ウェブアクセシビリティ方針策定ガイドライン 2012年10月版

1. ガイドラインの目的

ウェブアクセシビリティ方針策定ガイドライン(以下、「本ガイドライン」という。)は、ウェブコンテンツ(ウェブアプリケーションを含む)のウェブアクセシビリティ方針を作成する際に、文書に明記すべき事項を示すためのものである。

JIS X 8341-3:2010では、次のようにウェブアクセシビリティ方針を定めることを求めている。

6 ウェブアクセシビリティの確保・向上に関する要件

6.1 企画

企画段階においてウェブページ一式の責任者は,ウェブアクセシビリティ方針を策定し,文書化しなければならない。ウェブアクセシビリティ方針には,目標とするウェブコンテンツのアクセシビリティ達成等級を含まなければならない。

注記 ウェブアクセシビリティ方針は,ウェブサイトではサイト上,ウェブアプリケーションではマニュアル,パッケージなどで公開するとよい。

この要件を踏まえ、ウェブアクセシビリティ方針に明記すべき事項について、コンテンツ提供者がウェブアクセシビリティ方針を策定しやすいように具体例を交えて解説する。

2. 方針に明記すべき事項

次の各事項について検討した上で、ウェブアクセシビリティ方針に明記する。

なお、国及び地方公共団体等の公的機関のウェブコンテンツ(公式ホームページ、団体が提供する関連サイト、ウェブシステム等)については、総務省の「みんなの公共サイト運用モデル(2010年度改訂版)」(以下「運用モデル」という。)も参照すること。

2.1 対象範囲

JIS X 8341-3:2010に対応する対象範囲を明記する。

参考

運用モデルの付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」も参考にするとよい。

(引用元)付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」(PDF)『3-1.対象範囲及び目標達成期限の設定』(P6)

2.2 達成等級及び対応度

三つの達成等級(等級A、等級AA、等級AAA)のうち、どの達成等級を目標とするかを定めて明記する。また、ウェブアクセシビリティ基盤委員会が作成した「ウェブコンテンツの JIS X 8341-3:2010 対応度表記ガイドライン」で提示されている次の五つの対応度のうち、どの対応度とするかを定めて明記する。

参考

運用モデルの付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」では、達成等級について以下の記載がある。

(引用元)付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」(PDF)『3-2.目標とする達成等級・達成基準の選定』(P6)

国及び地方公共団体等の公的機関の場合は、運用モデルの付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」で提示されている期限と達成等級を目標とすることが望ましい。

期限と達成等級の目安
既に提供しているホームページ等
ホームページ等を新規構築する場合
(引用元)付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」(PDF)『はじめに』(P1)

また、運用モデルの付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」では、段階的に目標を設定することも選択肢として挙げている。

(引用元)付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」(PDF)『3-1.対象範囲及び目標達成期限の設定』(P6)

2.3 その他、明記するとよい事項

JIS X 8341-3:2010の要件ではないが、次のような事項についても検討し、必要に応じてウェブアクセシビリティ方針に文書化しておくとよい。

注記:このうち、目標を達成する期限、例外事項(ある場合)及び追加する達成基準の三つは、運用モデルの付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」では「必ず含める事柄」とされている。

参考

運用モデルの付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」も参考にするとよい。

必ず含める事柄
(1) 対象範囲
アクセシビリティ対応の対象とするホームページ等を記載します。
(例:●●県公式ホームページ、●●市子育て支援サイト、●●区施設予約システム等)
(2) 目標を達成する期限
いつまでに目標を達成する予定かを記載します。
(3) 目標とする達成等級
目標とする達成等級を記載します。
(4) 例外事項(ある場合)
選択した達成等級に該当する全ての達成基準を適用することが原則となりますが、「2.現状把握(4 ページ)」で明らかとなった諸事情により、適用できない達成基準がある場合は記載します。同様に、対象外とするコンテンツが有る場合は記載します。
(5) 追加する達成基準
選択した達成等級以上の達成基準を追加する場合は、記載します。
含めることが望ましい事柄
(1) 担当部署名
担当部署名を記載します。
(2) 現時点で把握している問題点
「2.現状把握(4 ページ)」で明らかとなった問題点を記載します。
(3) 現時点で把握している問題点への対応に関する考え方
問題点について、対応の考え方を記載します。
(引用元)付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」(PDF)『3-3.ウェブアクセシビリティ方針に含める事柄』(P7)

3. 事例

本ガイドラインをふまえたウェブアクセシビリティ方針の例を以下に示す。

3.1 民間企業のウェブサイトの例

ウェブアクセシビリティ方針

株式会社○○○のウェブサイトでは、「JIS X 8341-3:2010 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」に対応することを目標とし、アクセシビリティの確保と向上に取り組んでいます。

対象範囲

株式会社○○○のウェブサイト(http://www.example.co.jp/)全体

目標とする達成等級及び対応度

JIS X 8341-3:2010の等級Aに準拠

注記:弊社のウェブアクセシビリティ方針における「準拠」という表記は、情報通信アクセス協議会ウェブアクセシビリティ基盤委員会「ウェブコンテンツのJIS X 8341-3:2010 対応度表記ガイドライン 第1版 - 2010年8月20日」で定められた表記による。(URI http://waic.jp/docs/jis2010-compliance-guidelines/)

3.2 公的機関のウェブサイトの例

運用モデルをふまえて、より詳細に文書化されている。

ウェブアクセシビリティ方針

○○市のウェブサイトでは、「JIS X 8341-3:2010 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」に対応することを目標とし、アクセシビリティの確保と向上に取り組んでいます。

対象範囲

○○市のウェブサイト(http://www.city.example.jp/)全体

目標とする達成等級及び対応度

JIS X 8341-3:2010の等級AAに準拠

注記:○○市のウェブアクセシビリティ方針における「準拠」という表記は、情報通信アクセス協議会ウェブアクセシビリティ基盤委員会「ウェブコンテンツのJIS X 8341-3:2010 対応度表記ガイドライン 第1版 - 2010年8月20日」で定められた表記による。(URI http://waic.jp/docs/jis2010-compliance-guidelines/)

目標を達成する期限

2015年3月31日

担当部署

○○市○○○○課

その他の具体例については、付属資料1「ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書」(PDF)『4. ウェブアクセシビリティ方針の公開』(P8)を参照。

4. 参考資料

参考となる資料や情報の入手先の一覧を以下に示す。

(1) JIS X 8341-3:2010
購入方法
オンラインでは日本規格協会の「JSA Web Store」より購入することができる。
一時的な閲覧方法
日本工業標準調査会(JISC)のウェブサイトでは規格票の閲覧が可能である。ただし、ダウンロードや印刷することはできない。よって、必ず、規格票を購入するようにすること。
(2) みんなの公共サイト運用モデル(2010年度)
JIS X8341-3:2010に基づき、実施すべき取組み項目と手順等を示している。

ウェブアクセシビリティ方針策定に関しては、特に次の資料が参考になる。