーネギーメロン大学の研究者たちによる造語である。[CAPTCHA]

キャプション (captions)

そのメディアのコンテンツを理解するのに必要な、会話及び会話でない音声情報に対する、同期した視覚、及び/又はテキストによる代替

注記 1: キャプションは会話のみの字幕と似ているが、会話の内容だけを伝えるのではなく、その番組の内容を理解するために必要な効果音、音楽、笑い声、話者の特定、位置などを含む、会話でない音声情報と同等の内容も伝える点が異なる。

注記 2: クローズドキャプションは、音声情報と同等の内容で、プレーヤーによっては表示/非表示を切り替えることができるものを指す。

注記 3: オープンキャプションは、非表示にできないキャプションである。例えば、キャプションが同等の視覚化された文字画像映像に埋め込まれている場合である。

注記 4: キャプションは、映像に含まれる情報を分かりにくくしたり遮ったりすべきではない。

注記 5: 国によっては、キャプションは "subtitle" と呼ばれている。

訳注: subtitleには、「字幕」の意がある。日本では、キャプションのことを一般に字幕と呼ぶことが多い。

注記 6: 音声解説にキャプションをつけることもできるが、つける必要はない。なぜなら、音声解説は既に視覚的に提示されている情報の説明だからである。

コンテキストの変化 (changes of context)

ウェブページのコンテンツにおける大きな変化で、利用者が気づかないと、ウェブページ全体を一度に見ることのできない利用者を混乱させる恐れのあるもの。

コンテキストの変化には次に挙げるものの変化が含まれる:

  1. ユーザエージェント

  2. ビューポート

  3. フォーカス

  4. ウェブページの意味を変えるコンテンツ

注記: コンテンツの変化が、必ずコンテキストの変化になるとはかぎらない。アウトラインの展開、動的なメニュー、又はタブの切替などのコンテンツの変化は、それが上記のいずれか (例: フォーカス) を変更しないかぎり、コンテキストを変化させるとは限らない。

事例: 新しいウィンドウを開くこと、フォーカスを異なるコンポーネントへ移動させること、新しいウェブページへ移動すること (新しいウェブページへ移動したかのように思わせてしまうことも含む)、又はウェブページの内容を大きく再配置することなどは、コンテキストの変化の事例である。

適合 (conformance)

与えられた規格、ガイドライン、あるいは仕様のすべての要件を満たすこと。

適合している代替版 (conforming alternate version)

以下の事項を満たす版のことを指す:

  1. 指定されたレベルで適合しており、かつ

  2. 同じ情報及び機能のすべてを同一の自然言語で提供しており、かつ

  3. 不適合コンテンツと同時に更新されていて、かつ

  4. 以下に挙げる事項のうち少なくとも一つを満たしていること:

    1. アクセシビリティ サポーテッドメカニズムを用いて、 不適合ページから適合版へ到達できる。もしくは、

    2. 不適合版に到達できるのは、適合版からのみである。

    3. 不適合版に到達できるのは、適合版に到達するメカニズムも提供している適合ページからのみである。

注記 1: この定義において、「到達できるのは……からのみ」とは、利用者が適合版から来ていない限り、不適合ページに「到達する」 (読み込む) のを防ぐ条件付きリダイレクトのような何らかのメカニズムがある、ということを意味する。

注記 2: 代替版は、元のページと一対一で対応している必要はない (例えば、適合している代替版は複数のページであってもよい)。

注記 3: 複数の言語版が利用できる場合、各言語版に対して、適合している代替版を提供する必要がある。

注記 4: 様々な技術環境、又は利用者層に対応するために、複数の代替版を提供してもよい。この場合、各版は可能なかぎり適合したものでなければならず、適合要件 1 を満たすためには、そのうちの一つの版が完全に適合したものでなければならない。

注記 5: 不適合版と同じように自由に利用可能であるかぎり、適合している代替版は、適合宣言の範囲に含まれている必要はなく、同一のウェブサイト上で提供されている必要もない。

注記 6: 代替版は、元のページを補助して理解を高める補足コンテンツと混同されないようにすべきである。

注記 7: コンテンツ内で利用者が設定を行うことで適合版が作り出される仕組みは、その利用者の設定に用いられている手法がアクセシビリティ サポーテッドであるかぎり、代替版への到達メカニズムとして条件を満たしているといえる。

Understanding Conforming Alternate Versions を参照。

コンテンツ (ウェブコンテンツ) (content (Web content))

ユーザエージェントによって利用者に伝達される情報及び感覚的な体験。コンテンツの 構造提示、及びインタラクションを定義するコードやマークアップを含む。

コンテキストに応じたヘルプ (context-sensitive help)

そのとき実行されている機能に関する情報を提供するヘルプのテキスト。

注記: 明解なラベルは、コンテキストに応じたヘルプとして機能しうる。

コントラスト比 (contrast ratio)

