WCAG 2.0 実装方法集

メインコンテンツへスキップ

-

F84: 達成基準 2.4.9 の不適合事例:リンクテキストを具体的なテキストに変更するメカニズムを提供せずに、「ここをクリック」又は「続きを読む」といった不明確なリンクを用いる

適用(対象)

HTML 及び XHTML

これは、次の達成基準に関連する不適合事例である:

解説

この不適合事例は、「ここをクリック」又は「続きを読む」といったリンクテキストがアンカー要素として使われている、よくある状況について述べている。ただし、リンクはその目的を理解するために周囲のテキストを必要とし、またテキストリンクを拡張するためのボタンのように、リンクテキストだけでリンク先を明確にするメカニズムも持っていない。

スクリーンリーダーを使用する全盲の利用者は、ページ内にあるリンクの一覧を表示したダイアログボックスを呼び出すことがある。彼らは、行き先を決定するためにこのリンクの一覧を使用する。しかし、その一覧の中の多くのリンクが、「ここをクリック」又は「続きを読む」とだけしか読上げられないのであれば、主要なナビゲーション方式であるこの機能をスクリーンリーダーで使用することができなくなる。このような理由から、リンクテキストのみでリンク先を知ることができる方法を一つも提供していないと、達成基準 2.4.9 の不適合事例となるのである。こうした状況は、リンクをTabキーで移動する利用者にも当てはまる。ウェブページ内をTabキーで移動しているとき、「ここをクリック」、「ここをクリック」、「ここをクリック」としか聞こえてこなかったとしたら、利用者は困惑してしまうだろう。

事例

事例 1
Example 1

コード例:

ロッキー山脈の詳細な情報は <a href="file110.htm">ここをクリック</a> 。

事例 2
Example 2

コード例:

<h2>ニュース・ヘッドライン</h2>
中東和平会議は、実りの多い対話をもたらした。
<a href="r4300.htm">続きを読む</a>

検証

チェックポイント

  1. ページにある個々のリンクを検証する。

  2. リンクの目的が、周囲のテキストと組み合わせれば定まるがリンクテキストからだけでは定まらない、「ここをクリック」又は「続きを読む」といったリンク先の分からないリンクテキストがある。

  3. ページ内にあるリンク先の分からないリンク全てを、リンク先の分かるリンクテキストに変えるメカニズムがページ内にある。

判定基準

日本語訳における注記:

この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。