Authoring Tool Accessibility Guidelines (ATAG) 2.0 は障害のあるコンテンツ制作者のための、よりアクセシブルなウェブコンテンツオーサリングツールの設計についてのガイドライン (パート A) と、すべてのコンテンツ制作者にとって、よりアクセシブルなウェブコンテンツ制作を可能にし、サポートし、促進するためのウェブコンテンツオーサリングツールの設計についてのガイドライン (パート B) の両方を提供している。ATAG のイントロダクション並びに技術及び教育に関する資料については、Authoring Tool Accessibility Guidelines (ATAG) Overview を参照。
この節は参考情報である。
これは Authoring Tool Accessibility Guidelines (ATAG) バージョン 2.0 の W3C 勧告 (標準) である。この文書にはオーサリングツールの開発者が、聴覚、認知、神経、身体、発話、及び視覚障害を含む、障害を持つ人々にとってオーサリングツールをよりアクセシブルにするための推奨事項が記載されている。
オーサリングツールのアクセシビリティは、障害を持つ重複する二つの利用者グループのニーズに対応する:
この二つの利用者のニーズを満たすための要件は、ガイドライン内で分かりやすくするために分離されているが、利用者作成コンテンツの流行において、実際には相互に深く関連していることに注意すべきである。例えば、利用者がオンラインフォーラムに参加する場合、利用者はしばしばコンテンツを作成し、他の利用者によって作成されたコンテンツと組み合わされる。オーサリング ユーザインタフェース、または他のフォーラム利用者によって作成されたコンテンツのアクセシビリティについての問題は、フォーラムの全体的なアクセシビリティを低下させる。
注記:
- 「オーサリングツール」という用語は ATAG 2.0 において特定の定義がある。いくつかの規定の注釈を含む定義は、用語集に記載されている。
- 「アクセシブルなウェブコンテンツ (WCAG)」という用語と、「アクセシブルなテンプレート (WCAG)」などの関連用語は、ATAG 2.0 では、レベル A、AA 又は AAA のいずれかで「 WCAG 2.0 に適合するコンテンツ」を指すために使用され、WCAG 2.0 の達成基準を満たすために依存しているウェブコンテンツ技術がいずれもアクセシビリティ サポーテッドであることを前提としている。WCAG 2.0 の最高レベル (AAA) で適合しているコンテンツでさえも、「すべての種類、程度又は組合せの障害者にとってアクセシブル」ではないという WCAG 2.0 における注釈をこの用語の定義は反映している。詳細については、「ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン (WCAG) 2.0 との関係」を参照。
- 障害を持つ人に与える影響が大きい場合を除いて、ATAG 2.0 には標準的なユーザビリティの推奨事項は含まれていない。
- オーサリングツールはウェブアクセシビリティの一つの側面にすぎない。ウェブアクセシビリティの様々なコンポーネントの概要と、それらがどのように関係するかについては、次を参照:
ATAG 2.0 ガイダンスのレイヤー
ATAG 2.0 を使用する可能性のある個人及び組織は実に幅広く、オーサリングツールの開発者、オーサリングツール利用者 (コンテンツ制作者)、オーサリングツールの購入者、及びポリシー制作者などが含まれる。これらの人たちの様々なニーズに応えるために、いくつかのレイヤーのガイダンスが提供されている:
- パート: ATAG 2.0 は二つのパートに分かれており、それぞれがオーサリングツールに関する重要なアクセシビリティの側面を反映している。パート A の内容は、障害のあるコンテンツ制作者に対するオーサリングツールのユーザインタフェースのアクセシビリティに関することである。パート B の内容は、(障害者に限らない) コンテンツ制作者が、障害を持つエンドユーザにとってよりアクセシブルなウェブコンテンツ作成ができるようにするための、オーサリングツールによるサポートに関することである。どちらのパートも、そのパート内のすべての達成基準に適用される規定の「適合適用性に関する注記」が含まれる: パート A の適合適用性に関する注記 及び パート B の適合適用性に関する注記。
- 原則: 各パートにはガイドラインを構成するいくつかの上位レベルの原則がある
- ガイドライン: 原則の下にあるのがガイドラインである。ガイドラインは、様々な障害を持つコンテンツ制作者とウェブコンテンツのエンドユーザの双方に対して、オーサリングツールをよりアクセシブルにするために、オーサリングツール開発者が取り組むべき基本的な目標を提供している。これらのガイドラインは検証可能ではないが、オーサリングツール開発者が達成基準を理解できるように、全体的な枠組み及び全般的な目的を提供するものである。各ガイドラインには、なぜそのガイドラインが含まれたのか、簡潔な理由が記されている。
- 達成基準: 各ガイドラインには、検証可能な達成基準が設けられており、デザイン仕様検討、調達、基準策定、契約上の合意などにあたりその要件及び適合試験が必要となる際に ATAG 2.0 を用いることが可能である。様々なユーザ層及び状況からくるニーズを満たすために、完全適合と部分適合の複数のレベルが定義されている (適合レベルを参照)。
- Implementing ATAG 2.0 document: Implementing ATAG 2.0 は、達成基準の目的説明や具体例、関連リソースへのリンクなどを含む各達成基準に対する規定ではない追加情報を提供している。
追加された ATAG の技術資料及び教育に関する資料へのリンクについては、Authoring Tool Accessibility Guidelines (ATAG) Overview を参照。
適合レベル
オーサリングツールの開発において ATAG 2.0 と WCAG 2.0 を併用するプロセスをできる限り容易にするために、ATAG 2.0 では、A (最低レベル)、AA (中レベル)、AAA (最高レベル) という WCAG 2.0 の 3 つの適合レベルのモデルと同じにしている。詳細は「Understanding Levels of Conformance」を参照。
アクセシビリティ機能の統一
ATAG 2.0 を実装する際、オーサリングツールの開発者は、よりアクセシブルなオーサリングをサポートする機能を、オーサリングツールの他の機能と同じ "ルック・アンド・フィール" になるように注意して統一すべきである。厳密に統一することで次のような可能性が生まれる:
- よりシームレスな製品を生み出すことができる
- コンテンツ制作者が既に持つ知識とスキルを活用できる
- コンテンツ制作者が新しいアクセシビリティ関連のオーサリングの要件を受け入れやすくなる
- コンテンツ制作者の混乱を減らすことができる
ガイドライン
この節の達成基準と適合適用性に関する注記は規定である。
パート A: オーサリングツールのユーザインタフェースをアクセシブルにする
- 「オーサリングツールのユーザインタフェース」の範囲: パート A の達成基準は「含まれている」ウェブコンテンツ技術の生成に関係しているオーサリングツールのユーザインタフェースのすべての部分に適用される。これは編集中のウェブコンテンツのビュー及び、編集しているコンテンツの独立した機能を含む (例: メニュー、ボタン、バー、ステータスバー、利用者の設定、ドキュメンテーション)。
- 反映されたコンテンツのアクセシビリティについての問題: オーサリングツールは編集ビューに表示されている編集中のウェブコンテンツが障害を持つコンテンツ制作者にとってよりアクセシブルな方法で提供されていることを保証する責任がある (例: コンテンツの代替テキストがプログラムによる解釈可能であることを保証する)。しかし、オーサリングツールのアクセシビリティについての問題が編集されているコンテンツによって発生している箇所 (例: コンテンツ内の画像にテキストによる代替が不足している場合) では、オーサリングツールのユーザインタフェースのアクセシビリティが不足しているとは見なされない。
- 開発者の管理: パート A の達成基準は、開発者が提供するオーサリングツールのユーザインタフェースにのみ適用される。これらはオーサリングツールの開発者以外の者によって後から加えられた変更には適用されない (例: 利用者によるデフォルトの設定の変更、サードパーティーのプラグイン)。
- ユーザエージェントの機能: ウェブベースのオーサリングツールは達成基準を満たすためにユーザエージェントの機能 (例えば、キーボードナビゲーション、検索機能、表示設定、元に直す機能) に依存しても良い。適合表明は任意だが、あらゆる表明はユーザエージェントを記録しなければならない。
- パート A を満たすために提供されている機能のアクセシビリティ: パート A の達成基準は、パート A の達成基準を満たすために追加されたあらゆる機能 (例えば、ドキュメンテーション、検索機能) を含めたオーサリングツールのユーザインタフェース全体に適用される。ガイドライン A.3.7 の適当な達成基準を満たす限り、プレビュー機能は唯一除外される。障害を持つ者を含むすべての開発者にとって、プレビュー機能がエンドユーザの実際に使用するユーザエージェントの機能を正確に反映していることは有益であるため、プレビューは編集ビューとは扱いが異なる。
- 認識できないコンテンツ: 達成基準がオーサリングツールに対し、セマンティックな基準に沿ってウェブコンテンツを扱うことを要求する場合、その達成基準は、これらのセマンティクスがプログラムによりエンコードされている場合にのみ適用される (例えば、画像を説明するテキストは、この役割がマークアップの中でエンコードされている場合にのみ、非テキストコンテンツに対するテキストによる代替として扱われる)。
原則 A.1: オーサリングツールのユーザインタフェースは適用可能なアクセシビリティガイドラインに従う
ガイドライン A.1.1: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) ウェブベースの機能にアクセスできることを確保する。[Implementing A.1.1]
根拠: オーサリングツール (又はオーサリングツールの一部) がウェブベースの場合、WCAG 2.0 に適合することで支援技術を使用する人を含む、すべてのコンテンツ制作者によるアクセスが容易になる。
A.1.1.1 ウェブベースのアクセシビリティ (WCAG):
オーサリングツールにウェブベースのユーザインタフェースが含まれている場合、それらのウェブベースのユーザインタフェースは WCAG 2.0 の達成基準を満たす。(レベル A は WCAG 2.0 のレベル A の達成基準、レベル AA は WCAG 2.0 のレベル A と AA の達成基準、レベル AAA は WCAG 2.0 のすべての達成基準を満たす)
ガイドライン A.1.2: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) 非ウェブベースの機能にアクセスできることを確保する。[Implementing A.1.2]
