WCAG 2.0 実装方法集

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F79: 達成基準 4.1.2 の不適合事例 - ユーザーインタフェース・コンポーネントのフォーカスの状態がプログラムで解釈可能ではない、又はフォーカスの状態の変更が通知されていない

適用(対象)

全てのウェブコンテンツ技術

これは、次の達成基準に関係する不適合事例である:

解説

あるユーザーインタフェース・コンポーネントにフォーカスがあるかどうかは、そのコンポーネントの状態(state)の特に重要な一面である。多くの種類の支援技術が、キーボードフォーカスの現在位置を追跡することに依存している。スクリーンリーダーは、利用者の注視点をフォーカスの当たっているユーザーインタフェース・コンポーネントに移動させ、画面拡大ソフトはフォーカスが当たっているコンポーネントを見ることができるようにコンテンツの表示を変えていく。新しいコンポーネントにフォーカスが遷移した時に、支援技術に通知されなければ、利用者は意図と異なるコンポーネントとやりとりをしようとして混乱することになる。

通常ユーザーエージェントが標準的なコンポーネントに対してこの機能で処理を行う一方、スクリプトで独自に記述されたユーザーインタフェース・コンポーネントは、アクセシビリティAPIを用いてユーザーエージェントがフォーカスについての情報及び通知を利用できるようにしなければならない。

事例

カスタムメニューがメニュー項目を明確に描画して表示している。マウス及びキーイベントを直接制御し、現在選択されているメニュー項目は反転表示となっている。プログラマーがフォーカスを持ったメニュー項目をアクセシビリティAPI経由で引き渡さないようにしたため、支援技術は、フォーカスがメニューの中のどこかにあることまでしか分からず、どのメニュー項目にフォーカスが当たっているのか決定できない。

参考リソース

この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。

検証

チェックポイント

  1. ウェブコンテンツ技術に対してアクセシビリティ・チェッカーを用いる(又は、利用できない場合は、コードを検査する、又は支援技術で検証する)。コントロールがアクセシビリティAPIを経由してフォーカスの状態(state)を引き渡している。

  2. ウェブコンテンツ技術に対してアクセシビリティ・チェッカーを用いる(又は、利用できない場合は、コードを検査する、又は支援技術で検証する)。フォーカスが別のコントロールに遷移したとき、支援技術にそのことが通知される。

判定基準

日本語訳における注記:

この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。