(L1 + 0.05) / (L2 + 0.05) ここでは、

  • L1 は、明るいほうの色の 相対輝度である。そして、

  • L2 は、暗いほうの色の 相対輝度である。

注記 1: コントラスト比は、1~21 の範囲になりうる (通常は、1:1~21:1 と記述される)。

注記 2: コンテンツ制作者は、テキストのレンダリング (例: フォントのスムージングやアンチエイリアス) に関する利用者の設定を制御できないため、アンチエイリアスをオフにした状態でテキストのコントラスト比を評価してもよい。

注記 3: 達成基準 1.4.3 及び 1.4.6 の目的上、コントラストは通常の使用においてテキストがレンダリングされるときに指定されている背景色に対して測定する。もし背景色の指定がない場合は、背景色には白を想定する。

注記 4: 背景色は、テキストが通常の使用においてレンダリングされるときに背景となるコンテンツの色として指定された色である。テキストの色は指定されているが背景色が指定されていない場合、利用者のデフォルトの背景色は未知であり、コントラストが十分かどうかを評価することができないため、問題がある。同じ理由で、背景色が指定されているがテキストの色が指定されていない場合も問題がある。

注記 5: 文字の周囲に縁取りがある場合、その縁取りがコントラストを強めることもあり、文字とその背景色におけるコントラストの計算に用いられる。文字の周囲の細い縁取りは文字として扱われる。文字の周囲の太い縁取りが、光彩のようになって、文字の内側の細部を塗りつぶしていれば、背景色として考慮されることになる。

注記 6: WCAG に適合しているか判断する場合は、典型的な提示において隣接するであろうと制作者が想定するコンテンツで指定された色の組み合わせについて評価しなければならない。制作者は、ユーザエージェントによる色の変更などのように通常とは異なる提示を考慮する必要はない。ただし、それが制作者のコードによって起こる場合は除く。

正しく読む順序 (correct reading sequence)

コンテンツの意味を変更せずに、単語や段落が提示される順序。

緊急 (emergency)

健康、安全や財産を守るために直ちに行動をとる必要のある、突然で予期されなかった状況あるいは出来事。

必要不可欠 (essential)

もし取り除いてしまうと、コンテンツの情報あるいは機能を根本的に変えてしまい、かつ、適合する他の方法では情報及び機能を実現できない。

拡張音声解説 (extended audio description)

映像を一時停止することで追加の説明を付加するための時間を確保し、視聴覚提示に付加した音声解説。

注記: この達成方法は、追加の音声解説がないと映像の意味が損なわれてしまい、かつ会話やナレーションの合間が短すぎる場合だけに用いられる。

閃光 (flash)

相対輝度の交互の変化で、ある程度の面積と特定の頻度によって、一部の人の発作を誘発する恐れがあるもの。

注記 1: 許容されない閃光の種類に関する情報は、一般閃光閾値及び赤色閃光閾値を参照。

注記 2: 点滅も参照。

機能 (functionality)

利用者の操作により実現可能なプロセス及び結果。

一般閃光閾値及び赤色閃光閾値 (general flash and red flash thresholds)

次のいずれかに該当していれば、連続した閃光、又は急速に変化する画像の連続は、閾値を下回っている (すなわち、コンテンツは基準を満たしている) ことになる:

  1. あらゆる1秒間において、 一般閃光及び/又は赤色閃光 は3回以下である。もしくは、

  2. 一般的な閲覧距離で、同時に生じている閃光が占める領域の合計が、画面上のどの視野 10 度においても、合計 0.006 ステラジアン (画面上の視野 10 度の 25%) よりも多くを占めていない。

ここで:

  • 一般閃光とは、暗いほうの相対輝度が 0.80 未満であるときの、最大相対輝度の 10% 以上の相対輝度の交互の変化のことである。ここでいう「交互の変化」とは、増加した後に減少する、又は減少した後に増加するものを指す。そして、

  • 赤色閃光とは、彩度の高い赤色を含んだ交互の遷移のことである。

例外: ホワイトノイズ又は1辺が (典型的な閲覧距離における視野の) 0.1 度未満の市松模様のように、細かくて整っている模様の閃光は、閾値を超えることにはならない。

注記 1: 一般的なソフトウェアやウェブコンテンツでは、コンテンツを 1024 × 768 ピクセルの解像度で閲覧している際の画面上での 341 × 256 ピクセルの矩形が、標準的な画面サイズ及び画面からの距離 (例: 22~26インチの距離で、15~17インチの画面) における視野角 10 度に該当する (同じコンテンツでも高解像度のディスプレイでは小さく安全になるので、閾値を定めるには低解像度が用いられている)。

注記 2: 遷移とは、相対輝度 (赤色閃光の相対輝度/色) の計測値を時間軸でプロットしたときの隣接する山と谷の間における相対輝度 (赤色閃光の相対輝度/色) の変化である。閃光は、ひと組の逆方向の遷移から成る。

注記 3: 彩度の高い赤色を含む相反する遷移の組合せ」の現時点での定義は、各遷移に含まれる状態の一方又は双方とも、R / (R+G+B) >= 0.8 で、(R-G-B) × 320 の値の変化が双方の遷移において 20 より大きい (ただし、(R-G-B) × 320 が負の値になるときはゼロとする)。R、G、B の値は、相対輝度 の定義で定められているように 0~1 の範囲である。[HARDING-BINNIE]