根拠: オーサリングツール (又はオーサリングツールの一部) が非ウェブベースの場合、既存のプラットフォームのアクセシビリティガイドラインに従い、またプラットフォーム アクセシビリティサービスとの通信を実装することにより、支援技術を使用する人を含む、すべてのコンテンツ制作者によるアクセスが容易になる。
原則 A.2: 編集ビューは知覚可能にする
ガイドライン A.2.1: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) コンテンツ制作者に対して代替コンテンツを利用可能にする。[Implementing A.2.1]
根拠: 一部のコンテンツ制作者は、編集中のウェブコンテンツとのやりとりのために代替コンテンツにアクセスする必要がある。
ガイドライン A.2.2: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) 編集ビューのプレゼンテーションはプログラムによる解釈が可能であることを確保する。[Implementing A.2.2]
根拠: 提示がステータスメッセージを伝えるために使用されている場合 (例えばスペルミスの単語に下線を引くなど) 又はエンドユーザが編集中のウェブコンテンツをどのように体験するかについての情報を提供している場合、一部のコンテンツ制作者はそれらの支援技術を用いて編集ビューの提示についての詳細にアクセスする必要がある。
A.2.2.1 編集ビューのステータスインジケータ:
編集ビューが編集中のコンテンツにステータスインジケータを追加する場合、ステータスインジケータによって伝達される情報はプログラムによる解釈することができる。(レベル A)
- 注記: ステータスインジケータは、エラー (スペルミスなど)、変更の追跡、隠し要素、又はその他の情報を示す場合がある。
原則 A.3: 編集ビューは操作可能にする
ガイドライン A.3.1: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) オーサリング機能へのキーボードアクセスを提供する。[Implementing A.3.1]
根拠: 可動に制限がある、又は視覚障害を持つ一部のコンテンツ制作者には、マウスを使用せず代わりにキーボードインタフェースでオーサリングツールのすべての機能に対するアクセスを必要としている。
A.3.1.1 キーボードアクセス (最低限):
オーサリングツールのすべての機能は、個々のキーストロークに特定のタイミングを要することなく、キーボードインタフェースを通じて操作可能である。ただし、その根本的な機能が利用者の動作による始点から終点まで続く一連の軌跡に依存して実現されている場合は除く。(レベル A)
- 注記 1: キーボードインタフェースは、デバイスに依存しない操作が可能な多くのプラットフォームで提供されるプログラム型のサービスである。この達成基準はハードウェアキーボードの存在を意味するものではない。
- 注記 2: 軌跡の例外は、根本的な機能に関するものであり、入力手法に関するものではない。例えば手書き入力でテキストを入力する場合、入力手法 (手書き) には軌跡に依存する入力が必要だが、根本的な機能 (テキスト入力) には必要ない。軌跡の例外にはポインティングデバイスから連続的にサンプリングされる他の入力変数 (圧力、速度、角度など) が含まれる。
- 注記 3: この達成基準は、キーボード操作に加えて、その他の入力手段 (マウスやタッチなど) を提供することを禁ずるものでも妨げるものでもない。
A.3.1.2 キーボードトラップなし:
キーボードインタフェースを用いてキーボードフォーカスをコンポーネントに移動できる場合、キーボードインタフェースだけを用いてそのコンポーネントからフォーカスを移動することができる。さらに、修飾キーを伴わない矢印キー、Tab キー、又はフォーカスを外すその他の標準的な方法でフォーカスを外せない場合は、フォーカスを外す方法が著者に提供される。(レベル A)
ガイドライン A.3.2: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) コンテンツ制作者に十分な時間を与える。[Implementing A.3.2]
根拠: タイピング又はマウスの操作、情報の処理が困難な一部のコンテンツ制作者に対して、短い制限時間又は移動するターゲットをクリックするなどの早い反応速度を必要とすることを防ぐことができる。
A.3.2.1 自動保存 (最低限):
オーサリングツールはセッションの制限時間を設けない、又は制限時間に達する前にオーサリングツールが自動的に編集内容を保存することができる。(レベル A)
A.3.2.2 調整可能なタイミング:
オーサリングツールは制限時間を設けない、又は次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている。(レベル A)
- (a) 解除: 制限時間がある機能を使用する前に、コンテンツ制作者は制限時間を解除することができる。又は、
- (b) 調整: 制限時間がある機能を使用する前に、コンテンツ制作者は少なくともデフォルト設定の 10 倍を超える、大幅な制限時間の調整をすることができる。又は、
- (c) 延長: 時間切れになる前に利用者に警告し、かつ少なくとも 20 秒間の猶予をもって、例えば「スペースキーを押す」などの簡単な操作により、利用者が制限時間を少なくとも 10 倍以上延長することができる。又は、
- (d) リアルタイムの例外: リアルタイムのイベント (例えば、コラボレーションオーサリングなど) において制限時間が必須の要素で、その制限時間に代わる手段が存在しない。又は、
- (e) 必要不可欠な例外: 制限時間が必要不可欠なもので、制限時間を延長することが行動を無効にすることになる。又は、
- (f) 20 時間の例外: 制限時間が 20 時間よりも長い。
A.3.2.3 静的な入力コンポーネント:
オーサリングツールには、コンテンツ制作者が動きを停止することができない動きのあるユーザインタフェース コンポーネントが含まれていない。(レベル A)
A.3.2.4 コンテンツ編集の保存 (拡張):
オーサリングツールはオーサリングツールを使用したウェブコンテンツの編集を自動的に保存するよう設定可能である。(レベル AAA)
ガイドライン A.3.3: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) コンテンツ制作者が発作を引き起こすような閃光を防ぐように支援する。[Implementing A.3.3]
根拠: 点滅は、感受性発作障害を持つコンテンツ制作者の発作を引き起こす可能性がある。
A.3.3.1 静的ビューオプション:
編集ビューが視覚的な時間依存のコンテンツを再生できる場合、コンテンツのロード時に自動再生を必要とせず、再生を一時停止することができる。(レベル A)
ガイドライン A.3.4: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) コンテンツの構造を通じてナビゲーションと編集を強化する。[Implementing A.3.4]
根拠: 一部のタイピング又はマウスの操作が困難なコンテンツ制作者は、オーサリングツールがウェブコンテンツに存在する構造を利用していると、コンテンツの操作又は編集に役立つ場合がある。
A.3.4.1 構造からのナビゲート:
編集ビューが編集中のウェブコンテンツの中でマークアップ要素を表示する場合、マークアップ要素 (例えば、ソースコード、レンダリングされたコンテンツ) は選択可能であり、要素の選択範囲を移動させるナビゲーションメカニズムが提供されている。(レベル AA)
A.3.4.2 プログラミングによる関連付けからのナビゲート:
編集ビューがウェブコンテンツ内のプログラミングによる関連付けの編集を可能にする場合、関連しているコンテンツ間のナビゲーションをサポートするメカニズムが提供されている。(レベル AAA)
- 注記: ウェブコンテンツ技術及びオーサリングツールの性質によって、関連性は、これらに限定するものではないが、要素のネスティング、見出し、ラベリング、プログラミングによる意味付け、及び ID の関連付けが含まれる。
ガイドライン A.3.5: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) コンテンツのテキスト検索を提供する。[Implementing A.3.5]
根拠: 一部のタイピング又はマウスの操作が困難なコンテンツ制作者にとって、編集中のウェブコンテンツ内の任意の箇所に移動するためにテキスト検索を使用できる手段は有効である。
A.3.5.1 テキスト検索:
オーサリングツールがテキストベースのコンテンツの編集ビューを提供する場合、編集ビューが有効にするテキスト検索は次のすべてを満たす: (レベル AA)
- (a) すべての編集可能なテキスト: 編集ビューで編集可能なあらゆるテキストコンテンツは検索可能である (代替コンテンツを含む)。及び
- (b) 一致: 一致する結果はコンテンツ制作者に提示され、フォーカスが与えられる。及び
- (c) 一致しない: 結果が見つからない場合、コンテンツ制作者に通知される。及び
- (d) 双方向: 検索は前方又は後方に行うことができる。
ガイドライン A.3.6: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) 環境設定を管理する。[Implementing A.3.6]
根拠: 一部のコンテンツ制作者は公開されたウェブコンテンツ向けに定義したい提示形態とは異なる、独自の表示設定をする必要がある。キーボードと表示のプリファレンス設定を保存及び再読み込みすることができると、時間の経過とともに (例えば疲労によって) ニーズが変わるコンテンツ制作者にとって有益である。
ガイドライン A.3.7: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) プレビューは、少なくとも市場のユーザエージェントと同様にアクセシブルであることを確保する [Implementing A.3.7]
根拠: コンテンツ制作者のワークフローには、ユーザエージェントがウェブコンテンツをどのようにエンドユーザに表示させるかを定期的に確認することが含まれるため、多くのオーサリングツールはプレビュー機能を提供している。障害を持つコンテンツ制作者は自分の仕事をチェックする同じような機会が必要である。
A.3.7.1 プレビュー (最低限):
プレビュー機能が提供されている場合、次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている。(レベル A)
- (a) 市場のユーザエージェント: プレビューは市場のユーザエージェントを用いてコンテンツをレンダリングする。又は、
- (b) UAAG (Level A): プレビューは User Agent Accessibility Guidelines 1.0 のレベル A に適合している [UAAG10]。
原則 A.4: 編集ビューは理解可能にする
ガイドライン A.4.1: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) コンテンツ制作者のミスを防ぎ、修正を手助けする。[Implementing A.4.1]
