【注意】この文書にはより新しいバージョンが存在します: WCAG 2.1 達成方法集

WCAG 2.0 達成方法集

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FLASH1: 非テキストオブジェクトに name プロパティを設定する

達成方法に関する重要な情報

この達成方法 (参考) の使用法と、この達成方法が WCAG 2.0 達成基準 (規定) とどのように関係するのかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) のセクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法の存在は、その技術があらゆる状況で WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成するために使用できることを意味するものではない。

適用 (対象)

訳注: Flash Player は、2020 年末に提供を終了する計画が Adobe 社より発表されている (Adobe Blog窓の杜)。

WAIC での Flash に関する翻訳のメンテナンスも積極的に行う予定がないことに留意されたい。

これは、次の達成基準に関連する達成方法である:

ユーザエージェント及び支援技術によるサポート

FLASH1 に関するユーザエージェントサポートノートを参照のこと。Flash テクノロジーノートも参照。

解説

この実装方法の目的は、支援技術による読み上げが可能になるように Flash 内の非テキストオブジェクトをマークする方法を示すことである。

Flash Player は、非テキストオブジェクトについて、アクセシビリティオブジェクト内の name プロパティを使用したテキストによる代替をサポートしている。このテキストによる代替は ActionScript 又は Flash オーサリングツールで定義することができる。

オブジェクトがコンテンツを理解する上で重要な語句を含んでいる場合は、name プロパティにそれらの語句を含める必要がある。これにより、name プロパティがオブジェクトと同等の機能をページ上で果たすことが可能になる。名前プロパティにはオブジェクトの見た目の特徴を記述するのではなく、オブジェクトの意味を伝える必要があることに注意する。

事例

事例 1: シンボル (グラフィック、ボタン、ムービークリップ) にテキストの代替を適用する

Flash Professional のオーサリングツールのアクセシビリティパネルを使用すると、コンテンツ制作者は、支援技術にアクセシビリティ情報を提供したり、Flash の個々のオブジェクトや Flash アプリケーション全体に対してアクセシビリティ関連オプションを設定できる。

  1. 非テキストオブジェクトにテキストによる代替を適用する際には、テキストによる代替をシンボルとしてムービーのライブラリに保存する必要がある。注記: Flash ではグラフィックシンボル用のテキストによる代替を使用することはできない。グラフィックをムービークリップまたはボタンシンボルに変換するか、これらに保存する必要がある。

  2. アプリケーションメニューで[ウィンドウ]>[他のパネル]>[アクセシビリティ]を選択するか、ショートカットキーの Alt + F11 を使用してアクセシビリティパネルを表示する。「オブジェクトをアクセス可能にする」チェックボックスがオンになっていることを確認する。

  3. ムービーステージ上で非テキストインスタンスを選択すると、アクセシビリティパネル内のフィールドが編集可能になる。

  4. 非テキストオブジェクトのコンテンツを簡潔に説明した文章を入力する。

画面スクリーンショット: Flash オーサリング環境のアクセシビリティパネル

事例 2: ActionScript 2.0 でプログラムによる説明を適用する

ActionScript を使用してプログラムによりオブジェクトの等価なテキストを制御するには、_accProps オブジェクトを使用する必要がある。このオブジェクトは、オブジェクトに対して設定されているアクセシビリティ関連プロパティが含まれているオブジェクトを参照する。以下に、_accProps オブジェクトを使用して ActionScript によってオブジェクトの名前と説明を設定する簡単なコード例を示す。

コード例:

// 'print_btn' は、ムービーのメインのタイムライン上に置かれたインスタンスである
_root.print_btn._accProps = new Object();
_root.print_btn._accProps.name = "印刷する";

事例 3: ActionScript 3.0 でプログラムによるテキストの代替を適用する

ActionScript 3 を使用してプログラムによりオブジェクトの等価テキストを制御するには、AccessibilityProperties オブジェクトと name プロパティを使用する必要がある。以下に、name プロパティを使用して ActionScript でオブジェクトの名前を設定する簡単なコード例を示す。

コード例:

// 'print_btn' は、ムービーのメインのタイムライン上に置かれたインスタンスである
print_btn.accessibilityProperties = new AccessibilityProperties();
print_btn.accessibilityProperties.name = "印刷する";

検証

手順

  1. SWF ファイルを発行する。

  2. Internet Explorer 6 以降 (Flash Player 6 以降を使用)、または Firefox 3 以降 (Flash Player 9 以降を使用) で SWF ファイルを開く。

  3. オブジェクト名のテキストによる代替を表示できる ACTF aDesigner 1.0 などのツールを使用して Flash ムービーを開く。

  4. GUI 概要パネルで、Flash ムービーに含まれている各オブジェクトをチェックし、オブジェクトに説明が設定されている場合、ツールの画面にその説明が適切に表示されることを確認する。

  5. また、場合によってはスクリーンリーダーを使用して Flash コンテンツの読み上げをテストする。このテストでは、タブ移動の可能な非テキストオブジェクトにタブを移動したときに、そのオブジェクトの説明が読み上げられること、またはコンテンツを 1 行ずつ読み上げたときに説明が読み上げられることを確認する。

  6. すべての非テキストオブジェクトの説明として、そのオブジェクトと同じ目的を持ち、同じ情報を伝える等価なテキストが設定されていることを確認する。

期待される結果

6. を満たしている。

この達成方法が「十分な達成方法」の一つである場合、この手順や期待される結果を満たしていなければ、それはこの達成方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の達成方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。