注記 4: ビデオの画面キャプチャから分析を行うツールを利用できる。しかし、閃光があらゆる1秒間の間隔において3回以下であれば、ツールでこの条件を満たしているかどうかを確認する必要はない。コンテンツは自動的に条件を満たしたことになるからである (上記 1. 及び 2. を参照)。

自然言語 (human language)

人間とコミュニケーションをとるための言語で、話される、書かれる、又は (視覚的あるいは触覚的な手段で) 手話にされるもの。

注記: 手話も参照。

慣用句 (idiom)

個々の単語の意味からはその意味を推測できず、特定の単語を変えると意味が通じなくなる言い回し。

注記: 慣用句は、単語単位で直接翻訳すると、その (文化的あるいは言語特有の) 意味が通じなくなる。

事例 1: 英語では、"spilling the beans" (豆をこぼす) は「秘密を漏らす」という意味である。しかし、"knocking over the beans" (豆をひっくり返す) や"spilling the vegetables" (野菜をこぼす) は同じ意味にはならない。

事例 2: 日本語では、「さじを投げる」という言い回しは、逐語訳では "he throws a spoon"となるが、「どうすることもできずに諦める」という意味である。

事例 3: オランダ語では、"Hij ging met de kippen op stok"は、逐語訳すれば「彼はニワトリとねぐらについた」となるが、「彼は早く寝た」という意味である。

文字画像 (image of text)

特定の視覚的効果を得るために非テキスト形式 (例えば画像) でレンダリングされたテキスト。

注記: テキスト以外の部分が重要な視覚的コンテンツである場合、画像に含まれるテキストは該当しない。

事例: 写真に写っている人の名札にある人名。

参考情報 (informative)

情報提供を目的としており、適合するために必須ではないもの。

注記: 適合に必須の内容は、「規定」と呼ばれる。

入力エラー (input error)

利用者が入力した情報で、受け付けられないもの。

注記: 以下のものが含まれる:

  1. そのウェブページでは必須であるが、利用者が入力しなかった情報

  2. 利用者が入力したが、要求されたデータ形式あるいは値ではない情報

専門用語 (jargon)

特定の分野の人々が特定の用法で用いる単語。

事例: 固定キーという用語は、支援技術やアクセシビリティの分野における専門用語である。

キーボードインタフェース (keyboard interface)

キーストローク入力を取得するためにソフトウェアが用いるインタフェース。

注記 1: 標準ではキーボードが存在しない技術であっても、キーボードインタフェースによって、利用者がキーストローク入力をプログラムに提供できる。

事例: タッチスクリーンを搭載している PDA には、外部キーボードへのコネクタとあわせて、そのオペレーティングシステムに組み込まれたキーボードインタフェースがある。PDA 上のアプリケーションはそのインタフェースを用いて、外部キーボード、あるいは手書き解釈プログラムや「キーボードエミュレーション」機能付きの音声テキスト変換アプリケーションのような擬似キーボード出力を提供する他のアプリケーションのいずれかからキーボード入力を取得することができる。

注記 2: マウスキーのようなキーボード操作によるマウスエミュレータによるアプリケーション (又は、そのアプリケーションの一部) の操作は、キーボードインタフェースからの操作とは見なさない。なぜならば、この場合、プログラムの操作は、キーボードインタフェースからではなく、そのポインティングデバイス インタフェースからの入力によって行われるからである。

ラベル (label)

テキスト、又はテキストによる代替を伴うコンポーネントで、ウェブコンテンツ内のコンポーネントを識別するために利用者に提示されているもの。

注記 1: 名前 (name) は隠されていて支援技術に対してだけ明らかにされる場合がある一方で、ラベルはすべての利用者に提示される。多くの場合 (すべてではないが)、名前 (name) とラベルは同じである。

注記 2: ラベルという用語は、HTML における label 要素だけに限定されない。

サイズの大きな (テキスト) (large scale (text))

少なくとも 18 ポイント、又は 14 ポイントの太字。あるいは、中国語、日本語、及び韓国語 (CJK) のフォントは、それと同等の文字サイズ。

注記 1: 特別に細い線のフォント、又は文字の形が分かりにくくなるような独特の見た目や特徴のあるフォントは、コントラストが低い場合に特に読みづらい。

注記 2: ここでいう文字サイズは、コンテンツが提供される際のサイズであり、利用者によるサイズ変更は含まれない。

注記 3: 利用者が目にする文字の実際のサイズは、コンテンツ制作者が指定したサイズと利用者のディスプレイあるいはユーザエージェントの設定の両方に依存している。多くの主流となっている本文テキストで用いられるフォントにおいて、14 ポイントと 18 ポイントは、1.2em と 1.5em、又は、 (本文フォントが 100%であると仮定して) デフォルトサイズの 120% と 150% に、おおよそ同等である。しかし、制作者は、使用する特定のフォントについて、このことをチェックしておく必要がある。フォントが相対単位で定義されている時、実際に表示される文字サイズのポイント数は、ユーザエージェントによって計算される。この達成基準について評価する時には、文字サイズのポイント数は、ユーザエージェントから取得されるべきであり、又はユーザエージェントが行うフォントの計算基準に基づいて計算するべきである。ロービジョンの利用者については、自分で適切な設定を選択することを想定している。