根拠: 障害を持つ一部のコンテンツ制作者には、細かい動きが困難であったり音声認識システムのエラーなどの要因により、入力エラーの影響を受けやすい。
ガイドライン A.4.2: (オーサリングツールのユーザインタフェース向け) すべてのアクセシビリティ機能を含むユーザインタフェースを文書化する。[Implementing A.4.2]
根拠: 一部のコンテンツ制作者は、ドキュメンテーションなしにオーサリングツールのユーザインタフェースを理解したり操作することができない場合がある。
A.4.2.1 アクセシビリティ機能の説明:
ATAG 2.0 のパート A を満たすために使用しているオーサリングツールの各機能について、次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている: (レベル A)
A.4.2.2 すべての機能のドキュメント化:
各オーサリングツールの機能は、次に挙げる事項のうち、少なくとも一つを満たしている: (レベル AA)
ガイドライン B.2.3: コンテンツ制作者が非テキストコンテンツの代替コンテンツを管理するのを支援する。[Implementing B.2.3]
根拠: 不適切に生成された代替コンテンツは、ウェブコンテンツのアクセシビリティについての問題 (WCAG) を生成し、アクセシビリティチェックを妨げる可能性がある。
注記: このガイドラインは、非テキストコンテンツがコンテンツ制作者によって指定された場合 (例えば画像の挿入など) にのみ適用される。非テキストコンテンツがオーサリングツールによって自動的に追加される場合はガイドライン B.1.1 を参照。
B.2.3.1 代替コンテンツは編集可能 (WCAG):
オーサリングツールが非テキストコンテンツを追加するための機能を提供する場合、プログラムで関連付けられた非テキストコンテンツのテキストによる代替をコンテンツ制作者が編集することができる。(レベル A は WCAG 2.0 のレベル A の達成基準、レベル AA は WCAG 2.0 のレベル A と AA の達成基準、レベル AAA は WCAG 2.0 のすべての達成基準を満たす)
- 注記: 非テキストコンテンツが装飾、書式設定、不可視、又は CAPTCHA である場合は例外とする。
B.2.3.2 テキストによる代替の自動修正:
オーサリングツールは非テキストコンテンツのテキストによる代替を修正しない、又は次のすべてを満たす。(レベル A)
- (a) 一般的ではない、又は無関係な文字列ではない: 一般的な文字列 (例えば「画像」など) 及び無関係な文字列 (例えばファイル名、ファイル形式など) はテキストによる代替として使用されていない。かつ、
- (b) セッション中の修正: オーサリングセッション中に修正が試みられた場合、コンテンツ制作者はコンテンツにテキストによる代替を挿入する前に修正の試みを受け入れるか、修正するか、拒否する機会がある。かつ、
- (c) セッション後の修正: オーサリングセッションの終了した後に修正が試みられた場合、修復されたテキストによる代替が (存在する場合) 後続のオーサリングセッション中に提示され、コンテンツ制作者はコンテンツにテキストによる代替を挿入する前に修正の試みを受け入れるか、修正するか、拒否する機会がある。
ガイドライン B.2.4: アクセシブルなテンプレートでコンテンツ制作者を支援する。[Implementing B.2.4]
根拠: アクセシブルなテンプレート (WCAG) を提供すると、編集時にウェブコンテンツのアクセシビリティ (WCAG) をすぐに改善すること及び、コンテンツ制作者の負担の軽減、アクセシブルなウェブコンテンツ (WCAG) の重要性を証明することなど、いくつかの利点がある。
ガイドライン B.2.5: 事前に作成されたアクセシブルなコンテンツでコンテンツ制作者を支援する。[Implementing B.2.5]
根拠: アクセシブルなオーサリング済みコンテンツ (WCAG)(例えば、クリップアート、同期メディア、ウィジェットなど) の提供には、編集中のウェブコンテンツ (WCAG) のアクセシビリティを直ちに向上し、コンテンツ制作者に必要な作業を削減し、アクセシビリティの重要性を明示するなど、いくつかの利点がある。
原則 B.3: コンテンツ制作者は既存コンテンツのアクセシビリティ改善をサポートされる
ガイドライン B.3.1: アクセシビリティについての問題をチェックする際にコンテンツ制作者を支援する。[Implementing B.3.1]
根拠: アクセシビリティのチェックがオーサリングツールの統合された機能である場合、オーサリングプロセス中にウェブコンテンツのアクセシビリティについての問題 (WCAG)をコンテンツ制作者に気付かせるのに役立ち、すぐに対処することができる。
B.3.1.1 チェックの補助 (WCAG):
オーサリングツールが WCAG 2.0 の達成基準に違反する可能性がある方法でコンテンツ制作者にウェブコンテンツを追加、又は編集する機能を提供する場合、その達成基準に対するアクセシビリティのチェックを提供する (例えば、画像を挿入する HTML のオーサリングツールはテキストによる代替をチェックすべきであり、テキストトラックを編集可能な映像のオーサリングツールはキャプションをチェックするべきである)。(レベル A は WCAG 2.0 のレベル A の達成基準、レベル AA は WCAG 2.0 のレベル A と AA の達成基準、レベル AAA は WCAG 2.0 のすべての達成基準を満たす)
ガイドライン B.3.2: アクセシビリティについての問題を修正する際にコンテンツ制作者を支援する。 [Implementing B.3.2]
根拠: 修正がオーサリングツールのプロセスに必要不可欠である場合、チェックの有用性が大幅に向上し、ウェブコンテンツのアクセシビリティについての問題 (WCAG) が適切に対処される可能性がある。
B.3.2.1 修正支援 (WCAG):
WCAG 2.0 の達成基準が満たされていないことをチェック (達成基準 B.3.1.1 を参照) によって検出できる場合は、修正の提案を提供する。(レベル A は WCAG 2.0 のレベル A の達成基準、レベル AA は WCAG 2.0 のレベル A と AA の達成基準、レベル AAA は WCAG 2.0 のすべての達成基準を満たす)
原則 B.4: オーサリングツールはアクセシビリティ機能を促進し、統合する
ガイドライン B.4.1: アクセシブルなコンテンツの制作をサポートする機能が利用可能であることを確保する。[Implementing B.4.1]
根拠: アクセシブルなコンテンツのサポート機能は、その機能をオンにしてオーサリングツールのユーザインタフェースで合理的な顕在性が与えられることで、使用される可能性が高くなる。
ガイドライン B.4.2: アクセシブルなコンテンツの制作を促進するドキュメントを確保する。[Implementing B.4.2]
根拠: 一部のコンテンツ制作者は、アクセシブルなコンテンツを制作する機能をどのように使用するか (例えば、テキストによる代替に対するプロンプトへの対応方法、アクセシビリティチェックツールの使用方法など) を決定するための、サポートを必要とする。アクセシブルなオーサリングを日常的な慣例として提示するか、又は少なくともアクセシブルではない慣例を提示しないことは、コンテンツ制作者に対してアクセシビリティの受け入れを促進するのに役立つ。
適合
適合とは、オーサリングツールがこのガイドラインの節で定義された適用可能な達成基準を満たしていることを意味する。この適合の節では、適合を説明し適合要件を示す。
適合要件
達成基準を満たす
達成基準が満たされたかどうかを評価することは、ATAG 2.0 の適合を決定する最初の段階である。可能性のある答えは以下のとおり:
- 適用せず (Not Applicable): ATAG 2.0 のオーサリングツール定義は包括的であり、ソフトウェアには幅広い機能と操作のコンテキストが含まれている。機能セットの限られているオーサリングツール (例えば、フォトエディタ、CSS エディタ、ソーシャルネットワーキングアプリケーションのステータス更新フィールド) を考慮するため、ATAG 2.0 の達成基準の多くは条件付きであり、規定された特性のオーサリングツールのみに適用される。適合宣言がなされた場合、なぜ達成基準が適用されないのかについての説明が必要である。
- 適合 (Yes): いくつかの達成基準については、WCAG 2.0 を参照してのレベル (A、AA、又は AAA) が含まれる。適合宣言がなされた場合、説明は任意であるが、強く推奨される。
- 適合せず (No): 適合宣言がなされた場合、説明は任意であるが、強く推奨される。
ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン (WCAG) 2.0 との関係
公開時点で、ウェブコンテンツアクセシビリティに関する最新の W3C 勧告は WCAG 2.0 [WCAG20] である。このため ATAG 2.0 は、以下の要件を設定するとき WCAG 2.0 を参照する。(1)(パート A で) ウェブベースのオーサリングツールのユーザインタフェースのアクセシビリティ。及び (2)(パート B で) コンテンツ制作者が、障害を持つエンドユーザにとって、よりアクセシブルなコンテンツを制作することを、どのように可能とされ、サポートされ、ガイドされるべきか。
特に、ATAG 2.0 は用語「アクセシブルなコンテンツ」(及び関連用語「アクセシブルなテンプレート」) の定義の中で WCAG 2.0 を参照する。「アクセシブルなコンテンツ」の定義は、WCAG 2.0 にレベル A、AA、又は AAA のいずれかで適合するコンテンツであり、WCAG 2.0 の達成基準を満たすために必要な任意のウェブコンテンツ技術がアクセシビリティ サポーテッドであることを前提としている。「レベル A、AA、又は AAA のいずれかで」という語句は、使用の状況に応じて「アクセシブルなコンテンツ」の定義が異なる可能性があることを考慮している。(例えば ATAG 2.0 のレベル A の達成基準に対応するのがレベル AAA の達成基準である。)
また定義には、二つの注釈が含まれている:
- 一つ目は、「アクセシビリティ サポーテッドでない技術がある場合、コンテンツは WCAG 2.0 に適合しておらず、障害当事者の利用者の1つ以上のグループはコンテンツにアクセスするのが困難であろう」。
- 二つ目は、「 WCAG 2.0 への適合は、たとえそれが最高レベル (つまりレベル AAA) であっても、『障害のすべてのタイプ、程度、又はこれらの組み合わせの人々がアクセシブル』なコンテンツを作成しないことがありうる」。達成基準又は WCAG 2.0 に依存する ATAG 2.0 で定義された用語を強調するために、挿入句「 (WCAG) 」でマークされている。
「技術のアクセシビリティ サポーテッドな使用方法」についての注記:
