【注意】この文書にはより新しいバージョンが存在します: WCAG 2.1 達成方法集
この達成方法 (参考) の使用法と、この達成方法が WCAG 2.0 達成基準 (規定) とどのように関係するのかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) のセクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法の存在は、その技術があらゆる状況で WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成するために使用できることを意味するものではない。
Adobe Flash Professional バージョン MX 以降
Adobe Flex
訳注: Flash Player は、2020 年末に提供を終了する計画が Adobe 社より発表されている (Adobe Blog、窓の杜)。
WAIC での Flash に関する翻訳のメンテナンスも積極的に行う予定がないことに留意されたい。
これは、次の達成基準に関連する達成方法である:
FLASH31 に関するユーザエージェントサポートノートを参照のこと。Flash テクノロジーノートも参照。
この実装方法の目的は、見た目で表題が提供されている場合に、プログラムによって表題をデータグリッドに関連付けることである。通常、テーブルの表題はテーブルの識別子であり、テーブルのタイトルまたは見出しとして機能する。
Flash には DataGrid コンポーネント用の caption 要素はない。ただし、以下のアプローチによって同じ効果を得ることができる。
データグリッドの上にラベルコンポーネント又はテキストフィールドを配置し、グリッドの表題を設定する。
表題のテキストを複製し、グリッドのアクセシブルな名前として追加する。これを行うには、グリッドのアクセシビリティパネルの「名前」フィールドに値を設定するか、又はグリッドの AccessibilityProperties.name
プロパティを設定する。
ここでは、Flash Professional でコンポーネントパネルからステージに追加されるデータグリッドの例を示す。また、コンポーネントパネルから表題となるテキストを格納するためのラベル要素も追加される。この表題は Flash のアクセシビリティパネルで使用され、データグリッドのアクセシビリティ用の名前として機能する。
新しい Flash ファイル (.fla) を作成するか、既存のファイルを開いてデータグリッドを挿入する。
ウィンドウメニューから Flash のコンポーネントパネルを開く。
データグリッドコンポーネントをステージ上にドラッグし、目的の位置に配置する。
ラベルコンポーネントをステージ上にドラッグし、目的の位置に配置する。
ラベルコンポーネントにテキストを追加する。
データグリッドコンポーネントを選択し、アクセシビリティパネルを使用して、データグリッドの「名前」フィールドにラベルコンポーネントで使用しているのと同じテキストを追加する。
ここでは、AS3 のスクリプトによってデータグリッドを生成する基本的な事例を示す。また、表題となるテキストを格納するラベル要素も作成する。この表題は、アクセシブルな名前としてグリッドに追加する。
コード例:
import fl.accessibility.DataGridAccImpl;
import fl.controls.DataGrid;
import fl.controls.Label;
import fl.data.DataProvider;
import flash.accessibility.Accessibility;
import flash.accessibility.AccessibilityProperties;
import flash.system.Capabilities;
// データグリッドのアクセシビリティを有効にする
DataGridAccImpl.enableAccessibility();
createGrid();
// データグリッドの表題を設定する
var gridCaptionText: String = "Game Results";
gridCaption.text = gridCaptionText;
//表題をデータグリッドのアクセシブルな名前として追加する
var accProps: AccessibilityProperties = new AccessibilityProperties();
accProps.name = gridCaptionText;
aDg.accessibilityProperties = accProps;
if (Capabilities.hasAccessibility)
Accessibility.updateProperties();
function createGrid() {
//コンポーネントを作成して追加する
var aDg: DataGrid = new DataGrid();
var gridCaption: Label = new Label();
addChild(aDg);
addChild(gridCaption);
aDg.move(50, 50);
gridCaption.move(50, 20);
var captionFormat: TextFormat = new TextFormat();
captionFormat.size = 24;
gridCaption.setStyle("textFormat", captionFormat);
gridCaption.width = 300;
gridCaption.height = 100;
bldRosterGrid(aDg);
//データを準備する
var aRoster: Array = new Array();
aRoster =[
{Name: "Wilma Carter", Bats: "R", Throws: "R", Year: "So", Home: "Redlands, CA"},
{Name: "Sylvia Munson", Bats: "R", Throws: "R", Year: "Jr", Home: "Pasadena, CA"},
{Name: "Carla Gomez", Bats: "R", Throws: "L", Year: "Sr", Home: "Corona, CA"},
{Name: "Betty Kay", Bats: "R", Throws: "R", Year: "Fr", Home: "Palo Alto, CA"},
];
aDg.dataProvider = new DataProvider(aRoster);
aDg.rowCount = aDg.length;
};
function bldRosterGrid(dg: DataGrid) {
dg.setSize(400, 300);
dg.columns =[ "Name", "Bats", "Throws", "Year", "Home"];
dg.columns[0].width = 120;
dg.columns[1].width = 50;
dg.columns[2].width = 50;
dg.columns[3].width = 40;
dg.columns[4].width = 120;
};
このコード例に関する注記:
この実例は、ActiveScript 3 を使用してデータグリッドにキャプションを関連付けるのサンプル (英語) で確認できる。また、ActiveScript 3 を使用してデータグリッドにキャプションを関連付けるのソース (英語) をダウンロードすることもできる。
Flash のオーサリングツールのアクセシビリティパネルを使用することによって、データグリッドにアクセシブルな名前を適用することもできる。
上記の事例では、データグリッドの表題として使用されるテキストは 2 回読み上げられる。1 回目は視覚に問題のない利用者向けのテキストラベルとして、2 回目はデータグリッドのアクセシブルな名前としてである。コンテンツ制作者は、ラベルテキストの silent
プロパティを true
に設定することによって、読み上げが重複するのを回避することができる。
Flash ムービーに DataGrid コンポーネントが含まれているかどうかを確認する。
各データグリッドの表題となるテキストが、アクセシブルな名前としてコンポーネントに追加されている
2. を満たしている。
この達成方法が「十分な達成方法」の一つである場合、この手順や期待される結果を満たしていなければ、それはこの達成方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の達成方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。