注記 4: フォントサイズを指定せずにテキストを用いる際は、サイズを指定していないテキストに対して主要ブラウザで用いられる最小のフォントサイズをそのテキストのサイズとみなすのが妥当であろう。もし、レベル 1 の見出しが、主要なブラウザで 14 ポイントの太字あるいはそれ以上のサイズでレンダリングされるならば、それは「サイズの大きな」テキストであると考えてよい。相対的な拡大縮小は、同様の方法でそのデフォルトのサイズから算出することが可能である。

注記 5: 半角の英数字のテキストにおける 18 ポイント及び 14 ポイントのサイズは、拡大印刷の最小サイズ (14 ポイント) と標準的な大きい文字サイズ (18 ポイント) に基づいている。例えば、CJK 言語のようなその他の文字については、「同等な」サイズはその言語での拡大印刷の最小サイズと拡大印刷でその次に大きな標準のサイズとなる。

訳注: 日本語の全角文字の場合は、拡大教科書普及推進会議 第一次報告「第 2 章 拡大教科書の標準的な規格について」に基づき、22 ポイント又は 18 ポイントの太字を「同等な」サイズとみなすのが妥当である。

法律行為 (legal commitments)

法的に拘束力のある義務あるいは利益が発生する取引。

事例: 結婚許可証、株取引 (金銭上及び法的)、遺言、ローン、採用、軍隊への入隊登録、あらゆる契約、など

リンクの目的 (link purpose)

ハイパーリンクを動作させたときに得られる結果の本質。

ライブ (live)

現実の出来事から取り込まれ、放送遅延以上の遅延なく受け手に送信される情報。

注記 1: 放送遅延は、短時間の (通常は自動的な) 遅れで、例えば放送局に放送のタイミングの調整や音声 (又は映像) の検閲のための時間を与えるものだが、意味のある編集ができるほどのものではない。

注記 2: もし情報が完全にコンピュータで生成されたものならば、それはライブではない。

前期中等教育レベル (lower secondary education level)

6年間の学校教育卒業の後に始まり、初等教育の開始から9年後に終わる、2年、又は3年の教育期間。

注記: この定義は、"International Standard Classification of Education" [UNESCO]に基づいている。

メカニズム (mechanism)

結果を得るためのプロセス又は手法。

注記 1: メカニズムは、コンテンツ内で明示的に提供されることもあれば、プラットフォーム又は支援技術を含むユーザエージェントで提供されるものに 依存することもある。

注記 2: メカニズムは、宣言する適合レベルのすべての達成基準を満たす必要がある。

メディアによるテキストの代替 (media alternative for text)

テキストで (直接又はテキストによる代替によって) 既に提示されている情報以上のものを提示していないメディア。

注記: メディアによるテキストの代替は、テキストを代替する提示の恩恵を受ける人たちのために提供される。テキストの代替メディアになりうるのは、音声しか含まないメディア、映像しか含まない (手話の映像を含む) メディア、又は音声付映像メディアである。

名前 (name)

ソフトウェアが、ウェブコンテンツのコンポーネントを利用者に識別させることができるテキスト。

注記 1: ラベルはすべての利用者に提示される一方で、名前 (name) は隠されていて、支援技術に対してだけ明らかにされる場合もある。多くの場合 (すべてではないが)、ラベルと名前 (name) は同じである。

注記 2: これは、HTML の name 属性とは関係がない。

順を追ってナビゲート (navigated sequentially)

キーボードインタフェースを用いて (一つの要素から次へ) フォーカスを移動するために、定義された順序でナビゲートすること。

非テキストコンテンツ (non-text content)

プログラムによる解釈が可能な文字の並びではないコンテンツ、又は文字の並びが自然言語においても何をも表現していないコンテンツ。

注記: これには、 (文字による図画である) ASCII アート、顔文字、 (文字を置き換える) リートスピーク、文字を表現している画像が含まれる。

規定 (normative)

適合に必須なもの。

注記 1: この文書には、様々な明確な方法で適合することができる。

注記 2: 参考情報」又は「規定ではない」とされている内容は、適合のために必須ではない内容である。

全画面表示のウィンドウで (on a full-screen window)

最も普及したサイズのデスクトップやラップトップのディスプレイで、ビューポートを最大化した状態。

注記: 利用者は一般的にコンピュータを数年間使い続けるので、評価の際は、最新のデスクトップやラップトップの画面解像度を基準にするのではなく、数年間にわたって普及したデスクトップやラップトップの画面解像度を考慮するのが望ましい。

一時停止 (paused)