「WCAG 2.0 の達成基準を満たすために、アクセシビリティ サポーテッドな方法のみに依存する。アクセシビリティ サポーテッドでない方法で提供される任意の情報又は機能は、アクセシビリティ サポーテッドな方法でも利用可能である。」という要件は、WCAG 2.0 への適合の一部である。広義には以下の場合、WCAG 2.0 はウェブコンテンツ技術をアクセシビリティ サポーテッドであるとみなす。(1) ウェブコンテンツ技術が使用される方法が、ユーザの支援技術によりサポートされており、かつ (2) ウェブコンテンツ技術が、エンドユーザが利用できるアクセシビリティ サポーテッドなユーザエージェントを有する場合。
多くのオーサリングツールは、支援技術とユーザエージェントのための異なる能力に応じたさまざまな環境にインストールされ使用される (例えば、プライベートなイントラネットや公共のウェブサイト、単一言語サイトや多言語サイト) ので、この概念をオーサリングツールに拡張するのは容易でない。したがって:
ATAG 2.0 は、アクセシビリティ サポーテッド要件を含んでいない。その結果、ATAG 2.0 の達成基準は WCAG 2.0「適合」を参照しておらず、代わりに「WCAG 2.0 達成基準への適合」を参照している。
ひとたびオーサリングツールがインストールされ使用されると、WCAG 2.0 アクセシビリティ サポーテッド要件が満たされているかどうかを含め、オーサリングツールが制作するウェブコンテンツの WCAG 2.0 適合評価が可能であろう。しかし、この WCAG 2.0 適合評価は、オーサリングツールの ATAG 2.0 適合とは完全に独立しているだろう。
適合オプションとレベル
適合には二つの種類があり、それぞれに 3 つのレベルがある:
ATAG 2.0 適合 (レベル A、AA、又は AAA)
オーサリングツールが、アクセシブルなウェブコンテンツ (WCAG) を生成するために追加のツール又はコンポーネントなしで使用できたときは、この適合オプションが選択されてもよい。次のように適合レベルが決定される:
- レベル A: オーサリングツールは、適用可能なレベル A の達成基準すべてを満たしている。
- レベル AA: オーサリングツールは、適用可能なレベル A 及びレベル AA の達成基準すべてを満たしている。
- レベル AAA: オーサリングツールは、適用可能な達成基準すべてを満たしている。
注記 1: パート A の適合適用性に関する注記及びパート B の適合適用性に関する注記が適用されなければならない。
注記 2: 最小適合レベル (レベル A) が達成されていない (すなわち、少なくとも一つのレベル A の達成基準が満たされていない) 場合、満たされるべき達成基準を指定した宣言を公開することが有益である。
ATAG 2.0 部分適合 - プロセスコンポーネント (レベル A、AA、又は AAA)
完全なオーサリングシステムとして適合するためにオーサリングツールが追加のツールやコンポーネント を必要とする場合、この適合オプションを選択してもよい。このオプションは、ほぼ完全なシステム (例えば、アクセシビリティチェック機能のみを欠いているマークアップエディタ) への非常に限られた機能 (例えば、プラグイン) に使用されうる。
適合レベル (A、AA、又は AAA) は上記のように決定される。ただし、任意の「適合せず (No)」の回答により、完全なオーサリングシステムの一部である別のオーサリングプロセスコンポーネントが達成基準を満たすことをツールが妨げてはならない。
注記 1: 追加のオーサリングプロセスコンポーネントが (例えば、セキュリティ上の理由のため) 失敗した達成基準を満たさないように防ぐ場合、オーサリングツールは部分適合を満たすことができないだろう。
注記 2: パート A の適合適用性に関する注記及びパート B の適合適用性に関する注記が適用されなければならない。
ATAG 2.0 部分適合 - プラットフォームの制限 (レベル A、AA、又は AAA)
オーサリングツールが (例えば、プラットフォーム アクセシビリティサービスを欠いているなど) プラットフォーム固有の制限のために一つ以上の達成基準を満たすことができない場合、この適合オプションが選択されてもよい。(任意の) 適合表明の結果の説明は、どのプラットフォームの機能が欠けているかを説明することが望ましい。
ウェブコンテンツ技術の制作:
オーサリングツールは、特定のウェブコンテンツ技術の制作物に関して ATAG 2.0 に適合する (例えば、XHTML 1.0 の制作物に関して、レベル A 適合)。
オーサリングツールが複数のウェブコンテンツ技術を制作する能力がある場合、開発者が自動的に生成されたコンテンツを設定する、又は開発者がコンテンツ制作者生成コンテンツのデフォルトとして設定する、両方の任意の技術を含む限り、適合は複数のウェブコンテンツ技術のサブセットのみを含んでもよい。これは必須ではないものの、エンドユーザに公開することを意図しない「中間」形式を含んでもよい。
ライブパブリッシングオーサリングツール:
ATAG 2.0 は、ウェブコンテンツのライブオーサリング (例えば、いくつかのコラボレーションツール) を伴うワークフローをオーサリングツールに適用してもよい。リアルタイム発行に固有の問題のため、これらのオーサリングツールの ATAG 2.0 パート B への適合は、ライブオーサリングセッションの前 (例えば、アクセシブルなスライドの準備におけるサポート)、間 (例えば、WCAG 2.0 がレベル AA で要求されるライブキャプション)、及び後 (例えば、リアルタイムで最初に公開されたプレゼンテーションのアーカイブにトランスクリプトを追加する機能など) のいくつかの組み合わせを伴ってもよい。詳細については、Implementing ATAG 2.0 - Appendix E: Authoring Tools for Live Web Content を参照のこと。
適合表明 (任意)
注記: 任意のソフトウェアアプリケーションと同様に、オーサリングツールは、コンポーネントの集まりとすることができる。適合表明は、責任主体によってのみ行うことができる。その他の計画された「表明」は、実際には、レビューである。
適合表明の必須項目
- 表明日
- ATAG 2.0 のバージョン及び URI
- 満足する適合レベル。
- オーサリングツール情報: オーサリングツールの名前及びバージョンを指定するのに十分な追加情報 (例えば、ベンダ名、バージョン番号 (又はバージョンの範囲)、必要なパッチ又は更新、ユーザインタフェース又は文書の自然言語)。
- 注記: オーサリングツールが、ソフトウェアアプリケーション (例えば、マークアップエディタ、画像エディタ、検証ツールなど) の集合である場合、適合表明は全体としてアプリケーションを処理するが、情報は、アプリケーションごとに個別に設けなければならない。
- プラットフォーム: オーサリングツールが影響するプラットフォーム
- 表明に含まれているオーサリングツールによって生成されたウェブコンテンツ技術のリスト。適合表明に含まれていないオーサリングツールによって生成される任意のウェブコンテンツ技術が存在する場合、個別に列挙されなければならない。オーサリングツールがデフォルトで任意のウェブコンテンツ技術を生成する場合、これは含まれていなければならない。
- 各達成基準の結果: はい、いいえ、該当なし
適合表明の任意の項目
上記の適合表明の必須項目に加えて、コンテンツ制作者を支援するために追加情報を提供することを検討する。追加する情報として推奨するものを以下に挙げる:
- 達成基準の結果の説明 (はい、いいえ)。(強く推奨する)
- 生成されたウェブコンテンツ技術がどのようにアクセシブルなウェブコンテンツを生成するために使用できるかについての情報 (例えば、技術特有の WCAG 2.0 達成方法へのリンク)。
- アクセシビリティを向上させるために達成基準を超えて追加で施した措置に関する情報。
- 適合表明の機械的に読み取れるメタデータ版。
- オーサリングツールの編集ビューの種類を特定するオーサリングツールの説明。
免責事項
W3C、WAI、AUAG のいずれのも、W3C、WAI 又は AUWG の下で公開されない任意の ATAG 2.0 適合表明の解釈又は結果について一切の責任を負わない。
付録 A: 用語集
- アクセシビリティについての問題 (accessibility problems)
- ATAG 2.0 では、アクセシビリティについての問題を 2 種類、認識している:
- オーサリングツールのアクセシビリティについての問題 (authoring tool user interface accessibility problems):
ATAG 2.0 のパート A の達成基準を満たさないオーサリングツールのユーザインタフェースの側面。
- ウェブコンテンツのアクセシビリティについての問題 (web content accessibility problems) (WCAG):
WCAG 2.0 の達成基準 (レベル A、AA、AAA) を満たさないウェブコンテンツの側面。
- アクセシビリティ情報 (WCAG) (accessibility information (WCAG))
- WCAG 2.0 の達成基準 (レベル A、AA、AAA) を満たすためにウェブコンテンツが必ず含まなければならない情報。例えば、プログラムで関連付けられる代替コンテンツ (画像に対するテキストによる代替、など)、ウィジェットに対する役割 (Role) やステートの情報、複雑なテーブル内部の関係性。
注記: ATAG 2.0 の目的に鑑みて、プログラムによる解釈が可能なアクセシビリティ情報のみが対象となる。その他の例については、Implementing ATAG 2.0 の Appendix A を参照のこと。
- アクセシブルなコンテンツのサポート機能 (accessible content support features)
- 編集中のウェブコンテンツのアクセシビリティを高めるためにコンテンツ制作者を直接サポートするオーサリングツールの機能。これらは、ATAG 2.0 のパート B の達成基準を満たすためになくてはならない機能である。
- 代替コンテンツ (alternative content)
- 一部の利用者がアクセスできない他のコンテンツの代わりに使用されるウェブコンテンツ。代替コンテンツは、元のコンテンツと本質的に同じ機能又は目的を満たす。WCAG 2.0 ではいくつかの一般的なタイプの代替コンテンツを認識している:
- 非テキストコンテンツに対するテキストによる代替 (text alternatives for non-text content): 非テキストコンテンツにプログラムで関連付けられるテキスト、又は非テキストコンテンツにプログラムで関連付けられるテキストから参照されるテキスト。例えば、ある図表の画像には、テキストによる代替が 2 つある: 図表の後の段落に記述される説明と、図表に対する短いテキストによる代替でその後に説明が続く旨を示すもの、である。
- 時間依存メディアに対する代替 (alternatives for time-based media): 時間依存メディアのプレゼンテーションにおいて、一つ以上のトラックとして、その機能又は目的を満たすウェブコンテンツ。これはキャプション、音声解説、拡張音声解説、手話通訳だけでなく、視覚的及び聴覚的な時間依存情報の流れを正しく記述したテキストを含み、時間依存のプレゼンテーションにおけるあらゆるやり取りを実現することができる。
