WCAG 2.0解説書

本文へジャンプ

-

ページタイトル:
達成基準 2.4.2 を理解する

2.4.2 ページタイトル: ウェブページには、主題又は目的を説明したタイトルがある。 (レベルA)

この達成基準の意図は、各ウェブページにその内容を示すページタイトルを付けることによって、利用者がコンテンツを見つけやすく、自分の現在位置を確認しやすくすることである。タイトルがあれば、利用者はページのコンテンツを読んだり解釈したりすることなく、現在位置を確認することができる。タイトルがサイトマップ又は検索結果のリストに表示されたときに、利用者は自分の求めているコンテンツをより素早く確認できるようになる。ユーザーエージェントは、利用者がそのページを確認できるように、ページのタイトルを容易に見つけられるようにする。例えば、ユーザーエージェントは、そのページタイトルをウィンドウのタイトルバーに表示するか、又はそのページを表示しているタブの名前として表示する。

  • この達成基準により、そのウェブページにある情報が自分のニーズに関係があるかどうかを、すべての利用者が素早くかつ容易に確認できるようになる。

  • 視覚障害のある利用者が、複数のページが開いているとき、コンテンツを区別できるようになる。

  • 認知の障害、短期記憶障害、及び読字障害のある利用者も、そのページタイトルでコンテンツを確認できるようになる。

  • この達成基準は、重度の運動障害があり、ウェブページ間を行き来するとき操作モードを音声に依存する利用者にも役立つ。

リソースは、情報提供のみを目的としており、推奨を意味するものではない。

この節にある番号付の項目は、WCAG ワーキンググループがこの達成基準を満たすのに十分であると判断する実装方法、又は複数の実装方法の組合せを表している。WCAG 2.0 適合要件のすべてが満たされている場合にのみ、次に挙げる実装方法により、この達成基準を満たすことができる。

  1. G88: ウェブページに対して、コンテンツの内容が分かるページタイトルを提供するかつ、後述のテクニックの一つを使ってウェブページにタイトルを結びつける:

適合するためには必須ではないが、コンテンツをよりアクセシブルにするためには、次の付加的な実装方法もあわせて検討するとよい。ただし、すべての状況において、すべての実装方法が使用可能、または効果的であるとは限らない。

以下に挙げるものは、WCAG ワーキンググループが達成基準 2.4.2 に適合していないとみなした、よくある不適合事例である。

重要な用語

ウェブページ

単一の URI から HTTP で得たリソース(埋め込まれていないリソース)と、 ユーザエージェントがこのリソースと一緒にレンダリングすることを意図したりレンダリングに用いたりするその他のリソース(埋め込まれているリソース)を合わせたもの。

注記 1: どのような「その他のリソース」(埋め込まれているリソース)も主たるリソース(埋め込まれていないリソース)と一緒にレンダリングされるであろうが、これらのリソースが同時にレンダリングされる必要があるわけではない。

注記 2: このガイドラインの適合範囲に含まれる対象となるウェブページは、「埋め込まれていない」リソースでなければならない。

事例 1: すべての埋め込まれている画像とメディアを含んだウェブリソース。

事例 2: Ajax を用いたウェブメールのプログラム。そのプログラムは http://example.com/mail に存在しており、受信箱、アドレス帳、そしてカレンダーがある。受信箱、アドレス帳やカレンダーを起動するリンク又はボタンがあるが、ウェブページ全体の URI は変わらないもの。

事例 3: カスタマイズ可能なポータルサイトで、利用者が様々なコンテンツのモジュール一式から表示させるコンテンツを選択できるようなもの。

事例 4: ブラウザで"http://shopping.example.com/" へ行くと、映画のようなインタラクティブなショッピング環境になる。そこでは、視覚的に店内を移動して、店内の棚から商品をドラッグして、目の前にある視覚的な買物カゴに商品を入れる。商品をクリックすると、同時に仕様書が浮き上がるように表示される。これは1ページだけのウェブサイトかもしれないし、 ウェブサイトの中のほんの1ページなのかもしれない。