利用者の要求により停止し、利用者の要求があるまで再開しない。

収録済 (prerecorded)

ライブではない情報。

提示 (presentation)

利用者が知覚できる形式でコンテンツをレンダリングすること。

初等教育レベル (primary education level)

5~7歳の間に始まる6年間の教育で、その前には教育を受けた期間がない場合もある。

注記: この定義は、"International Standard Classification of Education" [UNESCO]に基づいている。

プロセス (process)

ある活動を完了させるために必要な利用者の一連の動作。

事例 1: ショッピングサイト上の一連のウェブページで目的を果たすためには、利用者が選択肢となりうる製品、価格及び内容を閲覧した後、製品を選択して注文し、配送先情報及び支払情報を入力する必要がある。

事例 2: アカウント登録ページでは、登録フォームにアクセスする前にチューリングテストに成功する必要がある。

プログラムによる解釈 (プログラムによる解釈が可能) (programmatically determined (programmatically determinable))

支援技術を含む様々なユーザエージェントが抽出でき、利用者に様々な感覚モダリティで提示できるような形のデータがコンテンツ制作者によって提供されたとき、そのデータがソフトウェアによって解釈されること。

事例 1: マークアップ言語で、一般に入手可能な支援技術が直接アクセスできる要素と属性から解釈される。

事例 2: 非マークアップ言語の技術特有のデータ構造から解釈され、一般に入手可能な支援技術がサポートするアクセシビリティ API を通じて支援技術に提供される。

プログラムによる解釈が可能なリンクのコンテキスト (programmatically determined link context)

リンクとの関係性からプログラムによる解釈が可能であり、リンクテキストと結びつけることができ、様々な感覚モダリティで利用者に提示することができる付加的情報。

事例: HTMLでは、英語で記述されたリンクからプログラムによる解釈が可能な情報には、そのリンクと同じ段落、リスト、又はテーブルのセルにあるテキスト、あるいはリンクのあるテーブルのセルと関連付けられたテーブルの見出しセルにあるテキストなどがある。

注記: スクリーンリーダーは句読点を解釈するので、フォーカスが文中のリンクにある場合は、その文からコンテキストを提供することも可能である。

プログラムによる設定 (programmatically set)

支援技術を含むユーザエージェントがサポートしている手法を用いて、ソフトウェアによって設定されること。

純粋な装飾 (pure decoration)

見栄えのためだけのもので、情報は提供せず、機能性も備えていないもの。

注記: テキストが純粋な装飾といえるのは、単語を並べ替え、又は置き換えても意図が変わらないときだけである。

事例: 背景にとても淡い文字で単語がランダムに並んでいる辞書の表紙。

リアルタイムのイベント (real-time event)

a) 閲覧と同時に発生し、b) コンテンツによる生成だけでは完結しないイベント。

事例 1: ライブパフォーマンスのウェブ放送 (閲覧と同時に発生していて、収録済ではない)。

事例 2: 人々が入札するオンラインのオークション (閲覧と同時に発生している)。

事例 3: アバターを用いたバーチャルな世界での、生身の人間のやりとり (コンテンツによる生成だけで完結するものではなく、閲覧と同時に発生する)。

関係性 (relationships)

コンテンツの異なる部分間における意味のあるつながり。

相対輝度 (relative luminance)

最も暗い黒を 0 に、最も明るい白を 1 に正規化した色空間内の任意の点の相対的な明るさ。

注記 1: sRGB色空間においては、色の相対輝度は、L = 0.2126 * R + 0.7152 * G + 0.0722 * B と定義されており、RG 及び B は以下のように定義される:

  • RsRGB <= 0.03928 の場合R = RsRGB/12.92 、そうでない場合 R = ((RsRGB+0.055)/1.055) ^ 2.4

  • GsRGB <= 0.03928 の場合G = GsRGB/12.92 、そうでない場合 G = ((GsRGB+0.055)/1.055) ^ 2.4

  • BsRGB <= 0.03928 の場合B = BsRGB/12.92 、そうでない場合 B = ((BsRGB+0.055)/1.055) ^ 2.4

そして、RsRGB、GsRGB、及び BsRGB は、次のように定義される:

  • RsRGB = R8bit/255

  • GsRGB = G8bit/255

  • BsRGB = B8bit/255

^ という記号は、指数演算子である (計算式は、[sRGB] 及び [IEC-4WD]を参考にしている)。

注記 2: ウェブコンテンツを閲覧するのに今日用いられているほとんどすべてのシステムは、sRGB符号化を前提としている。コンテンツを処理して表示するのに他の色空間が用いられているのでなければ、コンテンツ制作者は sRGB 色空間を用いて計算するべきである。もしその他の色空間を用いるのであれば、Understanding Success Criterion 1.4.3を参照。

注記 3: 表示時にディザリングが発生する場合は、元の色の値が用いられる。元々ディザリングがかけられている色については、用いられている色の平均値を用いるべきである (R の平均値、G の平均値、及び B の平均値)。