- テキストに対するメディアによる代替 (media alternative for text): メディアのうち、すでにテキストで提示されている情報 (直接的に又は代替テキストによって) よりも多くの情報を提示しないもの。テキストに対するメディアによる代替は、テキスト内容を代替するプレゼンテーションによって恩恵を受ける人々のために提供される。テキストに対するメディアによる代替には、音声のみ、映像のみ (手話映像を含む)、又は音声付き映像がある。
重要なことは、オーサリングツールの観点から見ると、代替コンテンツは次のような場合とそうでない場合があることである:
-
プログラムにより関連付けられる代替コンテンツ (programmatically associated alternative content): 代替コンテンツの場所及び目的が、代替対象の元コンテンツから、プログラムによる解釈が可能なもの。例えば段落は、画像に対するテキストによる代替として提供されることがあるが、それはこの関係性が適切にエンコードされている場合 (例えば、「aria-labelledby」によって) にのみ、プログラムにより関連付けられていると言える。
注記: ATAG 2.0 において代替コンテンツとは通常、プログラムにより関連付けられる代替コンテンツを指す。
- 支援技術 (assistive technology)
- オーサリングツールとは別に、障害のある人 (コンテンツ制作者及びエンドユーザ) の要件を満たす機能を提供するソフトウェア (又はハードウェア)。オーサリングツールの中にも、直接的なアクセシビリティ機能を提供するものがある。例としては以下が含まれる:
- 画面拡大及びその他の視覚的な表示に関する支援技術。視覚障害、知覚障害、及び読書困難などの障害のある人が、レンダリング後のテキスト及び画像の視覚的な読みやすさを改善するために、テキストのフォント、サイズ、間隔、色、音声との同期などを変更するのに使用している。
- スクリーンリーダー。全盲の人がテキスト情報を合成音声又は点字で読み取るために使用している。
- 音声変換ソフトウェア。認知障害、言語障害、及び学習障害のある人が、テキストを合成音声に変換するために使用している。
- 音声認識ソフトウェア。何らかの身体障害のある人が使用することがある。
- 代替キーボード。特定の身体障害のある人がキーボード操作をシミュレートするのに使用している (ヘッドポインタ、シングルスイッチ、呼気/吸気スイッチ、及びその他の特別な入力デバイスを使った代替キーボードを含む)。
- 代替ポインティングデバイス。特定の身体障害のある人がマウスポインタとボタンの動きをシミュレートするのに使用している。
- 音声 (audio)
- 音の再生技術。音声には、合成して作られたもの (音声合成を含む)、実世界の音を収録したもの、又はその両方が含まれる。
- アクセシブルなウェブコンテンツの生成を妨げるコンテンツ制作者のアクション (author actions preventing generation of accessible web content)
- コンテンツ制作者のアクションによってオーサリングツールがアクセシブルなウェブコンテンツ (WCAG) を生成できない場合。例えば、アクセシブルなコンテンツのサポート機能をオフにする、アクセシビリティ情報 (WCAG) のプロンプトを無視する、誤ったアクセシビリティ情報 (WCAG) をプロンプトで提供する、オーサリングツールを改変する (スクリプトツールやマクロによって)、プラグインをインストールする、などが含まれる。
- コンテンツ制作者 (authors)
- オーサリングツールを使用してウェブコンテンツを作成又は編集する人。この用語は、コンテンツ制作者、デザイナー、プログラマー、出版者、テスター、といった役割をカバーする (パート B 適合適用性に関する注記: 6. 複数のオーサリングの役割を参照)。いくつかのオーサリングツールでは、制作者権限を管理することによって、誰がコンテンツ制作者になれるかを制御している。
- 制作者権限 (author permission)
- 所与のウェブコンテンツの編集を可能とする権限。
- オーサリングアクション (authoring action)
- コンテンツ制作者が、オーサリングツールのユーザインタフェースを用いて、ウェブコンテンツを編集するアクションのこと (例えば、テキストのタイピング、削除、要素の挿入、テンプレートの適用、など)。その一方で、ほとんどのオーサリングツールのユーザインタフェースでは、コンテンツを編集しないアクション (例えば、保存、公開、プリファレンスの設定、ドキュメンテーションの表示) もまた可能である。
- 可逆的なオーサリングアクション (reversible authoring action): オーサリングアクションのうち、コンテンツ制作者によるキャンセル要求があったときにオーサリングツールによって即座に完全に元に戻すことができるもの。キャンセル要求の例には、「キャンセル」「取り消し」「やり直し (「取り消し」を元に戻したいときに用いる)」「元に戻す」「ロールバック」などがある。
注記: オーサリングツールは、一連のテキスト入力 (例えば、タイプされた単語、一連のバックスペースなど) を、ひとつの可逆的なオーサリングアクションとしてまとめてもよい。
- オーサリングの結果 (authoring outcome)
- オーサリングアクションによってもたらされるコンテンツ又はコンテンツ改変。オーサリングの結果は、累積的である (例えば、テキストが入力された後、スタイルが設定され、そこにリンクが作成され、そしてタイトルが付与される)。
- オーサリングの慣例 (authoring practice)
- コンテンツ制作者が、所与のオーサリングの結果を実現するために従うアプローチ (例えば、提示をスタイルシートで制御する、など)。オーサリングツールの設計に応じて、オーサリングの慣例は、コンテンツ制作者又はオーサリングツールによって選択されることがある。オーサリングの慣例は、次のような場合とそうでない場合がある:
- オーサリングセッション (authoring session)
- ウェブコンテンツがコンテンツ制作者によって編集可能な、オーサリングツールの状態。
- オーサリングセッションの終了 (end of an authoring session): コンテンツ制作者が、別のセッションを開始することなく、これ以上オーサリングアクションを行なう機会がないこと。オーサリングセッションの終了は、コンテンツ制作者によって (例えば、文書を閉じる、公開する、など) 又はオーサリングツールによって (例えば、コラボレーションシステム上でオーサリングツールが編集権限を他のコンテンツ制作者に移す、など)、決定される。
注記: オーサリングセッションの終了は、公開とは同義ではない。オーサリングセッションを終了して初期公開 (例えば、CMS を更新) した後も、自動的なコンテンツ生成は継続され得る。
- オーサリングツール (authoring tool)
- コンテンツ制作者が (単独又は共同で) 用いて、他の人々 (別のコンテンツ制作者やエンドユーザ) に利用されるウェブコンテンツを作成又は編集するための、ウェブベース又は非ウェブベースのアプリケーション。
注記 1: 「アプリケーション」: ATAG 2.0 には、スタンドアローンのアプリケーション又はアプリケーションの集合体が適合できる。適合を宣言する場合、その宣言は各アプリケーション及び必要な拡張機能、プラグインなどの識別情報を提供しなければならない。
注記 2: 「単独又は共同で」: 複数のコンテンツ制作者がウェブコンテンツの作成に寄与することができ、オーサリングツールによって各コンテンツ制作者は、異なるコンテンツのビュー及びに異なる制作者権限で作業することができる。
注記 3: 「ウェブコンテンツを作成又は編集する」: この句は、別の目的で人からデータを収集し (例えば、オンライン食料品店の注文フォーム)、当人に知らせることなくそのデータをもとにウェブコンテンツを生成する (例えば、ウェブベースでの倉庫の注文) ソフトウェアを含まない (しかしながら、WCAG 2.0 は依然として適用される)。この句はまた、非ウェブコンテンツ技術においてのみコンテンツを生成するために用いられるソフトウェアも含まない。
注記 4: 「他の人々に利用される」: この句は多くのウェブアプリケーションのうち、利用者本人のみが体験できるウェブコンテンツ (例えば、ウェブベースの電子メール表示設定) を変更させるもの又は、自動プロセス (例えば、図書館の目録検索ページ) に対する入力のみを提供するものを含まない。
ATAG 2.0 で一般にオーサリングツールと見なされるソフトウェアの例:
- ウェブページのオーサリングツール (例えば、WYSIWYG の HTML エディタ)
- ソースコードを直接編集するソフトウェア
- ウェブコンテンツ技術に変換するためのソフトウェア (例えば、オフィス文書アプリケーションにおける「HTML として保存」機能)
- 統合開発環境 (例えば、ウェブアプリケーション開発用)
- テンプレート、スクリプト、コマンドライン入力又は「ウィザード」型のプロセスに基づいてウェブコンテンツを生成するソフトウェア
- ウェブページの一部を素早く更新するためのソフトウェア (例えば、ブログ、Wiki、オンラインフォーラム)
- ウェブサイト全体を生成/管理するためのソフトウェア (例えば、CMS、コースウェアツール、コンテンツアグリゲータ)
- ウェブコンテンツ技術を使用してメッセージを送信する電子メールクライアント
- マルチメディアのオーサリングツール
- モバイルウェブアプリケーションを作成するためのソフトウェア
ATAG 2.0 でオーサリングツールとは見なされないソフトウェアの例 (ウェブベースのソフトウェアであれば、いずれの場合も WCAG 2.0 は依然として適用される):
- カスタマイズ可能なパーソナルポータル: 編集中のウェブコンテンツはポータルの所有者のみが利用可能であるため、ATAG 2.0 は適用されない。
- e コマースの注文フォーム: e コマース注文フォームの目的は製品を注文することであり、ウェブコンテンツを介して他者とコミュニケーションをするものではないため、結果的にフォームから収集されたデータによって実際にウェブコンテンツ (例えば、オンライン追跡ページ) ができたとしても、ATAG 2.0 は適用されない。
- スタンドアローンのアクセシビリティチェッカー: 自動又は半自動の修正機能を持たないスタンドアローンのアクセシビリティチェッカーは、実際にウェブコンテンツを変更しないため ATAG 2.0 は適用されない。修正機能を備えたアクセシビリティチェッカー、又はより大きなオーサリングプロセスの一部として捉えられるものは、オーサリングツールと見なされる。
- オーサリングツールのユーザインタフェース (authoring tool user interface)
- コンテンツ制作者がオーサリングツールのソフトウェアを操作するために使用する表示と制御の仕組み。ユーザインタフェースは、非ウェブベースのもの、ウェブベースのもの、又はそれらの組み合わせがある (例えば、非ウェブベースのオーサリングツールがウェブベースのヘルプページを有する場合がある):
