WCAG 2.0解説書

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附録 A 他の文書からの WCAG 2.0 の参照方法

WCAG 2.0 を参照するために用いる次の言葉を文書に挿入することが可能である。

情報提供を目的にして参照する場合

WCAG 2.0 を情報提供という意味で参照する際には、次のフォーマットを使用することができる。

ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン 2.0、W3C 勧告 2008年12月11日 (http://www.w3.org/TR/200X/REC-WCAG20-20081211/ 最新バージョン: http://www.w3.org/TR/WCAG20/)


他の標準規格から WCAG 2.0 を「推奨」要件として参照する場合

標準規格(又は、規定における推奨)で、推奨要件の中で WCAG 2.0 を参照する際には、WCAG 2.0 全体を参照するのが望ましい。これは、WCAG 2.0 の3つのレベルすべてを考慮すべきだが、どれも必須ではないという意味になる。そのため、推奨要件の中で WCAG 2.0 を参照する際のフォーマットは次のようになる:

ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン 2.0、W3C 勧告 2008年12月11日 (http://www.w3.org/TR/200X/REC-WCAG20-20081211/)


他の標準規格から WCAG 2.0 を「必須」要件として参照する場合

WCAG 2.0 を要件(例:標準規格又は規定の必須 要件)の一部として引用する際、WCAG 2.0 の中で必須とする部分を含めなければならない。この方法で WCAG 2.0 を参照する際には、次のルールが適用される:

  1. どのレベルであれ、WCAG 2.0 に適合するには、すべてのレベル Aの達成基準に適合する必要がある。WCAG 2.0 への適合の参照は、部分的なレベル A適合であってはならない。

  2. レベル A 以上であれば、「必須」要件にレベル AA 及び AAA の要件を部分的に加えてもよい。例えば、「すべてのレベル A 及び [レベル AA 及び AAA 達成基準のある特定のリスト]」に適合しなければならない。

  3. WCAG 2.0 へのレベル AA 適合が指定されている場合は、すべてのレベル A 及びすべてのレベル AA 達成基準に適合しなければならない。

  4. WCAG 2.0 へのレベル AAA 適合が指定されている場合は、すべてのレベル A、すべてのレベル AA 及びすべてのレベル AAA 達成基準に適合しなければならない。

    注記 1: レベル AAA 適合をサイト全体の基本的なポリシーとして要求することは推奨しない。なぜなら、コンテンツによっては、レベル AAA の達成基準をすべて満たすことができないからである。

    注記 2: WCAG で定義されている達成基準一式は相互依存しており、個々の達成基準は読者には一見して分からないような形でお互いの定義に依存している。どんな達成基準一式であっても、すべてのレベル A 達成基準が含まれていなければならない。


事例

レベル A 達成基準のみを引用する場合(レベル A 適合):

ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン 2.0、W3C 勧告 2008年12月11日 レベル A 達成基準 (http://www.w3.org/TR/200X/REC-WCAG20-20081211/)

レベル A 及びレベル AA 達成基準を引用する場合(レベル AA 適合):

ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン 2.0、W3C 勧告 2008年12月11日 レベル A 及び AA 達成基準 (http://www.w3.org/TR/200X/REC-WCAG20-20081211/)

レベル A 達成基準及びレベル AA、AAA から選択した達成基準を引用する場合:

ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン 2.0、W3C 勧告 2008年12月11日 レベル A 達成基準及び達成基準 1.x.x, 2.y.y, … 3.z.z. (http://www.w3.org/TR/200X/REC-WCAG20-20081211/)

「必須」要件で WCAG 2.0 を参照する例

公開されているウェブサイト上にあるすべてのウェブコンテンツは、ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン 2.0、W3C 勧告 2008年12月11日 レベル A 達成基準及び達成基準 1.2.3, 2.4.5-6, 3.1.2 (http://www.w3.org/TR/200X/REC-WCAG20-20081211/)に適合しなければならない。


WCAG 関連文書のコンテンツへの参照

Understanding WCAG 2.0 に挙げられていて、その他の関連文書で説明されている実装方法は、WCAG 2.0 の勧告の一部ではなく、WCAG 2.0 勧告自体の引用を用いて参照すべきではない。関連文書にある実装方法への参照は、別々に行うべきである。

実装方法は、個々の実装方法文書、又は WCAG 2.0 実装方法の文書の原本をベースに引用することができる。例えば、"Using alt attributes on img elements" という実装方法は、次のように引用することが可能である。

"Using alt attributes on img elements," W3C ノート(URI: {実装方法の URI})

又は

W3C (200x): WCAG2.0 HTML 実装方法 (URI: {URI of HTML Techniques})

実装方法は、あらゆる標準規格又は規定から「必須要件」として参照されることを想定したものではない。標準規格及び規定は、推奨する実装方法として選ぶことはあっても、いかなる特定の実装方法をも必須とすべきではない。