【注意】この文書にはより新しいバージョンが存在します: WCAG 2.1 達成方法集
この達成方法 (参考) の使用法と、この達成方法が WCAG 2.0 達成基準 (規定) とどのように関係するのかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) のセクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法の存在は、その技術があらゆる状況で WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成するために使用できることを意味するものではない。
全般
これは、次の達成基準に関連する失敗例である:
これは、複数のテキストフィールドから成るフォームの入力項目で、その一部又は全部に名前 (name) がないことによる達成基準 4.1.2 の失敗例について述べている。多くの場合、複数のテキストフィールドから成るフォームの入力項目の全体に対してラベルが一つあり、そのラベルが最初のテキストフィールドに対してプログラム的に関連付けられているか、又はどのテキストフィールドに対してもプログラム的に関連付けられていない必要がある。
注記: 名前 (name) は、必ずしも視覚的に表示しなければならないわけではないが、支援技術に対しては明示されている必要がある。
米国の電話番号は、3 桁の市外局番、3 桁の市内局番、それに続く 4 桁の番号で構成されている。通常はこれが、例えば (206) 555-1212 のように、(市外局番) 市内局番-番号というフォーマットで示される。多くの場合、電話番号の記入を求めるフォームは三つのテキストフィールドに分かれているが、次の例ではラベルが一つしかない。
電話番号:
(<input type="text" size="3">) <input type="text" size="3">-<input type="text" size="4">
この不適合となる事例は、アクセシビリティ API に三つのテキストフィールドそれぞれに対する名前 (name) がない場合に生じる。支援技術を使っている利用者は、三つの不明確なテキストフィールドを提示されることになる。また、三つのテキストフィールドから成る米国の電話番号の場合、一部の支援技術は、一つ目のフィールドを「(」、二つ目のフィールドを「)」、三つ目のフィールドを「-」とラベル付けすることがあり、これも決して利用者の役に立つものではない。
同じく米国の電話番号で、この事例では、ラベルがプログラム的にどの部分にも関連付けられていない。
電話番号:
(<input type="text" size="3">) <input type="text" size="3">-<input type="text" size="4">
支援技術を使っている利用者は、三つの不明確なテキストフィールドを提示されることになる。
同じく米国の電話番号で、この例では、ラベルが一つめのテキストフィールドにプログラム的に関連付けられている。
<label for="area">電話番号:</label>
(<input id="area" type="text" size="3">) <input type="text" size="3">-<input type="text" size="4">
支援技術を使っている利用者は、一つめのテキストフィールドが電話番号全体のためのテキストフィールドであると理解し、二つめと三つめは不明確なテキストフィールドとして認識することになる。
この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。
Microsoft Active Accessibility 2.0 SDK. Includes Inspect32.exe and other MSAA tools.
Microsoft Internet Explorer Developer Toolbar. Allows examination of script-generated DOM in Microsoft Internet Explorer.
Firebug. Allows examination of script-generated DOM in Firefox.
訳注 1: 「Microsoft Internet Explorer Developer Toolbar」はページが削除されているが、代わりに開発者ツールを使用できる。詳細については、Internet Explorer 開発者ツールを理解するを参照のこと。
訳注 2: Firefox のアドオン「Firebug」は開発が終了している。代わりに開発ツールを使用できる。開発ツール | MDN も参照のこと。
訳注 3: Google Chrome の場合、類似のツールが利用できる。詳細については、Chrome DevTools | Tools for Web Developers | Google Developers を参照のこと。
訳注 4: Edge の場合も、類似のツールが利用できる。詳細については、Microsoft Edge Developer Tools - Microsoft Edge Development | Microsoft Docs を参照のこと。
マルチパートフォームフィールドにある各サブフィールドについて:
フィールドにプログラムによる解釈される名前 (name) があることを確認する。
1. の結果がどのサブフィールドでも偽になる場合、この失敗例の条件は適用され、コンテンツは達成基準の失敗となる。