- オーサリングツールのユーザインタフェース (非ウェブベース) (authoring tool user interface (non-web-based)): ウェブコンテンツとして実装されておらず、ユーザエージェントではないプラットフォーム (Windows、Mac OS、Java Virtual Machine、iOS、Android など) で直接実行される、オーサリングツールのユーザインタフェースのすべての部分。
- オーサリングツールのユーザインタフェース (ウェブベース) (authoring tool user interface (web-based)): ウェブコンテンツ技術を用いて実装され、コンテンツ制作者がユーザエージェントを介してアクセスする、オーサリングツールのユーザインタフェースのすべての部分。
オーサリングツールのユーザインタフェースは、次のような場合とそうでない場合がある:
- アクセシブルなオーサリングツールのユーザインタフェース (accessible authoring tool user interfaces): オーサリングツールのユーザインタフェースのうち、ATAG 2.0 のパート A のレベルの達成基準を満たすもの。
- アクセシビリティのチェック (checking, accessibility)
- ウェブコンテンツのアクセシビリティについての問題 (WCAG) を評価するプロセス。ATAG 2.0 では、テスト自動化のレベルに基づいて、3 種類のチェック方法を認識している:
- 手動チェック (manual checking): コンテンツ制作者によってテストが実施されるチェック。オーサリングツールによって提供される指示又はガイドによってコンテンツ制作者が支援されるケースを含むが、実際のテスト手順はコンテンツ制作者が実行しなければならない。
- 半自動チェック (semi-automated checking): 部分的にオーサリングツールがテストを実行するチェックで、テストの結果を判定する際には依然としてコンテンツ制作者の入力又は判断が必要なもの。
- 自動チェック (automated checking): オーサリングツールが自動的にテストを実行するチェックで、コンテンツ制作者が介入せずに済むもの。
オーサリングツールは、チェック方法の種類を、いずれの組み合わせでサポートしてもよい。
- コンテンツ (ウェブコンテンツ) (content (web content))
- ユーザエージェントによってエンドユーザに伝達される情報及び感覚的な体験。コンテンツの構造、プレゼンテーション、及びインタラクションを定義するコード又はマークアップを含む。ATAG 2.0 では、この用語は主に、オーサリングツールによって生成された出力結果を指すのに用いられる。オーサリングツールによって生成されたコンテンツには、ウェブベースのオーサリングツールとして機能するものを含むウェブアプリケーションが含まれる場合がある。コンテンツは、次のような場合とそうでない場合がある:
- コンテンツプロパティ (content properties)
- ウェブコンテンツを構成する個々の情報 (例えば、要素の属性と内容、スタイルシート情報、など)。
- コンテンツ (構造化された) (content (structured))
-
ラスター画像形式やプレーンな自然言語のテキストなどの構造化されていないコンテンツに対して、機械可読な内部構造 (マークアップ要素など) を含むウェブコンテンツ。
- コンテンツ生成 (コンテンツオーサリング、コンテンツ編集)(content generation (content authoring, content editing))
-
エンドユーザのユーザエージェントでレンダリング、再生又は実行される実際のウェブコンテンツを指定すること。特定のシステムでどのようにコンテンツが生成されるかの詳細は多岐にわたるが、生成されたコンテンツの責任は以下のいずれかの組み合わせとなる。
- コンテンツ制作者が生成するコンテンツ (author generated content): コンテンツ制作者がすべての責任を負うウェブコンテンツ。コンテンツ制作者は特定のレベルまでしか責任を負わなくてもよいこともある。(例えば、コンテンツ制作者がテキストラベルの入力を頼まれた際、コンテンツ制作者はラベルのテキストに責任を負うが、ラベルがどのようにマークアップされるかに責任を負わない。またソース編集ビューでマークアップを依頼した際、コンテンツ制作者は UNICODE がテキストのエンコードに使用されているという事実については責任を負わない)。
- 自動生成コンテンツ (automatically-generated content): 開発者がプログラミングした機能がすべての責任を負うウェブコンテンツ (例えば、コンテンツ制作者が新しい文書の開始を要求した際に出力するマークアップや、マークアップエラーの自動修正など)。
- サードパーティによって生成されるコンテンツ (third-party content generation): サードパーティのコンテンツ制作者が責任を負うウェブコンテンツ (例えばコミュニティが共有しているテンプレートなど)。
- コンテンツのレンダリング (content rendering)
-
オーサリングツールが編集中のウェブコンテンツをレンダリング、再生又は実行する場合に提示するユーザインタフェース機能。ATAG 2.0 はコンテンツのレンダリングには幾つかのタイプがあると認識している:
- 慣習的なレンダリング (又は「WYSIWYG」)(conventional renderings (or "WYSIWYG")): コンテンツが、ユーザエージェントが同じコンテンツから作成する初期設定のレンダリングと似た方法でレンダリングされる場合。「WYSIWYG」は、「What-you-see-is-what-you-get (見たままが得られる) 」を意味する一般的な言葉だが、ユーザエージェントとエンドユーザの設定の違いは、実際には単一の典型的なエンドユーザの体験が存在しないことを意味する。又は、
- 慣習的ではないレンダリング (unconventional renderings): コンテンツが典型的なユーザエージェントのレンダリングとは異なる形でレンダリングされる場合。(例えば、オーディオファイルをグラフィカルな波形としてレンダリングする場合) 又は、
- 部分的なレンダリング (partial renderings): コンテンツの一部をレンダリング、再生、又は実行するが他はしない場合
(例えばフレーム毎に編集できる映像エディターはグラフィックをレンダリングするが映像のタイミングはレンダリングしないなど)。
- コンテンツ変換 (content transformations)
- あるウェブコンテンツ技術、又は非ウェブコンテンツ技術 (例えばワードプロセッサーのフォーマットなど) を入力して最適化、再構成又は再コードされたコンテンツを生成するプロセス:
注記: プラットフォームのクリップボードへコピーしたり、そこから貼り付けたりするクリップボードの操作はコンテンツ変換とはみなさない。
- 制御設定 (control settings)
- コンテンツ制作者が、どのようにしてオーサリングツールを操作するかの設定。例えばキーボードやマウスの操作など。
- 開発者 (developer)
- オーサリングツールのプログラミングを担当する団体又は個人。適合表明の表明者によって含まれた追加のソフトウェアコンポーネントのプログラマーも含まれる。オーサリングツールの開発は、コンテンツ制作者がウェブコンテンツを公開するためにオーサリングツールを使用できるようになる前に完了していることがある。しかし、他のケース (例えばウェブベースのオーサリングツール等の場合) では、エンドユーザがコンテンツを修正するように、開発者はコンテンツが公開された後でもオーサリングツールを修正してもよい。
- 直接アクセシビリティ機能 (direct accessibility features)
- 障害を持ったコンテンツ制作者のためにオーサリングツールが提供する機能 (例えば、キーボードナビゲーション、ズーム機能、テキスト読み上げなど)。追加、又は特殊な機能が外部の支援技術によって提供されてもよい。
- 表示設定 (display settings)
- コンテンツ制作者がオーサリングツールをどのように知覚するかに関する設定。これらには次のものが含まれる:
- ドキュメンテーション (documentation)
- オーサリングツールの使用をサポートするための情報。この情報は、電子的又は他の方法で提供されてもよい。また、この情報にはヘルプ、マニュアル、インストール手順、サンプルワークフロー、チュートリアルなどが含まれる。
- ドキュメントオブジェクト (document object)
- 非ウェブベースのオーサリングツール又はユーザエージェントによるソース内のデータの内部表現。ドキュメントオブジェクトは支援技術とのやりとりを可能にするプラットフォーム アクセシビリティサービスの一部を形成する。ウェブベースのオーサリングツールはユーザエージェントが管理するドキュメントオブジェクトを利用してもよい。
- 要素 (element)
- マークアップタグとその内容のペア、又は「空タグ」
(閉じタグ又は内容を必要としないタグ)。
- エンドユーザ (end user)
- 制作されたウェブコンテンツと接する人。この中には支援技術を利用する人々も含まれる。
- 自然言語 (human language)
- 人間とコミュニケーションをとるための言語で、話される、書かれる、又は (視覚的もしくは触覚的な手段で) 手話にされるもの。
- 参考情報 (informative)
- 情報提供を目的としており、適合するために必須ではないもの。
- キーボードインタフェース (keyboard interface)
- キーボードインタフェースは多くのプラットフォームで提供されている、デバイスに依存しない方法で操作を可能にするプログラム型のサービスである。キーボードインタフェースは特定のデバイスがハードウェアキーボードを持っていなくてもキーストローク入力を可能にする。(例えば、タッチスクリーンで制御するデバイスは、外部接続されたキーボードに対応するのと同様に、スクリーン上のキーボードに対応するためのオペレーティングシステムに組み込まれたキーボードインタフェースを持つことができる。)
注記: マウスキーのようなキーボードで操作するマウスエミュレーターはキーボードインタフェースからの操作とはみなさない。なぜならこれらのエミュレーターはキーボードインタフェースではなくポインティングデバイスインタフェースを利用するからである。
- キーボードトラップ (keyboard trap)
- キーボードインタフェースがユーザインタフェース コンポーネント、又はコンポーネントのグループにフォーカスを移動することができるが、そこからフォーカスを移動することができないユーザインタフェースの状態。
- ラベル (label)
- テキスト、又はテキストによる代替を伴うコンポーネントで、コンポーネントを識別するために利用者に提示されているもの。名前 (name) は隠されていて支援技術に対してだけ明らかにされる場合がある一方で、ラベルはすべての利用者に提示される。多くの場合 (すべてではないが)、名前 (name) とラベルは同じである。
