【注意】この文書にはより新しいバージョンが存在します: WCAG 2.1 達成方法集
この達成方法 (参考) の使用法と、この達成方法が WCAG 2.0 達成基準 (規定) とどのように関係するのかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) のセクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法の存在は、その技術があらゆる状況で WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成するために使用できることを意味するものではない。
全てのウェブコンテンツ技術
これは、次の達成基準に関連する達成方法である:
この達成方法の目的は、聴覚に問題を持つ利用者が主音声を理解しづらくならないように、コンテンツ制作者が音声に背景音を入れられるようにすることである。前景にある主音声を背景音より 20 デジベル大きくすることで、その主音声は背景音よりも 4 倍大きいことになる。デシベル (dB) に関する情報は、About Decibels を参照のこと。
アナウンサーが暴動の様子を伝えている。暴動場面の音量をアナウンサーの音量よりも 20 デシベル小さく調整してから、その場面とアナウンサーとを編集で重ねている。
この事例では、ナレーターの音声と背景音楽があり、主音声は背景音楽よりもちょうど 20 デシベル大きい。主音声 (前景) は -17.52 デシベル (二乗平均平方根)、音楽 (背景) は -37.52 デシベルで録音しているため、前景は背景よりも 20 デシベル大きいことになる。
音声サンプル: 前景音声が背景音楽よりも 20 デシベル大きい (mp3 形式)
音声サンプル (十分なコントラスト) のトランスクリプト:
"Usually the foreground refers to a voice that is speaking and should be understood. My speaking voice right now is 20 decibels above the background which is the music. This is an example of how it should be done.."
訳注: 音声が英語なので、和訳していない。
音声サンプルを、音声エディタ上のファイルのスナップショットという形で、以下に視覚的に示してある。前景音声と背景音楽を含んだセクションは強調表示にしてある。背景音楽のみのセクションに比べて、波形がはるかに大きい。
この事例では、ナレーターの音声と背景音楽があり、主音声は背景音楽よりも 20 デシベル以上は大きくない。主音声 (前景) は -18 デシベル、音楽 (背景) は -16 デシベルで録音しているため、前景は背景よりも 2 デシベルしか大きくない。
音声サンプル: 前景音声と背景音楽の差が 20 デシベル未満である (mp3 形式)
音声サンプル (不十分なコントラスト) のトランスクリプト:
"This is an example of a voice that is not loud enough against the background. The voice which is the foreground is only about 2 decibels above the background. Therefore is difficult to understand for a person who is hard of hearing. It is hard to discern one word from the next. This is an example of what not to do."
訳注: 音声が英語なので、和訳していない。
強調表示にしたセクションは、前景音声と背景音楽を含んだ部分である。背景音楽しかないセクションと波形がほぼ同じ大きさであり、前景音声に比べて背景音楽が大きすぎるということである。
この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。
About Decibels by Gregg Vanderheiden
前景音声が流れている間で、背景コンテンツの大きな値の位置を見つける。
dB(A) SPL で音量を計測する。
dB(A) SPL で前景音声の音量を計測する。
値を引き算する。
差が 20 デシベル以上であることを確認する。
5. の結果が真である。
この達成方法が「十分な達成方法」の一つである場合、この手順や期待される結果を満たしていなければ、それはこの達成方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の達成方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。