注記 4: コントラストと閃光を検証する際に、この計算を自動で行うツールが利用できる。

注記 5: MathML version of the relative luminance definitionも参照できる。

依存されている (技術) (relied upon (technologies that are))

その技術が無効になっている場合、又はサポートされていない場合に、コンテンツが適合できないこと。

役割 (role)

ウェブコンテンツに含まれるコンポーネントの機能を、ソフトウェアが識別するために用いることができるテキストや数字。

事例: 画像の機能が、ハイパーリンク、コマンドボタン、又はチェックボックスのどれなのかを示している数字。

同じ機能 (same functionality)

使うと同じ結果が得られること。

事例: あるウェブページ上にある "search" ボタンと他のウェブページ上にある "find" ボタンは、どちらもキーワードを入力するテキストフィールドがあり、そのウェブサイトにある入力されたキーワードに関係のあるコンテンツをリスト表示する。この場合、同じ機能を有しながらも、ラベルは一貫していないことになる。

相対的に同じ順序 (same relative order)

他の項目との相対位置が同じ。

注記: 当初の順序に対して、別の項目が挿入、又は削除されていたとしても、項目は相対的に同じ順序になっていると考えられる。例えば、展開するナビゲーションメニューに詳細な追加階層が挿入される、又は、読みの順序の途中に副次的なナビゲーション部分が挿入されることがある。

達成基準を満たす (satisfies a success criterion)

ページに適用した際、その達成基準が 'false' と判定されないこと。

セクション (section)

一つ以上の関連する話題、又は考えについて書かれたコンテンツの自己完結している部分。

注記: セクションは一つ以上の段落から成ることがあり、画像、表、リスト、及びサブセクションを含むこともある。

ウェブページ一式 (set of Web pages)

共通の目的を共有し、同じコンテンツ制作者、グループ、又は組織により制作されたウェブページの集合。

注記: 他言語版は、異なるウェブページ一式と見なされることもある。

手話 (sign language)

意味を伝えるために、手と腕の動き、顔の表情又は身振りなどの組み合わせを用いる言語。

手話通訳 (sign language interpretation)

ある言語、通常は発話された言葉を、手話に訳すこと。

注記: 手話は、本来、同じ国や地域で話されている言葉とは関係がない独立したものである。

特定の感覚的な体験 (specific sensory experience)

純粋な装飾ではなく、かつ重要な情報の伝達、又は機能の提供を主目的としない感覚的な体験。

事例: フルートのソロ演奏、視覚芸術の作品などが例として挙げられる。

構造 (structure)
  1. ウェブページ の各部を相互の関係性によりまとめる方法論。及び、

  2. 一連のウェブページをまとめる方法論。

補足コンテンツ (supplemental content)

元のコンテンツを説明、又はより明確にするために付加されたコンテンツ

事例 1: ウェブページの音声版。

事例 2: 複雑なプロセスを示したイラスト。

事例 3: 調査研究でなされた主要な成果及び提言を要約する段落。

同期したメディア (synchronized media)

情報を提示するために、他のフォーマットと同期した音声もしくは映像、又は時間に依存するインタラクティブな構成要素と同期した音声又は映像。ただし、そのメディアが メディアによるテキストの代替であって、メディアによる代替であることが明確にラベル付けされているものは除く。

(ウェブコンテンツ) 技術 (technology (Web content))

ユーザエージェントがどのようにレンダリング、再生、又は実行するかを符号化するメカニズム

注記 1: このガイドラインで用いられている「ウェブ技術」及び (単独で用いられている) 「技術」という用語は、どちらもウェブコンテンツ技術を指す。

注記 2: ウェブコンテンツ技術には、マークアップ言語、データ形式、及びプログラム言語などがあり、これらをコンテンツ制作者が単独で、又は組み合わせて用いることによって、静的なウェブページや同期したメディアによる提示、さらには動的なウェブアプリケーションに至るまでの様々なエンドユーザ体験を作ることができる。

事例: ウェブコンテンツ技術のよくある事例としては、HTMLCSSSVGPNGPDF、Flash、 JavaScript などがある。

テキスト (text)

プログラムによる解釈が可能な文字の並びで、自然言語で何かを表現しているもの。

テキストによる代替 (text alternative)

非テキストコンテンツとプログラムで関連付けられるテキスト、又は非テキストコンテンツとプログラムで関連付けられるテキストから参照されるテキスト。プログラムで関連付けられたテキストとは、その場所を、非テキストコンテンツからプログラムによる解釈が可能なテキストである。

事例: チャートの画像があり、その直後の段落にテキストによる説明がある。チャートに対する短いテキストによる代替で後に説明があることを示している。

注記: より詳細な情報は、Understanding Text Alternatives を参照。

一般的ではない、又は限定された用法で使われている (used in an unusual or restricted way)

そのコンテンツを正しく理解するために、どの定義で使われているのかを利用者が正確に知る必要があるような使われ方をしている言葉。

事例: "gig" という用語は、音楽コンサートの話の中で使われている場合、コンピュータのハードディスクドライブの容量に関する記事とは違うことを意味するが、適切な定義は文脈から判断できる。それに対して、「テキスト」という言葉は、WCAG 2.0では非常に特定された意味で使われており、その定義が用語集で提供されている。