- ライブ (live)
- 現実の出来事から取り込まれ、放送遅延以上の遅延なく公開される情報。
注記: 放送上の遅延は、短時間の (通常は自動的な) 遅れで、例えば放送局に放送のタイミングの調整や音声 (又は映像) の確認のための時間を与えるものだが、意味のある編集ができるほどのものではない。
- マークアップ言語 (markup language)
- テキストに注釈 (例えば、HTML の要素) をつけるシステムとコンテンツの構造や表示、セマンティクスを処理するためのルール。マークアップ言語の例としては HTML や SVG などがある。
- コンテンツのマークアップ (markup) はコンテンツに表示される注釈のセットである。
- 名前 (name)
- ソフトウェアによるユーザインタフェース コンポーネントをコンテンツ制作者、又はエンドユーザに識別させることができるテキスト。ラベルはすべての利用者に表示されるが、名前 (name) は隠され、支援技術に対してだけ明らかにされる場合もある。多くの場合 (すべてではないが)、ラベルと名前 (name) は同じである。
- 非テキストコンテンツ (non-text content)
- プログラムによる解釈が可能な文字の並びではないコンテンツ、又は文字の並びが自然言語において何をも表現していないコンテンツ。これには ASCII アート (文字による図画)、顔文字及び文字を表現している画像が含まれる。
- 規定 (normative)
- 適合に必須なもの。ATAG 2.0 には様々な明確な方法で適合することができる。「参考情報」 又は 「規定ではない」とされている内容は、適合のために必須でない。
- オプション (option)
- コンテンツ制作者に選択肢が提示された時、
- プラットフォーム (platform)
- オーサリングツールが動作するソフトウェアの環境。プラットフォームは低レベルのソフトウェアプラットフォーム、又はハードウェア上で一貫した動作環境を提供する。ウェブベースのオーサリング ユーザインタフェースの場合、最も関連するプラットフォームはユーザエージェント (ブラウザなど) となる。非ウェブベースのユーザインタフェースの場合、デスクトップのオペレーティングシステム (GNOME desktop on Linux、Mac OS、Windows など)、モバイルオペレーティングシステム (Android、BlackBerry、iOS、Windows Phone など)、又は OS をまたいだ環境 (Java など) などが含まれるが、これらに限らない。
注記 1: 多くのプラットフォームはプラットフォーム上で動作するアプリケーションと支援技術の間をプラットフォーム アクセシビリティサービスを介して仲介する。
注記 2: 開発者のためのアクセシビリティに関するガイドラインは多くのプラットフォームで存在する。
- プラットフォーム アクセシビリティサービス (platform accessibility service)
- アプリケーションと支援技術間のやりとりを提供するため特別に設計されたプログラムによるインタフェース (Windows アプリケーションだと MSAA、IAccessible2、UI Automation、Mac OS X アプリケーションでは AXAPI、GNOME アプリケーションでは、GNOME Accessibility Toolkit API、Java アプリケーションでは Java Access など)。いくつかのプラットフォームではドキュメントオブジェクトを実装することによって、従来のやりとりをさらに強化してもよい。
- プラグイン (plug-in)
- オーサリングツールの一部として実行されるプログラム (例えば、サードパーティのチェックツールや修復ツールなど) で、編集中のウェブコンテンツは含まれない。コンテンツ制作者は通常オーサリングツールからプラグインを組み込むか除外するかを選択する。
- オーサリング済みコンテンツ (pre-authored content)
- オーサリングツール開発者が用意したコンテンツ制作者が編集中のコンテンツの中で利用できるオーサリングセッションより前に作成されたウェブコンテンツの一部。例えば、クリップアートやサンプル動画、ユーザインタフェース ウィジェットが含まれる。
注記 1: テンプレートは不完全なオーサリング済みコンテンツ。ガイドライン B.2.4 を参照のこと。
注記 2: オーサリングツールが自動的にオーサリング済みコンテンツを利用する場合に関しては、ガイドライン B.1.1 を参照のこと。
- オーサリング済みコンテンツの選択メカニズム (pre-authored content selection mechanism)
- コンテンツ制作者がオーサリングセッション中にオーサリング済みコンテンツ (クリップアートギャラリーやウィジェットパレットなど) を選択できる標準のファイル選択機能外の機能。
- 提示 (presentation)
- コンテンツ制作者又は、エンドユーザが知覚できる形式でコンテンツをレンダリングすること。
- プログラムによる解釈 (プログラムによる解釈が可能)(programmatically determined (programmatically determinable))
- 支援技術を含む異なるソフトウェアが異なる方式で情報を抽出したり提示できるようにエンコードされた情報。ATAG 2.0 ではこの用語を次の二つの文脈で利用する:
- 目立つ度合い (prominence)
- コンテンツ制作者がユーザインタフェースの操作中に、あるユーザインタフェース コンポーネントに気づく可能性がどの程度あるかという発見的な尺度。目立つ度合いは様々な要因によって影響を受ける: 例えば、必要なナビゲーションステップの数、読み上げ順序の位置、視覚的特性 (大きさ、間隔、色)、さらに使用方法 (マウスまたキーボード) など。
- 少なくとも同程度目立つ (at least as prominent): ATAG 2.0 では次の場合に、ユーザインタフェース コンポーネント A が他のコンポーネント B よりも「少なくとも同程度目立つ」と考える。既定の状態からコンポーネント B が表示 (かつ有効) となる場合よりも同じかより少ない「オープニングアクション (Opening actions)」とともに、コンポーネント A が表示 (かつ有効) となった場合。
注記 1: コンテナが開いている場合は、コンテナ内の有効なコンポーネント (リスト内のアイテム、メニュー内のアイテム、ツールバーのボタン、ダイアログボックス内のすべてのコンポーネント) はすべて表示されているとみなされる (したがって「少なくとも同程度目立つ」)。コンテナーをスクロールして表示可能にしなければならない場合も同様で、これは様々なスクリーンの大きさとコンテンツ制作者の設定が一定期間表示されるコンポーネントに影響することを考慮している。
注記 2: 「オープニングアクション (Opening actions)」は、新しいコンポーネントを表示、又は有効とするために、コンテンツ制作者がユーザインタフェースの中のコンポーネントに対して起こすアクションである。例: (a) サブメニューを表示するためのトップレベルメニューアイテムのキーボードショートカット、(b) ダイアログボックスを表示するためのボタンをキーボードで選択する、(c) 無効だったサブアイテムを有効にするためにチェックボックスをマウスでクリックするなど。新しいコンポーネントをアクション可能にしないアクション (フォーカスを移動する、リストをスクロールする)、は「オープニングアクション (opening actions)」としてカウントしない。
注記 3: 閉じられたコンテナ内のコンポーネントへのキーボードショートカットは、表示されていないコンポーネントが表示されるのではないため、"オープニングアクション" としてみなされない。閉じられたコンテナ内のコンポーネントを表示するために "検索" を使う必要がある場合も同じことが言える。
注記 4: "デフォルト状態" は、開発者により設定されたオーサリングセッション開始時のオーサリングツールの状態である。多くのドキュメントオーサリングツールのデフォルト状態は編集ビューである。
- プロンプト (prompt)
- コンテンツ制作者に判断又は情報の一部を求めるオーサリングツールからのいくつかの要求。この用語は、すぐに対応する必要がある要求 (例えばモーダルダイアログボックス) と緊急性の低い要求 (例えばスペルミスのある単語に下線を引く) の両方を対象としている。
- 公開 (publishing)
- コンテンツ制作者やオーサリングツールがウェブコンテンツをエンドユーザが利用できるようにするあらゆるポイント (例えば、ウェブページのアップロード、wiki の変更のコミット、ライブストリーミング)。
- 範囲 (range)
- 複数項目の集合内での複数の項目。
参考的な注記: ATAG 2.0 は、絶対測定が実用的でない場合、用語 "範囲" を使用する (例えば、全てのヘルプ文書例の集合、全てのテンプレートの集合)。厳密にテスト可能な要件は "複数項目セット内の複数の項目" の定義であるが、実装者は達成基準をより広範に実装することを強く推奨する。
訳注: 基準器との比較により測定することを比較測定又は間接測定と呼び、対して測定機器で直接測定することを絶対測定又は直接測定と呼ぶ。
- 関係 (relationships)
- 異なるコンテンツ間の意味のある関連付け。
- 修正 (アクセシビリティ)(repair (accessibility))
- ウェブコンテンツ内で識別されたウェブコンテンツのアクセシビリティについての問題が解決されるプロセス。ATAG 2.0 は、自動化のレベルの増加に基づいて、3 種類の修正を認識する。
- 手動修正 (manual repair): コンテンツ制作者による修正が行われる場合。これには、コンテンツ制作者がオーサリングツールによって提供される指示又はガイドによって支援される場合が含まれるが、実際の修正はコンテンツ制作者が実行する。
- 半自動修正 (semi-automated repair): 部分的にオーサリングツールによって修正されるが、修正を完了するためには制作者の入力又は判断が依然として必要な場合。そして
- 自動修正 (automated repair): 制作者によるいかなる介入もなしにオーサリングツールによって自動的に修正される場合。
- 制約、制限されたウェブコンテンツのオーサリング (restrictions, restricted web content authoring)
- コンテンツ制作者がオーサリングツールで指定できるウェブコンテンツが特定のコンテンツ (要素、属性、ウィジェットなど) を含めなければならないか、又は含めてはならない場合。多くのオーサリングツールは、何らかの方法でオーサリングを制限することで、アクセシビリティに役立つ可能性 (例えば非テキストコンテンツの代替テキストが必要な場合)、又はアクセシビリティを損なう可能性 (例えば代替テキストを定義するための属性が使えない場合) がある。対照的に、ウェブコンテンツのオーサリングを無制限に許可するオーサリングツール (例えば、多くのソース編集ビュー) は、特定のコンテンツが含まれるか含まれないかを要求しない。
