WCAG 2.0 実装方法集

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G190: 適合している代替バージョンへのリンクを、適合していないオブジェクトの直前で提供する、又は適合していないオブジェクトと関連付ける

適用(対象)

全てのウェブコンテンツ技術。

これは、次の達成基準に関連する実装方法である:

解説

ページにあるすべてのオブジェクトが適合しているのがより望ましいが、それが可能ではない状況もある。オブジェクト又はコンテンツのセクションが特定の障害のある利用者を想定していると、一方でそういった同じ属性が他の利用者にとってアクセシブルではなくなるという状況がありえる。また、ウェブページ上に適合しているオブジェクトを持たない他の理由も考えられる。オブジェクトが適合していない際には、適合している代替バージョンへのリンクが線形化した読み上げ順序の中で適合していないオブジェクトに隣接している、又は適合していないコンテンツと関連付けられている。適合している代替バージョンは、適合していないバージョンと同じ情報を伝達している。

事例

事例 1:音楽の芸術的な品位を阻害する音声ガイドのあるラップ音楽映像

「ヒップホップキッド」という名前のラップ音楽の映像には背景音がある。音声ガイドを歌の合い間に挿入することは、アーティストが伝えようとしているギターとドラムの最高潮の演奏を妨げるであろう。そのウェブページ上では、映像オブジェクトのすぐ次に「"ヒップホップキッド"の音声解説バージョン」というリンクがあり、映像の中で視覚的に何が起きているかという音声ガイドを含んでいるバージョンが提供されている。

事例 2:歴史文書の画像

独立宣言についてのウェブページに、文書の画像がある。テキストと背景の間のコントラストは不十分であり、手書きの文書は読むことが困難である。利用者をその文書のHTMLバージョンへ誘導するリンクがある。

事例 3:アクセシビリティ・サポーテッドではないアニメーション

アクセシビリティ・サポーテッドではないウェブコンテンツ技術を使用して制作されたインタラクティブなアニメーションがウェブページ上で表示されている。アニメーションの適合している代替バージョンへのリンクは、適合していないコンテンツに隣接している。

検証

チェックポイント

ページ内の適合していないオブジェクトそれぞれに対して:

  1. ウェブページ上に適合していないオブジェクトがある。

  2. 線形化した読み上げ順序の中で適合していないオブジェクトの直後に、オブジェクトの適合しているバージョンへのリンクがある。

  3. そのリンク先に適合しているバージョンがある。

判定基準

注意: この実装方法が「達成基準を満たすことのできる実装方法」の一つである場合、このチェックポイントや判定基準を満たしていなければ、それはこの実装方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の実装方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。

日本語訳における注記:

この文書の正式版は、W3Cサイトで公開されている英語の文書であり、この日本語訳には誤訳が含まれていることもありえます。なお、文中にある「日本語訳における注記」は、W3Cの原文にはないものであり、日本語訳監修者が追記したものです。