ユーザエージェント (user agent)

ウェブコンテンツを取得して利用者に提示するあらゆるソフトウェア。

事例: ウェブブラウザ、メディアプレーヤ、プラグイン、及びその他のプログラム。その他のプログラムには、ウェブコンテンツの取得、レンダリング、やり取りを支援する支援技術を含む。

利用者が制御可能 (user-controllable)

利用者によってアクセスされることを意図したデータ。

注記: これは、インターネットのログや検索エンジンの監視データのようなものは指していない。

事例: ユーザアカウントのための氏名と住所のフィールド。

ユーザインタフェース コンポーネント (user interface component)

コンテンツの一部分で、特定の機能を実現するための単一のコントロールとして利用者が知覚するもの。

注記 1: 複数のユーザインタフェース コンポーネントが、単一のプログラム要素で実装されることもある。ここでいうコンポーネントは、プログラムの手法と結びついたものではなく、利用者が別々のコントロールとして知覚するものを指す。

注記 2: ユーザインタフェース コンポーネントには、フォーム要素、リンクだけでなく、スクリプトで生成されるコンポーネントが含まれる。

事例: アプレットには、コンテンツ内を行単位、ページ単位、又はランダムアクセスで移動するために用いられる「コントロール」がある。これらには、いずれも名前 (name) を割り当て、個別に設定できるようにする必要があるため、それぞれが「ユーザインタフェース コンポーネント」となる。

映像 (video)

写真や画像を動かしたり、連続して表示したりする技術。

注記: 映像はアニメーション、実写、もしくはその両方で構成され得る。

映像しか含まない (video-only)

映像のみを含んだ、時間に依存する提示 (音声やインタラクションを含まない)。

ビューポート (viewport)

ユーザエージェントがコンテンツを提示するオブジェクト。

注記 1: ユーザエージェント は、 一つ以上のビューポートでコンテンツを提示する。ビューポートには、ウィンドウ、フレーム、スピーカー、拡大鏡ソフトなどがある。ビューポートは、他のビューポートを含んでいることがある (例えば、入れ子のフレーム)。プロンプト、メニュー、アラートのように、ユーザエージェントが作成するインタフェース コンポーネントは、ビューポートではない。

注記 2: この定義は、User Agent Accessibility Guidelines 1.0: 4. Glossaryをもとにしている。

視覚的なカスタマイズ (visually customized)

フォント、サイズ、色、及び背景を設定できること。

ウェブページ (Web page)

単一の URI から HTTP で得た埋め込まれていないリソースに加え、 レンダリングに使われる、又はユーザエージェントがこのリソースと一緒にレンダリングすることを意図しているその他のあらゆるリソースを合わせたもの。

注記 1: どのような「その他のリソース」も主たるリソースと一緒にレンダリングされるであろうが、これらのリソースが同時にレンダリングされるとは限らない。

注記 2: このガイドラインの適合範囲に含まれる対象となるウェブページとみなされるためには、リソースが「埋め込まれていない」リソースでなければならない。

事例 1: すべての埋め込まれている画像とメディアを含んだウェブリソース。

事例 2: Asynchronous JavaScript and XML (AJAX) を用いたウェブメールのプログラム。そのプログラム全体は http://example.com/mail に存在しているが、受信箱、アドレス帳、カレンダーがある。リンクまたはボタンがあり、それを押すと受信箱、アドレス帳やカレンダーを表示するが、ページの URI は全体を通して変わらない。

事例 3: カスタマイズ可能なポータルサイトで、利用者が様々なコンテンツモジュールのセットから表示させるコンテンツを選択できるようなもの。

事例 4: ブラウザで "http://shopping.example.com/" へ行くと、映画のようなインタラクティブなショッピング環境になる。そこでは、視覚的に店内を移動して、店内の棚から商品をドラッグして、目の前にある視覚的な買物カゴに商品を入れる。商品をクリックすると、同時に仕様書が浮き上がるように表示される。これは 1 ページだけのウェブサイトかもしれないし、 ウェブサイトの中のほんの 1 ページなのかもしれない。

附録 B: 謝辞

この節は、参考情報である。

この文書の発行にあたっては、契約番号 ED05CO0039 の下、米国教育省、米国障害者リハビリテーション研究所 (NIDRR) からのフェデラルファンドによる部分的な資金援助を受けている。この文書の内容は、必ずしも米国教育省の見解又は政策を反映したものではない。又、この文書中での商標、商品、あるいは組織の言及は、米国政府による公認を意味するものでもない。

Web Contents Accessibility Guidelines Working Group (WCAG WG) への参加に関する詳細な情報は、ワーキンググループのホームページを参照。

発行時点でアクティブだった WCAG WG 参加者

  • Bruce Bailey (U.S. Access Board)

  • Frederick Boland (NIST)

  • Ben Caldwell (Trace R&D Center, University of Wisconsin)

  • Sofia Celic (W3C Invited Expert)

  • Michael Cooper (W3C)

  • Roberto Ellero (International Webmasters Association / HTML Writers Guild)

  • Bengt Farre (Rigab)

  • Loretta Guarino Reid (Google)

  • Katie Haritos-Shea

  • Andrew Kirkpatrick (Adobe)

  • Drew LaHart (IBM)

  • Alex Li (SAP AG)

  • David MacDonald (E-Ramp Inc.)