- 役割 (role)
- テキスト又はウェブコンテンツ内の構成要素の機能をソフトウェアが識別できる数 (例えば、画像がハイパーリンク、コマンドボタン又はチェックボックスなどとして機能することを示す文字列)。
- 順次キーボードアクセス (sequential keyboard access)
- 順序付けられたセット (例えば、メニュー項目、フォームフィールド) 内の項目すべてを、所望の項目に達し活性化されるまで一つずつフォーカスを進めていくいくようキーボードインタフェースを使用する。これは、キーボードショートカットやバイパスリンクの使用のようにキーボードで直接アクセスする方法とは対照的である。
- 技術 (ウェブコンテンツ)(technology (web content))
- ユーザエージェントによってレンダリング、再生又は実行されるべき符号化された命令のための機構。ウェブコンテンツ技術は、マークアップ言語、データフォーマット又はプログラミング言語を含むであろう。ウェブコンテンツ技術は静的なウェブページからマルチメディアプレゼンテーション、動的なウェブアプリケーションまで幅広く対応しており、コンテンツ制作者は単独で、又は組み合わせて使用してエンドユーザエクスペリエンスを作成できるであろう。ウェブコンテンツ技術のいくつかの一般的な例には、HTML、CSS、SVG、PNG、PDF、Flash、Silverlight、Flex 及び JavaScript が含まれる。
- テンプレート (template)
- コンテンツ制作者、又はエンドユーザのためのウェブコンテンツを生成するオーサリングツールによって記入されているコンテンツの見本 (例えば、文書のテンプレート、コンテンツ管理のテンプレート、プレゼンテーションのテーマ)。多くの場合、テンプレートは、少なくともいくつかのオーサリング上の決定を事前に指定する。
- テンプレート選択機構 (template selection mechanism)
- 標準のファイル選択を超え、新たなコンテンツのための基礎として使用する、又は既存のコンテンツに適用するテンプレートを選択することをコンテンツ制作者に可能にする機能。
- 制限時間 (time limit)
- タスクを実行する (例えば、メッセージを読み取り、アイテムを選択し、変更を保存する) ためオーサリングツールがコンテンツ制作者に提供する時間の量。例: オーサリングセッションのタイムアウト、時間間隔でのプレゼンテーション (例えばチュートリアル映像)。
- チュートリアル (tutorial)
- 複数の部分からなるタスクを実行する手順を提供する文書のタイプ。
- ユーザエージェント (user agent)
- ウェブコンテンツを取得し、レンダリングしてエンドユーザとの対話を容易にする任意のソフトウェア (例えばウェブブラウザ、ブラウザプラグイン、メディアプレーヤー)
- 市場のユーザエージェント (In-Market User Agent): 一般人が (無料又はそれ以外で) 入手できるユーザエージェント。通常、市場のユーザエージェントは、オーサリングツールとは別のソフトウェアになる。しかし時にソフトウェアは、ユーザエージェントとオーサリングツールの機能を併せ持つこともできる。これらの例は次のとおり:
- プレビュー専用 (Preview-Only): ユーザエージェントが関連するオーサリング機能から受け取ったウェブコンテンツをレンダリングのみできた場合、そのソフトウェアはプレビュー機能を備えたオーサリングツールである。このようなプレビューのみの機能は市場のユーザエージェントとはみなされない。
- オーサリングツールモードを持つユーザエージェント (User Agent with Authoring Tool Mode): ユーザエージェント機能が、オーサリングツールの機能に送ることができる前に、ウェブコンテンツを取得して開かなければならない場合、そのソフトウェアはオーサリングツールモードを持つユーザエージェントである。ユーザエージェントがオーサリングツールモードによって生成したコンテンツをプレビューするために使用される場合、それは市場のユーザエージェントであると見なされる。
- 統合ユーザエージェント/オーサリングツール (Combined User Agent/Authoring Tool): ユーザとの対話のデフォルトモードでウェブコンテンツの編集を可能にするユーザエージェント。既に制作者はエンドユーザと同じようにコンテンツを経験しているので、これらのツールでは、プレビューは必要ない。
- ユーザインタフェース コンポーネント (user interface component)
- 明確な一つの機能のための単一の制御としてコンテンツ制作者に知覚される、ユーザインタフェース又は (コンテンツのレンダリングを含む) コンテンツ表示の一部。
- 映像 (video)
- 動いている写真又は画像の技術。映像はアニメーション、写真画像、又はその両方で構成することができる。
- ビュー (view)
- コンテンツ制作者が編集中のウェブコンテンツと対話するために使用するユーザインタフェース機能。ATAG 2.0 は、それらが編集をサポートするかどうかに応じてビューを分類する:
- 編集ビュー (editing-views): コンテンツの一部又はすべてが編集可能であるビュー。又は
- プレビュー (previews): オーサリングアクションが提供されていないビュー (すなわち、ビューは編集できない)。プレビューは、オーサリングツールで編集されているウェブコンテンツをユーザエージェントのエンドユーザに見えるよう提示するために提供されている。プレビューは、実際の市場のユーザエージェントを使用して実装することもできるが、無くてはならないものではない。
ATAG 2.0 は、コンテンツを提示するビューのアプローチをいくつか認識している:
- ソースビュー (source views): コンテンツがレンダリングされていない形態で提供されている (例えば、プレーンテキストエディタ)。又は
- レンダリングされたビュー (rendered views): (慣習的な、非慣習的な、又は部分的な) コンテンツのレンダリングが提示されている。又は
- 属性ビュー (property views): コンテンツの属性のみが提示されている。オーサリングツールは、公開されるコンテンツを自動生成するために、これらの属性を使用する (例えば数字の月と年からカレンダーを生成する CMS カレンダーウィジェット)。
- ワークフロー (workflow)
- コンテンツ制作者が配信可能なコンテンツを生成する際に従う通例の手順又はタスク。オーサリングツールがアプリケーション (例えば、マークアップエディタ、画像エディタ、及び検証ツール) の集合で構成されている場合、そのワークフローはアプリケーションの一つ以上の使用を含むことができる。
付録 B: 参考文献
W3C 標準の最新版は、http://www.w3.org/TR/ の W3C Technical Reports の一覧を参照。この文書の公開以降、以下に示すいくつかの文書が差し替えられている可能性がある。
この節は、規定である。
- [UAAG10]
- "User Agent Accessibility Guidelines
1.0,", I. Jacobs, J. Gunderson, and E. Hansen, eds.17 December 2002.
- [WCAG20]
- "Web Content Accessibility Guidelines 2.0 ", B. Caldwell, M. Cooper, L. Guarino Reid, and G. Vanderheiden, eds. 11 December 2008.
この節は、参考情報である。
- [ATAG10]
- "Authoring Tool Accessibility Guidelines 1.0", J. Treviranus, C. McCathieNevile, I. Jacobs, and J. Richards, eds., 3 February 2000.
付録 C: 謝辞
公開時の AUWG における積極的な参加者:
- Tom Babinszki (IBM)
- Tim Boland (National Institute for Standards and Technology)
- Alastair Campbell (Nomensa)
- Alessandro Miele (Invited Expert)
- Jan Richards (Inclusive Design Institute, OCAD University)
- Jeanne Spellman (W3C)
- Jutta Treviranus (WG Chair; Inclusive Design Institute, OCAD University)
ATAG 勧告候補のテストボランティア
- Victoria Clark
- Maria Carmen C. Cruz
- Emanuela Gorla
- Michael Gower
- Anne Jackson
- Taliesin Love Smith
過去の活発な AUWG 参加者及び他の ATAG 2.0 への貢献者:
- 以前の編集者:
- Tim Boland, NIST
- Matt May (until June 2005 while at W3C)
Kynn Bartlett, Giorgio Brajnik, Judy Brewer, Wendy Chisholm, Daniel Dardailler, Geoff Deering, Cherie Ekholm, Barry A. Feigenbaum, Katie Haritos-Shea, Kip Harris, Phill Jenkins, Len Kasday, Marjolein Katsma, Alex Li, William Loughborough, Karen Mardahl, Matt May, Charles McCathieNevile, Ann McMeekin, Matthias Müller-Prove, Liddy Nevile, Sueann Nichols, Graham Oliver, Greg Pisocky, Wendy Porch, Sarah Pulis, Bob Regan, Chris Ridpath, Andrew Ronksley, Gregory Rosmaita, Roberto Scano, Dana Simberkoff, Reed Shaffner, Michael Squillace, Heather Swayne, Gregg Vanderheiden, Carlos Velasco, and Jason White.
ATAG 1.0 に貢献した人たちの努力なしには、この文書はなかったであろう。
この刊行物は、契約番号 ED-OSE-10-C-0067 の下で、米国教育省障害者リハビリテーション研究協会 (NIDRR) からの政府資金により一部が賄われている。本書の内容は、米国教育省の見解や方針を必ずしも反映するものではなく、商号、商用製品、又は組織が米国政府の保証を意味するものでもない。