WCAG 2.0 実装方法集

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Flash テクノロジーノート

Adobe Flash Player は、クロスプラットフォームなブラウザのプラグインである。Flash Player によって表示されるコンテンツの制作者は、映像サポート、オーサリングの好み、ベクターベースのグラフィック能力などの様々な要因から Flash Player を用いてコンテンツを提供したり、Flashの標準コンポーネントを利活用したりすることを選択する。コンテンツ制作者がFlashを用いるそういった動機が何であれ、他のウェブコンテンツ技術を用いたウェブコンテンツと同様に、Flash Player で提供されるコンテンツが WCAG 2.0 のアクセシビリティ基準を満たすようにすることは重要である。

Flash のユーザーエージェントによるサポート

Flash Player は、アクセシビリティのビルトインでのサポートと、コンテンツ制作者およびオーサリングツールがコンテンツをアクセシブルにするために利活用できる性能とのコンビネーションを提供している。Flash コンテンツ制作者は、アクセシブルな Flash コンテンツを制作するためには次のどのツールを用いてもよい(ただし、必ずしもこれらに限定されない)。

全盲の利用者、ロービジョンの利用者およびその他の支援技術利用者向けに、Flash Player は2001年に Flash Player 6 でアクセシビリティAPIのサポートを実現した。Flashのアクセシビリティに関する支援技術サポートは、Flash コンテンツに関する情報を支援技術に正しく伝えるという点においては、MSAA(Microsoft Active Accessibility)インタフェースと Flash Player 特有のインタフェースに依存している。支援技術のサポートは、次の組み合わせによる閲覧環境の利用者に対して提供されている:

支援技術によるMSAAのサポートは、次のような支援技術製品で提供されている(ただし、必ずしもこれらに限定されない)。

Flash によるアクセシビリティのサポート

Flash Player は、マウスを使用することのできない利用者向けにキーボード操作もサポートしている。キーボード操作のサポートに関しては、Internet Explorer で用いられている Flash Player の ActiveX 版が最も高いレベルだが、Mozilla Firefox でのサポートを提供するための実装方法もこの文書で提供されている。「WCAG 2.0 実装方法集」で紹介されているように、Flash コンテンツ制作者はパブリッシュしたコンテンツ内でのタブ順序を制御することができる。

Flash player は、映像を表示するのに用いられることが多く、あらゆる言語のクローズド・キャプションやサブタイトルを提供することのできるテキストトラックがある。また、音声ガイドを提供できるように複数の音声トラックも用意されている。さらに、視聴覚コンテンツに手話通訳の提供を可能にする映像トラックも複数ある。

現時点では、Flash Player はWindows OSによるハイコントラスト・モードやテキストのサイズ変更をサポートしていない。しかし、Flashコンテンツ制作者は、Flashによるカスケーディング・スタイルシート(CSS)のサポート、その他の標準搭載スタイルのサポート、あるいはFlashの画面フィルタ機能を利用することによって、Flashベースのインタフェースを大きめのテキストで閲覧可能な代替ビュー、代替フォント、あるいは代替ハイコントラスト・カラースキームなどを提供することが可能である。

支援技術向けのFlashによるアクセシビリティのサポートは、Windows OS上で、Internet Explorer 6以降(Flash Player 6 以降)または Mozilla Firefox 3 以降(Flash Player 9以降)を使用した場合に限られている。

Adobe は、Flash Playerにおけるアクセシビリティのサポート向上を継続していく。2010年3月には、Adobeは IAccessible2 のサポート及びMac OSとLinuxプラットフォームの双方に対するアクセシビリティAPIのサポートを追加することを発表した。

Flash Playerに関する詳細な情報は、Adobeサイトで提供されている Flash Player FAQ(英語)を参照のこと。

WCAG 2.0 適合に向けた特記事項

日本語訳における注記:

この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。