  • Roberto Scano (International Webmasters Association / HTML Writers Guild)

  • Cynthia Shelly (Microsoft)

  • Andi Snow-Weaver (IBM)

  • Christophe Strobbe (DocArch, K.U.Leuven)

  • Gregg Vanderheiden (Trace R&D Center, University of Wisconsin)

過去にアクティブであった WCAG WG 参加者及びその他の WCAG 2.0 への貢献者

Shadi Abou-Zahra, Jim Allan, Jenae Andershonis, Avi Arditti, Aries Arditi, Mike Barta, Sandy Bartell, Kynn Bartlett, Marco Bertoni, Harvey Bingham, Chris Blouch, Paul Bohman, Patrice Bourlon, Judy Brewer, Andy Brown, Dick Brown, Doyle Burnett, Raven Calais, Tomas Caspers, Roberto Castaldo, Sambhavi Chandrashekar, Mike Cherim, Jonathan Chetwynd, Wendy Chisholm, Alan Chuter, David M Clark, Joe Clark, James Coltham, James Craig, Tom Croucher, Nir Dagan, Daniel Dardailler, Geoff Deering, Pete DeVasto, Don Evans, Neal Ewers, Steve Faulkner, Lainey Feingold, Alan J. Flavell, Nikolaos Floratos, Kentarou Fukuda, Miguel Garcia, P.J. Gardner, Greg Gay, Becky Gibson, Al Gilman, Kerstin Goldsmith, Michael Grade, Jon Gunderson, Emmanuelle Gutiérrez y Restrepo, Brian Hardy, Eric Hansen, Sean Hayes, Shawn Henry, Hans Hillen, Donovan Hipke, Bjoern Hoehrmann, Chris Hofstader, Yvette Hoitink, Carlos Iglesias, Ian Jacobs, Phill Jenkins, Jyotsna Kaki, Leonard R. Kasday, Kazuhito Kidachi, Ken Kipness, Marja-Riitta Koivunen, Preety Kumar, Gez Lemon, Chuck Letourneau, Scott Luebking, Tim Lacy, Jim Ley, William Loughborough, Greg Lowney, Luca Mascaro, Liam McGee, Jens Meiert, Niqui Merret, Alessandro Miele, Mathew J Mirabella, Charles McCathieNevile , Matt May, Marti McCuller, Sorcha Moore, Charles F. Munat, Robert Neff, Bruno von Niman, Tim Noonan, Sebastiano Nutarelli, Graham Oliver, Sean B. Palmer, Sailesh Panchang, Nigel Peck, Anne Pemberton, David Poehlman, Adam Victor Reed, Bob Regan, Chris Ridpath, Lee Roberts, Gregory J. Rosmaita, Matthew Ross, Sharron Rush, Gian Sampson-Wild, Joel Sanda, Gordon Schantz, Lisa Seeman, John Slatin, Becky Smith, Jared Smith, Neil Soiffer, Jeanne Spellman, Mike Squillace, Michael Stenitzer, Jim Thatcher, Terry Thompson, Justin Thorp, Makoto Ueki, Eric Velleman, Dena Wainwright, Paul Walsch, Takayuki Watanabe, Jason White.

附録 C: 参考文献

この節は、参考情報である。

CAPTCHA
The CAPTCHA Project, Carnegie Mellon University. このプロジェクトは、http://www.captcha.netで公開されている。
HARDING-BINNIE
Harding G. F. A. and Binnie, C.D., Independent Analysis of the ITC Photosensitive Epilepsy Calibration Test Tape. 2002.
IEC-4WD
IEC/4WD 61966-2-1: Colour Measurement and Management in Multimedia Systems and Equipment - Part 2.1: Default Colour Space - sRGB. May 5, 1998.
sRGB
"A Standard Default Color Space for the Internet - sRGB," M. Stokes, M. Anderson, S. Chandrasekar, R. Motta, eds., Version 1.10, November 5, 1996. この文献は、http://www.w3.org/Graphics/Color/sRGB.htmlから入手できる。
UNESCO
International Standard Classification of Education, 1997. この規格は、http://www.unesco.org/education/information/nfsunesco/doc/isced_1997.htmから入手できる。
WCAG10
Web Content Accessibility Guidelines 1.0, G. Vanderheiden, W. Chisholm, I. Jacobs, Editors, W3C Recommendation, 5 May 1999, http://www.w3.org/TR/1999/WAI-WEBCONTENT-19990505/. WCAG 1.0の最新版は、http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT/から入手できる。