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WCAG 2.0 達成方法集

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H4: リンク、フォームコントロール、及びオブジェクトを通して、論理的なタブ順序を作成する

達成方法に関する重要な情報

この達成方法 (参考) の使用法と、この達成方法が WCAG 2.0 達成基準 (規定) とどのように関係するのかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) のセクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法の存在は、その技術があらゆる状況で WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成するために使用できることを意味するものではない。

適用 (対象)

HTML 及び XHTML

これは、次の達成基準に関連する達成方法である:

解説

この達成方法の目的は、初期設定のタブ順番が十分でない時に、論理的なタブ順番を提供することである。 多くの場合、「G59: コンテンツ内の順番及び関係に従った順序で、インタラクティブな要素を配置する」を用いることで十分であり、この達成方法は必要ではない。表示とは異なるタブ順番を設定すると、ユーザビリティ上の不具合を生じさせる可能性が高くなる。

場合によって、コンテンツ制作者はコード内のインタラクティブな要素の順番に従うことなく、コンテンツの関係をたどるタブ順番を指定しようとするかもしれない。この場合、インタラクティブな要素の tabindex 属性を使用することで選択肢の順番を指定できる。tabindex 属性には、0 から 32767 の間の値を付与する。

インタラクティブな要素が Tab キーを使ってナビゲートされる時、要素は tabindex 属性の値の増える順にフォーカスが与えられる。0 よりも大きな tabindex 値を持つ要素は、tabindex がない又は 0 の tabindex の要素の前にフォーカスを受けることになる。0 よりも大きな tabindex を持つ全ての要素がフォーカスを受け取った後、残りのインタラクティブな要素はウェブページに現れる順番でフォーカスが与えられる。

訳注: WAIC では H4 に関するアクセシビリティ サポーテッド(AS)情報を提供している。

2020 年 3 月版の アクセシビリティ サポーテッド(AS)情報: H4 も参照されたい。

事例

事例 1

系図の検索フォームで結婚記録を検索する。検索フォームには花嫁及び花婿用のいくつかの入力フィールドがある。フォームは、データテーブルを用いてマークアップされ、1 列目に花婿、2 列目に花嫁のフィールドがある。コンテンツの順番は行ごとであるが、コンテンツ制作者はフォームを列ごとにナビゲートする方がより論理的であると感じている。この方法では、全ての花婿の条件は花嫁の条件へ移る前に記入できる。入力フィールドの tabindex 属性は、列ごとにナビゲートするタブ順番を指定するのに使用される。

コード例:

<form action="#" method="post">
 <table summary="the first column contains the search criteria 
  of the groom, the second column the search criteria of 
  of the bride">
 <caption>Search for marriage records</caption>
 <tr>
   <th>Search criteria</th>
   <th>Groom</th>
   <th>Bride</th>
 </tr>
 <tr>
  <th>First name</th>
  <td><input type="text" size="30" value="" name="groomfirst" 
      title="First name of the groom" tabindex="1"></td>
  <td><input type="text" size="30" value="" name="bridefirst" 
       title="First name of the bride" tabindex="4"></td>
 </tr>
 <tr>
  <th>Last name</th>
  <td><input type="text" size="30" value="" name="groomlast" 
      title="Last name of the groom" tabindex="2"></td>
  <td><input type="text" size="30" value="" name="bridelast" 
      title="Last name of the bride" tabindex="5"></td>
 </tr>
 <tr>
  <th>Place of birth</th>
  <td><input type="text" size="30" value="" name="groombirth" 
      title="Place of birth of the groom" tabindex="3"></td>
  <td><input type="text" size="30" value="" name="bridebirth" 
      title="Place of birth of the bride" tabindex="6"></td>
 </tr>
</table>
</form>      

訳注: WAIC では H4-1 に関するアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報を提供している。

2014 年 6 月版のアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報: H4-1 では、「要注意」と評価されている。WAIC はウェブ制作者にこの達成方法が一部の環境では動作しないことに注意を促すものである。

事例 2

ウェブページは上部の右端に検索フィールドを提供している。コンテンツの順番が最初ではないが、タブ順番が最初になるようにフィールドには tabindex="1" が与えられている。

訳注: WAIC では H4-2 に関するアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報を提供している。

2014 年 6 月版のアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報: H4-2 では、「要注意」と評価されている。WAIC はウェブ制作者にこの達成方法が一部の環境では動作しないことに注意を促すものである。

事例 3

tabindex 値は、連続した番号である必要はなく、特定の値で始まる必要もない。値は一意的である必要もない。同じ tabindex 値を持つ要素は、その文字の出現順にナビゲートされる。

タブ順番がコンテンツ順番に従っているコンテンツのセクションにおいて、個々の要素に異なる tabindex 値を指定するよりも、全ての要素に同じ値を与えることでエラーを起こりにくくすることが可能である。それらの要素を再配列する、又は新しい要素を加える、及び論理的なタブ順番を設定することは容易である。

コード例:

 <a href="xxx" tabindex = "1">First link in list</a>
<a href="xxx" tabindex = "1">Second link in list</a>
<a href="xxx" tabindex = "1">Link that was added long 
  after the original list was created</a>
<a href="xxx" tabindex = "1">Third link in list</a>
  ...
<a href="xxx" tabindex = "1">Twentieth link in list</a>      

参考リソース

この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。

検証

手順

  1. tabindex が使われているかどうかを確認する。

  2. tabindex が使われている場合、tabindex 属性により指定されたタブ順番がコンテンツの関係に従っていることを確認する。

期待される結果

この達成方法が「十分な達成方法」の一つである場合、この手順や期待される結果を満たしていなければ、それはこの達成方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の達成方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。