WCAG 2.0解説書

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見出し及びラベル:
達成基準 2.4.6 を理解する

2.4.6 見出し及びラベル: 見出し及びラベルは、主題又は目的を説明している。 (レベルAA)

この達成基準の意図は、ウェブページにどんな情報があるのか、及びその情報がどのように構成されているのかを、利用者が理解しやすくすることである。見出しが明快で内容を説明していれば、利用者は自分の探している情報をより容易に見つけことができる。また、利用者はコンテンツ内の様々な部分間の関係性をより容易に理解することができる。また、ラベルが分かりやすければ、利用者はコンテンツ内にある特定のコンポーネントを識別しやすくなる。

ラベル及び見出しを長くする必要があるわけではない。単語一つ又は一文字だけであっても、コンテンツを見つけてナビゲートする手がかりとして適切であれば、それだけで十分なこともある。

  • 分かりやすい見出しは、読む速度が遅くなる障害のある利用者及び短期記憶に制約のある利用者に特に役立つ。そのような利用者にとっては、それぞれのセクションの内容を予測できるようにセクションの見出しが記述されていると役立つ。

  • 求めているコンテンツへたどりつくまでに必要なキーストローク数を減少することが、手を使いづらい利用者又は手を使うことに苦痛を伴う利用者に役立つ。

  • この達成基準は、例えば目次のように、前後に関係なく、ラベル及び見出しだけを読み上げたとき、又はページ内の見出しから見出しへ移動したときに、ラベル及び見出しが分かりやすいようにすると、スクリーンリーダーを使用している利用者に役立つ。

    また、この達成基準は、一度にほんの少しの単語しか見ることのできない、ロービジョンの利用者にも役立つ。

リソースは、情報提供のみを目的としており、推奨を意味するものではない。

この節にある番号付の項目は、WCAG ワーキンググループがこの達成基準を満たすのに十分であると判断する実装方法、又は複数の実装方法の組合せを表している。WCAG 2.0 適合要件のすべてが満たされている場合にのみ、次に挙げる実装方法により、この達成基準を満たすことができる。

  1. G130: 内容が分かる見出しをつける

  2. G131: 目的や内容が分かるラベルを提供する

注記: 達成基準 1.3.1 により、見出し及びラベルは、プログラムで判断できなければならない。

適合するためには必須ではないが、コンテンツをよりアクセシブルにするためには、次の付加的な実装方法もあわせて検討するとよい。ただし、すべての状況において、すべての実装方法が使用可能、または効果的であるとは限らない。

  • ウェブページに一意なセクション見出しを用いる(リンク追加予定)

  • 一意な情報からセクション見出しをはじめる(リンク追加予定)

以下に挙げるものは、WCAG ワーキンググループが達成基準 2.4.6 に適合していないとみなした、よくある不適合事例である。

(今のところ、文書化されている不適合事例がない)

重要な用語

ラベル

ウェブコンテンツ 内のコンポーネントを識別するために、利用者に提示されているテキスト 又は代替テキスト付きのコンポーネント。

注記 1: ラベルはすべての利用者に提示される。しかし、識別名は隠されていて支援技術に対してだけ明らかにされる場合がある。多くの場合(すべてではないが)、識別名とラベルは同じである。

注記 2: ラベルという用語は、HTML における label 要素だけに限定されない。